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FAXを使ったプレスリリース配信のノウハウ:効果的な送り先リスト入手方法と配信成功の秘訣


「今どき、FAXでプレスリリースを送れるの?!」とあなたは疑問を抱いているかもしれません。

ですが、2023年3月現在も、FAXによるメディアへのプレスリリースを配信は有効な手段です。

というのも、世に多数ある「プレスリリース配信サービス」の大半は、メールによる配信です。

メールのプレスリリース配信が最近数年で3倍以上に増え、埋もれやすくなっています。

こうしたデジタル時代だからこそ、逆にファクスのような手法が効果的だと言える側面もあります。

私は新聞記者として11年以上にわたり、FAXで数え切れないほどプレスリリースを受け、取材をしてきました。

FAXを使ったプレスリリース送信は、送る側にはもちろん、受け取るメディア側にとってもいくつもの利点があります。

この記事では、プレスリリースをFAXで送るメリットデメリット、FAXに適しているメディア、そして実際に送る手順などをお伝えしていきます。

 

※この記事は、2020年12月16日に公開しましたが、2023年3月9日にリライトして再度アップしました。

プレスリリースをFAXで送るメリット

Faxのプレスリリースには、送り手・受け手ともにいくつかのメリットがあります。

 

①低コスト(ファクス料金しかかからない)

Faxは、当たり前ですが、電話回線を通じて文書を送るツールです。

すると、プレスリリース1通あたりの送信料金は、数十円しかかかりません。

100社に送ったとしても、数千円で済みます。

また、最近はインターネットを通じてFaxが送ることができるサービスもあります。こちらならもっと低額です。こちらご参考に。

 

ただ、「コストが安い」点に注目しがちですが、「プレスリリース(広報)は広告と全く異なる」ことに注意が必要です。

プレスリリースをきっかけに取材されても、記事の内容はメディア側が決めるため、企業側がアピールしたい内容になるとは限りません。

 

②記者に読まれやすい

Faxはプリントされた紙としてメディア各社に届きます。

ですので、受信したファクスはその都度、メディアの編集部にいる人が手に取ります。

手に取った瞬間に、文書全体を見てもらうことができます。

これは、メール送付等と比べると、大きな利点です。

メールの場合であれば、そもそも大半は開封すらされていません。

さらには、添付ファイルになっていようものなら、わざわざそれを開いて確認するメディアの人はもっと少なくなります。

それに、ファクスの受信は、「ピー」などと音がするので、メディアの人はすぐ気づきます。

私も新聞記者時代、社内で勤務している時は、ファクス機の受信音に聞き耳を立てていました。

「何か重要な情報が届いたかもしれない」と、報道の記者は考えるので、どうしても確認したくなります。

プレスリリース文面をダイレクトにメディアの人の手元に届けられる、このメリットは大きいです。

 

③速報性に優れる

ファクスは電話と同じく、送ればすぐ相手側に受信されます。

このため、1分1秒を争う報道メディアにとっては、大変ありがたいものです。

これが郵送であれば、1日や2日のタイムラグが生じます。

メールはすぐ届けられますが、上述の通り、記者たちは常時、メールをチェックしているわけではありません。

 

④記者としては手にして取材に行けるので便利

記者の立場からいうと、紙でいただけるプレスリリースは便利です。

⑴プレスリリースの受信

⑵内容の確認

⑶取材の着手(紙を手に電話連絡)

⑷必要な情報の入力(紙に書き込む)

⑸原稿の執筆

紙のプレスリリースなら、これら⑴〜⑸の段取りを、1枚のペーパーを中心に流れるように進めていけるのです。

 

電子メールによるプレスリリース送信のメリットとデメリット

ファクスに対し、メールのプレスリリースはどうか?

メリットは、「ファクスよりも低コストで多数のメディアに一瞬で送信できる」という点です。

プレスリリース配信サービスの大半は、このメールによるプレスリリース配信を行います。

ただ、メールのプレスリリースにはデメリットの方が大きいです。以下のような点です。

・そもそも開封されない、内容確認されない

・記者は電子のプレスリリース文書に取材した情報を書き込みにくい

・プレスリリース情報と、記者が取材で得た追加情報が分離する

・情報がとっ散らかり、原稿執筆時に面倒

というデメリットがあります。

プレスリリース記載事項は、情報の土台。つまり記者にとってはスタート地点です。

それに取材によって情報を肉付けしていく作業こそが取材であり、必須なのです。

 

FAXプレスリリースを元に記者が取材した例

プレスリリースを元に、記者が取材して情報を書き込んだ例をお見せします。

ファクスの文書はモノクロになりますが、以下の画像はカラーになっています。

記者が取材しながらプレスリリースに書き込みをした例としてご覧ください。

このように、情報のベースとなるプレスリリースに直接、取材で追加取得した情報が一覧できれば、記者が原稿を書く時も楽です。

また、原稿執筆後も、これ1枚を保存しておけば、掲載前に事実関係を改めて確認することも用意になります。

だから、報道の取材現場では、リアルな「紙」がいまだ重宝されているのです。

 

プレスリリースをFAXで送るデメリット

ここまでプレスリリースをFaxで送るメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットもあります。以下の通りです。

 

①白黒(モノクロ)になるため、ビジュアル性の高いネタは不向き

ファクスは、モノクロでしか印刷されません。だから、プレスリリースに写真を掲載していても、つぶれて白黒になってしまいます。

ですので、ビジュアルの訴求力が高いネタをメディア各社にお知らせする場合は、どうしても不利になってしまいます。

 

②文字がつぶれて読みにくい

これもFaxの特徴です。細かい文字だと、読めなくなることがたまにあります。

私も記者時代、文字のつぶれたFaxプレスリリースに悩まされたことが多々あります。

また、感熱紙ロールのファクス用紙の場合は、記者の管理が悪いと、印刷された文字が消えてしまうこともあります。

 

③相手側の紙を消費する

ファクスの通信料は、もちろん送る側の負担になりますが、受信する側は自分たちの紙を消費します。

メディアに届くプレスリリースは、半端な量ではないため、その紙の使用量は膨大です。

しかも紙だけでなく、文字を印刷するトナーも消耗品です。1日中受信しているので、すぐ交換が必要になります。

私も記者時代、何度ファクス機のトナーを交換したか、数え切れません。

こうした点も考慮し、Faxでプレスリリースを行うべきです。

メディアの人々は、「ムダなファクス」(=ネタにならない)と判断したプレスリリースに対して、かなり冷ややかです。

後述しますが、Faxのプレスリリースで送付状は不要です。紙のムダです。

送付状は、記者をイライラさせます。「紙がムダだし、早く本題に入ってよ!」と思います。

記者が欲しいのは情報です。ビジネスマナーなどという体裁の取り繕いは不要なのです。

これが社会性のない“売り込み宣伝チラシ”の内容で、3枚も4枚もあると、いら立ちは増幅します。

実際、売り込み宣伝チラシを新聞社にFaxし続けた事業者が、「もう迷惑チラシを送ってこないでください!」と記者からクレームを受けたケースもあります。

 

プレスリリースをFAXで送付できるメディアと適切なケース

メディアにもたくさんの種類があります。業務内容や習慣、特徴がそれぞれ異なりますので、Faxが向いているところとそうでないところは自ずと分かれます。

 

FAXでのプレスリリース送付が適しているメディアとケース

基本的に、伝統的な新聞、雑誌(出版社)といった紙メディアの編集部では、Faxを日常的に使用しています。

このほか、テレビ局、ラジオ局も同様です。

ただ、上述の通り、Faxプレスリリースはビジュアルで訴求できません。

このため、文字情報で「ニュース価値」を表現できるネタが、Faxプレスリリースには適しています。

 

FAX以外でのプレスリリース送付が適しているメディアとケース

新興のウェブメディアは、ウェブを通して情報を受け付けているところがほとんどです。

つまり、サイトの情報受付フォーム、あるいはメールアドレスです。「プレスリリースはこちら」と指定しているウェブメディアもあります。

さすがにウェブメディアですから、Faxという古い情報機器は使用していないわけです。

ウェブメディア向けの場合、また提供したいネタがビジュアル重視である場合は、Fax以外で送付するようにしましょう。

 

プレスリリースのFAXでの送り方

送り方は極めて簡単です。新聞社やテレビ局のFax番号あてにファクスするだけです。

マスコミ各社は基本的に、ファクスからの情報提供をオープンに受け入れています。

問題は、送り先のファクス番号をどうやって手に入れるか?ですよね。

まったく難しくありません。以下に3つの方法を紹介します。

 

プレスリリースのfax送付先リスト一覧の入手方法

①広報マスコミハンドブック、マスコミ電話帳で調べる

全国の書店やAmazonなどで、メディア編集部の連絡先一覧を掲載した冊子が販売されています。

・広報・マスコミハンドブックPR手帳(2023年版)

 

マスコミ電話帳2021年版

 

いずれか一冊、書店やアマゾンで買っておきましょう。

これにはテレビ局、新聞社、雑誌、その他メディアの所在地、電話番号、Fax番号、メールアドレスといった連絡先が載っています。

 

②メディア編集部に電話をかけて、ファクス番号を教えてもらう

ただ、上記の冊子では、ファクス番号が載っていないメディアも数多くあります。

その場合は、編集部に電話をかけて尋ねてください。

そして、「プレスリリースを送りたいので、ファクス番号を教えてください」と頼めば、だいたい教えてもらえるはずです。

私も記者時代、かかってきた電話に対してファクス番号をお伝えし、プレスリリースを送っていただいていました。

 

iタウンページで調べる方法

上記①②でも分からないケースがあります。特に、地方メディアはマスコミ電話帳などには載っていません。

その場合、便利なのがiタウンページで調べるやり方です。

「iタウンページ」とは、NTTが提供している無料サービスで、電話番号を調べられるサイトです。

かつての黄色く分厚い電話帳が、ウェブ版になったものと理解してください。

電話帳と違って便利なのは、検索機能がある点です。

iタウンページ

 

実際の画像はこちら。

 

新聞社の送付先リスト入手方法

検索窓の「キーワードを入力」欄に、「新聞社」と入れます。

次に、「エリア」欄に、あなたの地域名を入力します(八王子市、など)。

こうして検索ボタンをクリックすると、あなたの地元の新聞社の所在地・電話番号を一挙に見つけることができます。

例えば、「山形市」「新聞社」と入力します。

すると、次のような検索結果が表示されます。

スクリーンショット 2017-05-13 10.08.51

 

「支局」「総局」「通信部」と書いてあるのが、記者がいる取材拠点です。

ファクス番号が載っている場合もありますし、載っていなければ、電話をかけてFax番号を聞き出しましょう。

 

テレビ局、ラジオ局の送付先リスト入手方法

上記と同じく、「放送局」と「あなたの地域名」で検索してみましょう。

すると、テレビ局、ラジオ局の検索結果が表示されます。

 

Fax以外のプレスリリースの送り方は?

プレスリリースは、郵送やメール、直接持参などでもメディア各社に届けることができます。

プレスリリース配信の代行サービスもありますが、誰でも自分で送ることが可能です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

 

プレスリリースのFAXで送付状はいらない!

「プレスリリースをFaxする際に、送付状は必須」という方がいます。

しかし、メディアの側からすれば、「送付状はやめてほしい」のが本音です。

なぜなら既述の通り、毎日膨大な量のFaxプレスリリースが新聞社テレビ局には届きます。

想像してください。100通のプレスリリースすべてに送付状があったら、100枚の紙がムダになるのです。それだけトナーも消耗します。

「でも、送付状なしで送るのはビジネスマナー上、失礼ではないのか?」

そんなことありません。メディアは、情報さえいただければ良いのです。

1分1秒に追われながら、膨大な情報の海で格闘しています。慇懃なマナーなど気にしていません。

実際、新聞社のかつての同僚や先輩は、Fax送付状を見るたびに声を荒げていました。

「送付状なんかいらないよ!」

ファクス機の前で受信音がするので待ち構えていたら、送付状が来た…。

この10数秒のロスですら、恨めしいのです。

ファクス送付状は、記者の貴重な時間と、限りある資源である紙をムダにします。

 

「しかし送付状に誰あてか書いていないと分からないではないか?11」

誰あてか?が必要なら、プレスリリースそのものの上部に書いておいてください。

仮に「誰あてか?」記載がなくても大丈夫です。

なぜなら、プレスリリースの内容にニュース価値があれば、その内容に応じて社内で流れるように担当の記者の手元に届けられるからです。

そもそも、プレスリリース自体に送り主の情報と連絡先を書いてあるはずです。

だから、Faxするプレスリリースに送付状をつけても、ほとんど無意味なのです。

 

プレスリリースFAX送付で注意すべきポイント

プレスリリースをファクスで送る場合の注意点をいくつか記します。

 

その1、文字がつぶれないように、大きめのフォントにする

Faxはどうしても、原本と比べて画質が劣化します。

受信するファクス機の性能によっては、文字がつぶれてしまうこともあります。

ですので、画質の粗い印刷になったとしても、文字を判読できるように、文字を大きめにするように気をつけてください。

 

その2、上下の余白にゆとりをもたせる

ファクスで受信した文書には、日時や送信先のファクス番号といった受信記録が、文書の端に小さく印字されます。

時々、このファクス受信記録が、プレスリリース本文の文字をつぶしてしまい、判読できなくなることがありました。

ですので、Faxするプレスリリースは、上から下までびっしり情報を詰め込むのではなく、上下の余白にゆとりをもたせてください。

 

その3、枚数は少なく。できれば1枚に収める

Faxは、相手の紙を消費する送信方法です。

ですので、枚数が多くなると、メディア側の負担が増します。

そのことを考慮せず、「たくさん宣伝したい!」とばかりに、大量の枚数をFaxする行為は失礼に当たります。

それに、枚数が増えるほど、1枚1枚が散逸しやすくなってしまいます。

元々、プレスリリースは1枚に収めるべきですが、Faxの場合は特に1枚に収めることを心がけてください。

 

FAXで送るプレスリリース原稿の書き方と注意点

Fax用のプレスリリースで、特に注意すべき点は

・上部に余裕を持たせておく

・ページ数を記載

・モノクロでも伝わる画像、イラスト

といったあたりです。

その他については、通常のプレスリリースの書き方と変わるところはありません。

プレスリリースの書き方については、こちらをご参照ください。

 

プレスリリースをファクスで送る方法については、動画でも解説していますので、ご覧ください。

 

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