記者に正しく評価されるプレスリリースタイトルのつけ方6つの事例
あなたの情報が世の中に広まるかどうか?は“タイトル”次第で決まる、といっても過言ではない。
にもかかわらず、多くの方がタイトルを甘く見ている。適当につけているケースが非常に多い。
その結果、多くのプレスリリースは中身すら読まれずゴミ箱直行になっているのが現実だ。
記者は多忙だ。大量に届くプレスリリースを1通1通、熟読するほどの暇はない。
記者がリリース1通のチェックにかけられる時間は、数秒〜10秒程度だ。
その際、どこを見るか?といえば、当然「タイトル」になる。
目次
プレスリリースのタイトル6つの事例
具体例を挙げて改善すべき点を説明する。
あるプレスリリース配信サイトに掲載されていたプレスリリースのタイトルを並べてみよう。
(1)宮崎牛やすいか、炊飯器、話題の高級トースターが当たる!エビスタ西宮「合同大抽選会」実施!
(阪急阪神ホールディングス株式会社)
(2)業界初!!IoT技術を取り入れた貸会議室 「ベルサールネクスト」を展開
(住友不動産株式会社、住友不動産ベルサール株式会社)
(3)入れて待つだけ!!スープができちゃう! 魔法びんの保温力で、あたたかいスープを おいしく手軽に 『サーモス 真空断熱テーブルスープジャー(KJC-100…
(サーモス株式会社)
(4)子どものための企画が盛りだくさん! ファミリー向けイベント「トーハクキッズデー」 東京国立博物館にて8月15日開催
(東京国立博物館)
(5)夏はやっぱりバーベキュー! サーロインステーキと希少部位が選べる ワンランク上の豪華焼肉セットを通販で販売
(乙川畜産食品株式会社)
(6)ノベルティの販売を行う老舗ECサイト”販促グッズ.com” 女性社員の考案でサイトリニューアル、新機能を追加
(株式会社人と未来グループ)
いずれも改善すべきポイントがかなりある。それぞれ説明していこう。
(1)阪急阪神ホールディングスのケース
(1)宮崎牛やすいか、炊飯器、話題の高級トースターが当たる!エビスタ西宮「合同大抽選会」実施!
大抽選会の実施。このタイトルは完全に「消費者向け」のチラシだ。
これだけでは、記者にとっては、報道に値する社会的な価値をほとんど感じられない。
宮崎牛やスイカ、炊飯器…など具体的なワードを用いたのはいい。しかし、これらを見て魅力的に感じるのは、一般の消費者だ。
消費者が「いいな」と感じるものと、マスコミ記者が「いいな」と思うポイントは、全く異なる。
宣伝チラシならこれでもいいだろう。しかし、プレスリリースとは、記者に届ける文書なのだ。
このように、消費者向けに訴求するタイトルの書き方をする、こうしたケースが非常に多い。
(2)住友不動産のケース
(2)業界初!!IoT技術を取り入れた貸会議室 「ベルサールネクスト」を展開
「業界初!」。この書き方は、とてもよく見られるパターンだ。
ものの本には「・・・初!」と書けば記者が取材したがるとあり、そうした表面的なテクニックを多用する会社が後を絶たない。
この類の表現に、はっきり言って記者たちはもう食傷気味だ。
「・・・初!」と言われてすぐ食いつくのは、三流の記者だ。まともなメディアの記者なら、そのまま受け取ることはない。
記事にするにあたって「初めてかどうか?検証しなければならない」と考える。
だが、当事者のポジショントークを真に受けて、面倒な裏づけの検証取材に走るほど、記者たちは暇ではない。
そもそも、日本初ならともかく、「業界で初めて」と言われてニュース価値を感じるのはその業界メディアだけだ。
一般の新聞やテレビの記者には、魅力のない表現だ。
(3)サーモスのケース
(3)入れて待つだけ!!スープができちゃう! 魔法びんの保温力で、あたたかいスープを おいしく手軽に 『サーモス 真空断熱テーブルスープジャー(KJC-100…
これも「入れて待つだけ!!スープができちゃう! 」と言われても、消費者にとってのメリットに過ぎない。
「!」の多用も好ましくない。こうした、宣伝をあおるタイトルを見た瞬間、多くの記者はゴミ箱に捨ててしまう。
これを記事で取り上げてもらいたいのなら、報道するに値する社会的な意義を示す必要がある。
例えば、「入れて待つだけ!!スープができちゃう! 」ことによって、社会にどんな変化や影響を与えられるのか?
ここの意義づけができていないプレスリリースは、取材したいとなかなか思われない。
(4)東京国立博物館のケース
(4)子どものための企画が盛りだくさん! ファミリー向けイベント「トーハクキッズデー」 東京国立博物館にて8月15日開催
「子どものための企画が盛りだくさん!」。この「盛りだくさん」のような抽象的な表現もまた多い。
抽象的な表現は伝わらない、と覚えておいてほしい。
10なのか?25なのか?50なのか?数字で具体的に明確に伝えよう。
そして、このタイトルでは「家族向けイベントが開かれる」ということしか分からない。
家族向けイベントの開催、これだけではニュース価値はかなり厳しい。
どういう家族にとって、どんな意義があるのか?を伝えていただきたい。
タイトルには、イベントの具体的内容の中から、ニュース価値のありそうなものを引っ張り出して表現してほしい。
(5)乙川畜産食品のケース
(5)夏はやっぱりバーベキュー! サーロインステーキと希少部位が選べる ワンランク上の豪華焼肉セットを通販で販売
「夏はやっぱりバーベキュー!」、これも消費者向けの訴求だ。焼肉セットの販売が、果たして社会的意義のあるニュースだろうか?
消費者向けの宣伝チラシが送って来られるたびに、記者はがっかりする。
「自分たちは、社会性のある記事を書くことが使命なのに、どうして商売の宣伝をしてくるのか?」
と、悲しくなる。
プレスリリースとはそもそも何か?社会の多くの人に関わりのある情報を、マスコミを通じて知らせてもらうためのだ。
新聞やテレビは、国民みんなのもの。公共のものだ。
特定の個人や企業の利益のためにあるものではない。
(6)人と未来グループのケース
(6)ノベルティの販売を行う老舗ECサイト”販促グッズ.com” 女性社員の考案でサイトリニューアル、新機能を追加
サイトのリニューアル。これもニュース価値としては物足りない。
というのも、インターネットというバーチャル空間の話は、テレビや新聞は取材しづらい。なぜなら、「現場」や「動き」がないからだ。
特にテレビニュースは、取り上げにくい。パソコンの画面だけを延々と映してテレビで流すわけにいかないからだ。
それに、サイトの開設やリニューアルは日々、無数にある。よほど特異なサイトでない限り、ニュースになり得ない。
そもそもインターネットはメディアとして、ある意味でテレビや新聞のライバルだ。
ライバルのメディアの動きを、わざわざ進んで取り上げたいとは考えない。
あえて、このタイトルでニュースになる可能性をあげれば、女性社員の考案という点だ。
どういう考案で、具体的にどうリニューアルされたのか?タイトルで簡潔に伝えたかったところだ。
まとめ
プレスリリースはタイトル次第で、本文まで読まれるかどうか決まる。
タイトルで、読み手の記者に興味を持たせることが必要になる。つまり読み手にメリットを分かりやすく表現する。
そのためには、ターゲットのメディア記者の嗜好を把握しておくことが不可欠となる。
また、ウェブ記事のように、「!」を交えながら、書き手の感情を訴えたり、大げさに表現したりすることすべきではない。
基本的に、事実ベースで淡々と誠実に伝える表現にすべきだ。
そして、プレスリリースでは消費者向けの訴求をしてはならない。
打ち出すメリットとしては、「世の中にとってのメリット」を意識してほしい。
あなたも、記者にニュース価値を感じさせる素晴らしいタイトルを練りに練って、世の中に役立つ情報を広げていっていただきたい。
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