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Yahoo!ニュースの仕組み!ヤフトピに載るには?ヤフーに記事を書いた元読売新聞記者が解説


Yahoo!ニュースは、日本で最も多くの人に読まれているニュースメディアです。

無料で読めて便利ですが、Yahoo!ニュースはどういう仕組みで記事を載せているのか?あまり知られていません。

私・坂本宗之祐は、読売新聞記者を経て、Yahoo! JAPANの方からご依頼を受け、Yahoo!ニュース向けの記事を多数執筆しました。

私がYahoo!ニュースに執筆した記事一覧はこちら

私が書いた記事のうち、数十本の記事がヤフートピックス(ヤフトピ)に掲載されました。

そこで、私の経験を踏まえて、Yahoo!ニュースの仕組みを解説します。

この記事を読めば、「なるほど!Yahoo!ニュースの記事はそういう流れで取り上げられるのか」と、目からウロコが落ちるはずです。

 

※この記事は2019年12月20日に公開しましたが、2024年5月14日にリライトし再度公開しました

Yahoo!ニュースは、誰が書いてるの?

「ヤフーの社員がYahoo!ニュースを書いてるんでしょ?」

という方がたまにいます。しかし、それは違います。

Yahoo!ニュースのほとんどの記事は、「社外のメディアから提供を受けて購入している」ものばかりです。

社外のメディアとは?それは、「新聞」「テレビ」「雑誌」「ウェブニュース」から、です。

ヤフーに記事を配信しているメディアは677あります(※1)(2021年12月末現在)

主なところは、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞といった新聞社や、日本テレビ系(NNN)、TBS系(JNN)といったテレビ局。

また、西日本新聞(福岡)や神戸新聞(兵庫)、IBC岩手放送などの地方マスコミ。

あるいは、ITmedia NEWS、ねとらぼ、などといったウェブ専業のニュースメディアも多数あります。

さらには日本農業新聞といった専門紙、週刊女性や女性自身、新潮、文春といった雑誌まで、幅広く網羅しています。

(※1「Yahoo!ニュース パートナーカンファレンス2022を開催しました」より)

 

ヤフーニュースの記事数は1日7500本!いわば「ニュースのデパート」

つまり、Yahoo!ニュースは日本のあらゆるメディアの取りまとめ役。

上記650メディアから洪水のように流れてくるニュースを取りまとめ、ユーザーさんに分かりやすく整理して、ご提供しているのです。

Yahoo!ニュースに記事配信していないメディアが珍しいほどです。

ヤフーで読めないのは、日本経済新聞、NHKくらいではないでしょうか?

とにかく膨大な記事が日々刻々とYahoo!ニュース編集部に押し寄せています。

1日の記事配信数は7500本、と言われています。

しかし、ここであなたは疑問を抱くかもしれません。

「え?でも、ヤフーでは8本くらいの記事しか目にしないよ?」

それは、Yahoo!ニュースのトピックスのトップページです。

新聞で言えば、「一面」に当たります。

つまり、数あるニュースの中で、厳選のうえに厳選された「ニュースのエリート」。

あなたが目にするYahoo!ニュースは、実際は膨大なヤフーニュース記事の“氷山の一角”にしか過ぎないのです。

 

ヤフートピックス記事になるまで4つの関門

では、どういう仕組みでその8本が選ばれていくのか?その仕組みを説明します。

大きく分けて、4つの関門があります。順を追って説明します。

 

【関門①】ヤフー配信するメディアから取材を受ける

ヤフーニュースに載りたかったら、まず第一段階はYahoo!ニュースに配信するメディアから、取材を受けることです。

そのメディアのリストは、以下に公開されています。

ニュース提供社 – Yahoo!ニュース

yahoo media list

 

「新聞」「テレビ」「雑誌」「ウェブニュース」、あらゆるメディアがあります。

じっくり見ていけば、きっとあなたにもなじみの深いメディアがあることでしょう。

Yahoo!ニュース配信社は、数年前は「300超」とされていました。

しかし2021年11月時点で、なんと650以上まで増えています。

※Yahoo!JAPAN公式発表より

ヤフーと繋がるメディアの数が年々、劇的に増えていますね。

Yahoo!ニュースに1日に配信される記事数も年々増えており、2024年5月現在は、1万本近くあるのではないでしょうか?

ちなみに私はかつて、ヤフーが直営する「THE PAGE」で記事を書いていました。

 

 

【関門②】Yahoo!ニュースに配信(1日7000本超)

さて、あなたが上記のヤフーニュースに記事を配信しているメディアから取材されたとします。

例えば、新聞に載ったとしましょう。

しかし、その新聞記事がYahoo!ニュースに配信されるか?というと、そうとは限りません。

というのも、上記のニュース配信社は、すべての記事をYahoo!ニュースに配信していないからです。

自社が抱える多数の記事のうち、ピックアップしたごく一部の記事をYahoo!ニュースに配信します。

なぜなら、すべての記事を無料ネットニュースに載せたら、新聞を有料で購読する人がいなくなってしまうからです。

だから、「無料でネットに出しても問題ない」と選ばれた記事だけ、Yahoo!ニュースに届ます。

どの記事をヤフーに配信するかどうか?は、各メディア任意の判断です。

この段階では、Yahoo!ニュース編集部は関与しません。

 

このように、新聞の記事になった後、Yahoo!ニュースに配信されるまでが、2つ目の関門になります。

ここのハードルをクリアすれば、一応は「Yahoo!ニュースに載った」と言えます。

しかし、その数は全体で7000本以上もあるわけです。

これら大半のヤフーニュース記事は、トピックス記事(ヤフトピ)で紹介されませんので、多くの人の目に触れずに、埋もれてしまいます。

 

・予測されるPV数

Yahoo!ニュースに掲載(トピックス記事以外)された場合、1記事あたりの目安のページビュー(PV)数は、以下の通り。

数千PV程度

少ないですが、それでも1記事で数千PVというのは十分立派な数字です。

 

【関門③】Yahoo!ニュース・トピックス(8ジャンル)掲載

さて、Yahoo!ニュースに配信される7000本以上の記事。

これをそのまま流したら、受け手のユーザーは到底すべての記事を消化できず、大混乱してしまいます。

そこで、ここで登場するのが、「Yahoo!ニュース編集部」です。

Yahoo!ニュース編集部はYahoo! JAPANの社員さんたちで構成されます。

約25人が24時間・4交代制で、ニュースを選別・ピックアップしています。

「これは重要なニュースだ」と判断したものをピックアップし、以下の8つのジャンルに振り分けていきます。

国内

国際

経済

エンタメ

スポーツ

IT

科学

地域

それぞれのジャンルごとに、常時8本の記事が掲載されています。

もちろん、記事はどんどん入れ替わっていきますが、1日あたりの本数は1カテゴリあたり平均15本程度です。

ですので、8ジャンルのトータルで、1日120本くらいでしょうか。つまり「7000分の120」です。

トピックスの8ジャンルに掲載される確率は、全体の記事のうち、たったの2%未満に過ぎません!

ここに載るだけでも、いかにハードルが高いかお分かりいただけるでしょう。

掲載期間は、半日〜1日くらいと短いです。

 

・予測されるPV数

さて、このトピックスの8ジャンルのどこかで記事に選んでもらえたら、1記事どれくらい読まれるのか?

私の感覚値では

数万〜10万PV

といった感じです。

 

 

【関門④】Yahoo!ニュース・トピックスのトップ(主要)掲載

「主要」というタブ。ここは新聞でいう一面です。

全てのカテゴリのニュースの中から「特に大事」と判断されたものが、ここに引き上げられます。

まさに選りすぐり中の選りすぐり。ニュースのエリートですね。

朝刊と夕刊の2回しか一面がない新聞とは違い、Yahoo!ニュースの「主要」は、時間が経つごとに次々と新しいニュースに差し替えられていきます。

ここにはどれくらいの数の記事が載るのか?2019年の数字は

12月19日 83本
12月18日 86本
12月17日 92本
12月16日 76本
12月15日 71本
12月14日 67本

というわけで、1日あたり80本前後です。意外と多い印象です。

Yahoo!ニュース記事全体のわずか1・6〜2%です。

数年前はもっと少なかったのですが、最近は記事の入れ替わりサイクルが早まっています。

その分、このトップ(主要)にくる本数が増えている印象です。

ちなみに2019年12月20日の午前10時50分現在、27本です。

午前7時台に6本、6時台に3本。通勤時間を意識して、朝の時間帯に多いですね。

 

・予測されるPV数

ヤフトピのトップ(主要)に掲載されると、ケタ違いの数の人々に読まれます。

数十万〜数百万PV

にのぼります。

 

Yahoo!ニュース7つの採用基準

以上、Yahoo!ニュースの仕組みと流れを説明してきました。

Yahoo!ニュースといっても毎日、全体で7000もの記事があります。

その中から「トピックス」で取り上げてもらえるのは、2%未満と極めて狭き門です。

では、Yahoo!ニュース編集部は、どういった基準でそれらの記事をピックアップしているのか?

その基準は公開されています。以下の通りです。

1. 速報性・時事性・今日性(事実が起きてからの鮮度、タイムリーであるか)

2. 真実性・信頼性(虚偽が含まれていないか、信頼に足るか)

3. 新奇性(目新しいことか、珍しいことか)

4. 公益性(多くの人の利益につながるか)

5. 認知度(より多くの人が知っているか、関心があるか)

6. 表現力(内容が多くの人が理解できる表現か)

7. 品位(誰が見ても不快感を抱かないか、誰かを中傷していないか)

「1日4000本の記事と向き合う「Yahoo!ニュース トピックス編集部」のすべて」より

 

ヤフトピにどうしたら掲載される?

企業のPR担当の方を中心に、「ヤフトピに掲載されたい!」と考えている方は大勢いらっしゃいます。

しかし、果たしてYahoo!ニュースのトピックスに狙って掲載されるものなのか?

というと、それはかなり難しいでしょう。

上記で説明してきた通り、記事をピックアップするYahoo!ニュース編集部は、「お金」の価値観で動いていないからです。

つまり、「世の中に届けるべきニュースかどうか?」を客観的に判断して、ニュースを選んでいるからです。

テレビでは「お金を払えば出られる番組」というものは存在します。Yahoo!でも広告枠はあります。

しかしYahoo!ニュースのトピックス掲載は、「お金では買えない」ということですね。

だから、ヤフトピ掲載を狙うのであれば、

Yahoo!ニュース編集部が重視している「公共性」と「社会的関心」の2つを意識したニュース発信を心がけると良いでしょう。

Yahoo!ニュースに載る方法、取材依頼のやり方は、具体的にこの記事で手順を説明しているのでぜひ参考にしてください。

 

まとめ

いかがでしょうか?

Yahoo!ニュースは上記の基準に沿って、公平・公正にニュースを世の中の人々に提供する役目を果たしてきました。

決して、目先のPV狙いで、下品なエログロやスキャンダル記事に走らなかった。

だからこそ、現在のように世の多数から支持を集めるニュースサービスに成長したのだと思います。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

こちらの動画もご覧ください。

 



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