続きを読む

記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

ステマ問題は根深い!38%がステマか?ディズニーでアナ雪2以外も多発


映画「アナと雪の女王2」のステマ問題で、ウォルト・ディズニー・ジャパンは12月11日、「本件(アナ雪2)を含む“類似の案件”」でもステマ行為が行われていたことを認める発表をしました。

発表文を読むと、どさくさに紛れて他のステマを白状した感が満載です。

そんなにさらっとしたコメントで済むか?と思わず天を仰ぎました。

ところが少し調べたら、ディズニーに限らず、ウェブ上ではステマが横行しているデータを発見しました。

なんと、企業の依頼を受けるインフルエンサーのうち約38%が「ステマ」に手を染める事実を示すもので、がく然としました。

ステマやるなよ!そんなこと常識的にわかるだろ!

と声を大にして言いたいのですが、それだけ横行しているのが現実なのでしょう。

今回、ステマの現状とステマがなぜ悪いのか?そして今後のステマを展望します。

ステマが水面下で横行している衝撃のデータ

お金を渡して宣伝させているにもかかわらず「宣伝」「PR」と表記させず、いかにも純粋な口コミのように装って人々をだます。

そうして商売を繁盛させよう、という企みを「ステルスマーケティング」と言います。

WOMマーケティング協議会が今年11月に実施した「インフルエンサーマーケティング取り組み状況に関する実態調査」によると、

なんと、企業の商品サービス紹介をやるインフルエンサーのうち、「お金もらった宣伝です」と必ず明示している人は62.2%にとどまっています。

(引用)・インフルエンサーマーケティング取り組み状況に関する実態調査(メソッド委員会)

つまり、残りの約38%は「ステマ」をやっている、ということでしょう?

これって大問題じゃないですか!

そして、広告だと明示しない理由を尋ねたところ、

「便益の明示」をあまり行っていない人(n=24)に理由を聞いたところでは、「閲覧者が不快に思うとイヤ(11名)」「広告や宣伝ぽくしたくない(10名)」が主なものだった。

おいおい、ふざけるなよ…。身勝手極まりない。

依頼する企業の側が悪いのはもちろんですが、宣伝するインフルエンサー側にも大いに問題があります。

多くの人の情報リテラシーが低い現状を露呈した格好です。

最近、アナ雪2のほか吉本芸人のケースなどがニュースになりましたが、これらは氷山の一角である可能性が極めて高い。

本当にステマを根絶してほしいです・・・。

 

ステマがダメな理由を子供にもわかるように説明します

なぜ私がこれほどステマに憤りを感じるのか?

ステマがダメって、何も難しい話じゃないですよ。常識的に考えれば、小学生だってダメなことってわかります。

・信頼していた知り合いから、「この商品いいよ」とすすめられたので、信じて買った

・しかし実は、その人は商品の会社からお金をもらって、私に売りつけていた

・・・どうですか?

純粋な他者へのおすすめは、利他的な行為です。「あなたのためを思っておすすめしているよ」ならうれしい。

ですけど、単なる宣伝は相手のためじゃなくて、自分のためじゃないですか?

「あなたのため」と善意を装いながら、実は自分が得するための悪だくみだった。これはすごくショックだし、悲しいですよね。

信頼している相手からそんなことされたら、悲しいわけです。

人としてどうやねん?と思うわけです。

こういうことが横行したら、相互不信の社会になる。誰もが人間不信になっちゃいますよ。

ですが、昨今は「儲かるためなら何でもあり」みたいな状況になっていますね。

広告と記事を明確に分けるのは、マスメディアでは常識!

私が新聞記者になったのは1999年。入社してすぐに叩き込まれたのが、情報発信者としての責任、モラルです。

鋭い目の社会部長が「お前ら、絶対金もらって記事書くなよ」と噛んで含めるように話したのを昨日のように覚えています。

だって、金もらって記事を書いたら、読者を裏切ることになるから。

読者は、新聞記事を信用して読んだくださる。お金を出して読んでくださる読者の信頼を裏切るわけにはいかない。

記者は、読者ひいては世の中の利益を第一に考えて、記事を書きます。

もちろん、新聞社はメディア企業でありますから、広告も掲載します。

ですが、新聞においては、「記事」なのか「広告」なのか、読者がすぐわかるようにはっきり明示されています。

記事と誤認させて広告を読ませるのは、やってはいけない基本のきなのです。

 

もちろん新聞社には広告の社員もいます。しかし、記者のいる編集部門と広告部門は明確に区別され、日常で広告の社員と接することほとんどありません。

マスメディアでは、きちんと広告と編集はけじめをつけられている。

ですが、ネット上ではこの「記事」と「広告」の境目がすごくアイマイなまま今日に至っています。

 

ウェブでも「関係性を明示せよ」というガイドラインはある

ネット上のステマがあまりにひどかったので、2017年にウェブのマーケティング関連業界内でやっとガイドラインができました。

その中に、以下のような文言があります。

関係性の明示

(ア) 情報発信者に対して、WOMマーケティングを目的とした重要な金銭・物品・サービスなどの提供が行われる場合、マーケティング主体(中間事業者でなく主催者)と情報発信者の間には「関係性がある」と定める。

(イ) 関係性がある場合、情報発信者に関係性明示を義務付けなければならない。関係性明示は、主体の明示と便益の明示の両方が、情報受信者に容易に理解できる方法で行われるべきである。

① 主体の明示:マーケティング主体の名称(企業名・ブランド名など)の明示
② 便益の明示:金銭・物品・サービスなどの提供があることの明示

WOMJガイドラインより引用

要は、「宣伝ならちゃんと“宣伝”って書こうね」という話です。記事と誤認させるような宣伝はルール違反ということ。

しかし、このようなガイドラインができた後も、広告ですと明示せずに、口コミと偽った宣伝をする輩が後を絶ちません。

 

ディズニーのステマ行為と謝罪の発表文

アナ雪2のステマでは、複数の漫画家たちに映画を見せた上で、「面白かった」といった好意的な感想をツイッター投稿させていました。

この投稿漫画には広告・PRの表記がなく、いかにも個人的な口コミという体裁を取らせていました。これが大問題に。

しかも今回たまたまだったのではなく、他の映画「アラジン」「アベンジャーズ」「キャプテン・マーベル」などでも、アナ雪2と同じようにステマをしていた。

つまり、広告と明示せずにPR漫画を漫画家に報酬を払い、書かせていたとということでしょう。

何も知らないネットユーザーは、純粋な感想(通常の口コミ)だと信じ、「へぇ、面白いんだ。観に行こうかな」とそのまま受け取った人が大勢いたと思いますよ。

 

ディズニーの発表文(2019年12月11日)を引用します。

「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」にご参加いただいたクリエイターのみなさま、そしてファンのみなさまへ

私たちは、「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」に関し、ご参加いただいたクリエイターのみなさまにご迷惑をお掛けしている事実を大変厳粛に受け止めています。また、この事により、ファンのみなさまを失望させてしまったことを真摯に受け止めています。

ディズニーでは、マーケティング活動における社内指針を設けています。本件を含む類似の案件は、当該指針に関する周知および遵守の不徹底が招いた結果であり、ご参加いただいたクリエイターのみなさまに責任はございません。

改めまして、本件につきまして、深くお詫び申し上げます。今後は、このような事がないよう、社内指針の周知徹底を図り、再発防止に努めてまいります。これまでみなさまにいただいたディズニーに対する思いを心に留め、社員一同努力し続けてまいります。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

 

結論:ステマ根絶にメディアリテラシー教育が必要

ステマをやらせる企業やPR会社が第一義的に悪い。これはもちろんですが、世の中誰もがメディアを使って発信できる時代です。

世の中に情報を発信する責任やマナーをもっと知っていただきたい、と感じています。

ただ現状、こうしたメディアリテラシーを学べる場って、ほとんとありません。

だから、誰もが好き勝手に情報発信ができるため、インターネット空間は虚実入り乱れた無法地帯のようになっています。

小学校でプログラミングが必修化されそうですが、それも重要かもしれないけど、メディアリテラシーの方をもっと学ぶ必要があるのではないでしょうか?

「お金もらってこっそり宣伝しちゃいけない」というのは道徳レベルの話なんですけどね。

とはいえ、昨今はインターネットが発達したが故に、悪事がすぐ露呈する時代です。

透明化が進み、うそやはかりごとは通用しにくくなるでしょう。それに伴って、ステマもどんどん減っていくと予想します。

一昨日の記事でも書きましたが、誠実に真っ当な活動を行う企業や個人たちが報われる時代になるはずです。

逆に、不誠実な企業や個人は、淘汰されていきます。

今はまだ過渡期ですが、今後ますますウェブ空間の情報の適正化が進むことを願ってやみません。

 

 

無料電子ブック

「経営者・個人事業主のための“広告費ゼロ”PR戦略
〜新聞テレビWEBを活用して売上を高める方法〜
(全50ページ)


効果的な情報発信のやり方を調べているけれども、「どうしたら良いのか分からない」と悩んでいませんか?

この冊子では、

・マスメディアに登場する圧倒的メリット
・成功するPR戦略の全体像
・自らのニュース価値(強み・特徴)を掘り起こす方法
・記者が取材したくなる4つの切り口

など、具体的なPRの取り組み等を50ページにわたって詳しく説明しています。

ぜひあなたの情報を広めるためにお役立てください。

無料ダウンロード(期間限定)

「国内メディアリスト(新聞社・テレビ局・雑誌)
(計803)

 media-list-imageこのリストでは

・全国のテレビ局(185)
・全国の新聞社(135)
・雑誌(209)
・ラジオ局、CATVなど(274)

これらの媒体名、所在地をエクセルで一覧にまとめています。

ぜひあなたの情報発信にお役立てください。