マスコミにどんな情報をプレスリリースすれば、取材して取り上げられるのか?
マスコミが取材するのは、どういうネタか?
坂本宗之祐です。僕は新聞記者を11年やってきました。その中でも社会部という部署です。
どういうことを考えながら日々記事を書いていたか?というと、やはり
読者さん、市民国民のみなさんの役に立つこと
なんですね。
「これは大事な話だ、みなさんにお知らせしなければ!」
「これを記事にすることで、救われる方がいるかもしれない」
そういう思考です。
それはもちろん、功名心もありましたよ。「世の中を驚かすような記事を書いていやろう!」という山っ気もありました。
でもやっぱり、自分が記事を書くことによって、世の中が一ミリでも良くなればいいな、という気持ちが自分にはありました。
多くの記者たちの根っこには、そうしたマインドがあるんですね。
僕は一時期、新聞配達もやっていました。これはすごく良い経験になりました。
家の軒先に咲く花々の彩りや、夕げの支度の香り、少しさびた子どもの自転車、などなど…。
一軒一軒のご家庭に新聞を届けながら、五感でリアルに感じ取りました。
記事の向こうには、人間一人ひとりの生々しい生活があるんだなーということを
多くの人に情報を知らせるメディアとは、一人一人の生活者に寄り添うものなんです。
多くの企業のプレスリリースにうんざりしていました
だから、自分のことしか考えていないことがすぐ分かる、多くの企業のプレスリリースには正直、うんざりしていました。
「世の中のためになる記事を書こう」と考えている記者たちにとって、
「自分たちの宣伝をしてくれ」と言わんばかりの情報提供は、むしろ軽べつの対象にしかなりません。
偉そうに聞こえるかもしれません。でもそうなんです。
もちろん、企業の利益を上げる活動そのものは、悪いことではありません。
僕自身、安定した新聞記者を辞めて、「稼ぐ」ことの大変さが骨身にしみてよく分かるようになりました。
「売上を上げること」がいかに大変か?そして売り上げ確保のために宣伝活動がいかに重要な役割を果たすか?が、分かったんですね。
お金を稼ぐことを一つも考えずに好き勝手に記事を書けた新聞記者は、特殊で幸せな職業だったんだな、と思います。
だから、稼ぐためにマスコミさんを利用しよう、と思う気持ちも、今はわからないではありません。
小手先のプレスリリースはもうやめませんか?
それでも、あえて言います。
「自社が儲けるために、プレスリリースをマスコミに送ることはやめましょう」
と。
だって、記者たちにとって迷惑だからです。
巷であふれるプレスリリース・ノウハウには、違和感を抱くことがよくあります。
「何か根本的にずれているな」と感じることがたくさんあります。
・プレスリリースは・曜日の・時に送るといい
・タイトルは・・文字以内に!
・「日本初」などで記者の興味を引こう
などなど…。
それってどうでも良くないか?ということや、いやそれは全然違うでしょう、という話がネット上やモノの本でまかり通っています。
いずれも言えるのは、いずれもプレスリリースの送り手手目線から語られることばかりであって、
「受け取るマスコミ記者の視点がほとんどない」ということです。
いい加減、小手先の方法論はもうやめませんか?と思うのです。
そこは本質ではないからです。
みんながハッピーになれる情報提供をしよう!
僕が言いたいのは、マスコミ記者と同じ方向を向いてください、ということです。
つまり、社会の役に立つ情報をマスコミにお届けしていただきたいのです。
それなら、マスコミの記者は喜びます。そしてあなたの会社も、テレビや新聞で取り上げてもらえます。
読者さん視聴者さんも、有益な情報を得られます。すべての関わる人がハッピーになれるのです。
僕がメディアコンサルタントとして応援するクライアントさんは、社会に貢献するマインドのある方しか受け付けていません。
「どうしたら、マスコミに取り上げてもらえるだろう?」と考えていただくのは、すごく良いことです。
それによって、「どうしたら、社会の役に立てるだろう?」とご自身に問いかけることになると思うんですね。
社会の役に立つことを考えて、プレスリリースに取り組んでくださる方が増えるといいな、と考えています。