NHKに取材依頼(プレスリリース送付、情報提供)する方法とその送付先
「NHK(日本放送協会)に取材に来てもらいたい」
「NHKの番組で取り上げてもらいたい」
と考える企業や個人の方は、とても多くいます。
しかし、NHKの組織や部署、プレスリリースの送り先など、正確な情報を知らなければうまく情報発信ができません。
この記事では、NHKへの取材依頼方法について、プレスリリースの送付先やNHKの組織・部署、出演者選考基準など、詳しく解説します。
私は、元読売新聞記者です。記者時代はいつもNHKの記者と一緒にいましたので、NHKの実態や、彼らの思考、行動パターンをよく理解しています。
この記事を読むことで、NHKに取材依頼する際に必要な情報を一度にまとめて把握することができます。
NHKへの取材依頼が初めての方でも分かりやすく解説しています。
この記事では、私の経験を通じて、NHKへのプレスリリースの送り方、送り先について説明しますので、ぜひ最後までじっくりお読みください。
※2023年3月29日にリライトして再度公開しました
目次
NHKへのプレスリリース送り先(情報提供先)は?
最初に結論を申し上げると、NHKで取り上げてもらうには「プレスリリース」という文書を、NHKの各部署や番組宛てに送ります。
NHKは、職員数1万人を超える巨大な組織です。だから、当てずっぽうにプレスリリースを送っても、迷子になって読んでもらえません。
※プレスリリースについては、下の記事で詳しく説明しています。
NHKへの送り先選びは、大まかにいって以下の2つの考え方があります。
①全国各地のNHK放送局宛て
プレスリリースの送り先として、最もおすすめなのはあなたの地元にある「NHK放送局」です。
NHKは、全国47都道府県にくまなく、取材拠点があります。
・熊本放送局
・松山放送局
など、基本的に各地の道府県庁所在地には必ずあります。そして、各道府県エリアごとのニュースや番組を制作しています。
NHKは、全国放送で紹介してもらうのは極めてハードルが高いです。が、各地の放送局が手がけるローカル枠の番組であれば比較的ハードルは低くなるため、狙い目です。
②NHKの各番組宛て
もう一つのプレスリリースの送り先としては、「各番組宛て」です。
つまり、あなたの情報を取り上げてもらいたいNHKの番組あてに直接、プレスリリースを届けるのです。
あなたもご存知の通り、NHKには多数の番組があります。それらは、主に以下のジャンルに区分けされます。
・ニュース・報道
・情報・ワイドショー
・バラエティ
・趣味・教育
「わが社の情報を、喜んで受け取ってくれそうな番組はどこだろうか?」と、きちんと吟味した上で、ふさわしい番組を選んでお送りしましょう。
NHKの番組名一覧はこちらからご覧いただけます。
これらNHK番組の中で、いかにあなたの情報にマッチした番組を見つけられるか?に成否がかかっていると言っても過言ではありません。
なお、「数打ちゃ当たる」とばかりに、不特定多数の番組宛てに送りまくることは絶対にやめましょう。相手にとって迷惑ですし、失敗します。
テレビ局へのプレスリリースの送り方については、この記事でも説明しているので、ご参考ください。
NHKの組織・部署
前項で、「NHKの番組ごとにプレスリリースを送る」とお伝えしましたが、NHKの各番組を制作している部署についてもご紹介しておきます。
大きく言って、NHKの番組を作っているのは、「制作局」と「報道部」です。
※2022年4月からの組織改正で、制作局はなくなり、「クリエイターセンター」という名称に変わりました。
クリエイターセンターには基本的にディレクターらが所属し、それぞれ担当の番組を持っています。
報道局には、基本的に記者らが所属し、日々のニュースを追っています。(※記者は特定の番組に所属しません)。
最も確実に担当者の手にプレスリリースを届けられるのは、「番組」指定ですが、制作センターの各局と、報道部の各部署宛てに届けるのも一つのやり方です。
【クリエイターセンター(旧制作局)】(主にディレクター)
第1制作センター
教育・次世代
天才てれび君
沼ハマ
教育ジャーナル
ねほりん
NHK 音楽コンクール
NHK for School
ドキュメント20min.
ハートネットTV
など
第2制作センター
ライフ
あさイチ など
文化
ETV 特集
歴史探偵
こころの時代
映像の世紀バタフライ・エフェクト など
社会
クロ現
100 カメ
ドキュメント 72 時間
プロフェッショナル など
科学
トリセツ
サイエンス ZERO チョイス
きょうの健康
N スペ・クロ現(科学) コズミックフロント
ロボコンなど
第3制作センター
エンタテインメント
SONGS
うたコン
のど自慢
演芸ラジオ
家族に乾杯
LIFE! など
ドラマ
大河
連ドラ など
音楽・伝統芸能
N 響アワー
名曲アルバム
クラシック倶楽部
民謡魂 など
【報道局】(主に記者)
ニュースウォッチ9
ネットワーク報道部
政治部
経済部
社会部
科学・文化部
国際部
災害・気象センター
ニュース制作部
政経・国際番組部
日曜討論
BS 国際報道
おはBiz など
社会番組部
NHK スペシャル
クロ現
Dear にっぽん
事件の涙 など
映像センター
スポーツセンター
スポーツニュース部
スポーツ中継部
スポーツ情報番組部
スポーツ業務管理部
NHKへのプレスリリース送り方(情報提供)=郵送がお勧め
ここまで、送り先について説明してきました。
では、送り先を特定できたら、「いったいどうやってプレスリリースを送ればいいのか?」と疑問に思われるでしょう。
最も確実に届くのが「郵送」です。紙に印刷したプレスリリースを、封筒に入れて郵便で送るのです。
メール等で送るのは、この記事で説明しているように基本的におすすめしません。
東京にあるNHK本部(放送センター)の所在地はこちらです。
〒150-8001 東京都渋谷区神南2-2-1
NHKの番組の多くが、この東京・渋谷の放送センターで制作されています。
封筒表面の宛名書きには、上記の住所に加え、「番組名 ご担当者様」と記載するのが基本です。
以下のような感じです。
〒150-8001 東京都渋谷区神南2-2-1 NHK放送センター
「あさイチ」ご担当者様
東京以外の全国各地にある放送局の所在地は、ここで確認できます。
詳しい送り方は、この記事で解説しています。
NHKサイト投稿で情報提供する方法
事件や不祥事などに関する、いわゆる「タレ込み」や「告発」であれば、NHKのウェブサイトからの投稿できる窓口があります。
こちらのサイトです。
ここは、調査報道のきっかけとなる情報をNHKが求めている窓口です。
ですので、ここには商品サービスを宣伝するプレスリリースを送ってはいけません。
なお、告発やタレ込みは、以下への郵送での情報提供も可能です。
〒150-8001 東京都渋谷区神南2-2-1 NHK 報道局 ネットワーク報道部 特別報道チーム
NHKに記者クラブを通じて情報提供する方法
NHKに情報提供する、もう一つの方法として、「記者クラブにプレスリリースを持ち込む」というやり方があります。
記者クラブとは、主に役所や警察などにあり、新聞社やテレビ局の記者が取材拠点としている場所です。
記者クラブは、全国の都道府県に多数あります。そして、ほとんどの記者クラブにNHKの記者もいます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
NHKの概要
正式名称は、日本放送協会(にっぽんほうそうきょうかい)。
放送法に基づき、昭和25(1950)年に設立されました。
放送局は、東京・渋谷の本部と、全国の道府県庁所在地などを加えると、計54局に上ります。
海外にも、計29の取材拠点があり、世界中の取材をカバーしています。
職員数は、 1万343人(2022年度)です。
(※NHKウェブサイトより)
NHKの出演者を決める基準
NHKは公共放送であり、CM(コマーシャル)がないので、広告クライアント企業も存在しません。
このため、比較的、公平・公正に出演者等を選びやすいメディア環境にあるといえるでしょう。
出演者の選定については、「放送ガイドライン」(5-7 取材・制作の基本ルール・出演者)で
「番組編成や放送番組そのものの多様性の確保にむけて、常にあたらしい出演者を探す努力をするとともに、公共放送としての公平・公正を保つためにも、特定の人に偏ることのないように幅広く人選する。」
と定めています。
NHK記者の特徴
NHKの記者は、新聞記者とほぼ同じ仕事をしています。
警察や役所、事件事故、災害などの現場に足を運んだり、関係者に話を聞きに行ったりして、原稿を書いています。
ですので、私が新聞記者時代も、朝日や毎日などのライバル新聞に加え、NHKの記者も競争相手でした。
新聞記者とNHK記者の違いといえば、読者・視聴者に届くアウトプットの形態が違う(活字or音声)という程度でしょう。
一般の方にとっては、NHKは真面目でお堅いイメージかもしれませんが、NHK報道部の記者たちは、体育会系が多いです。熱心で優秀な記者が大勢います。
公共放送を担う責任感が強い一方、露骨な企業の売り込み宣伝を嫌います。
まとめ
NHKは公共放送という位置づけであり、営利企業が宣伝目的でアプローチをかけるには最もハードルが高いメディアの一つです。
NHKに取り上げていただくには、社会性・公共性を含む情報をお届けすることを強く意識しましょう。
そして、あなたの情報にふさわしい番組を見つけ、その担当者にピンポイントで送ることが重要です。
また、全国の都道府県に放送局があり、記者やディレクターらがいるので、ぜひ彼らに良い情報を届けてあげてください。
なお、他の主な新聞社への具体的な送り先は、以下の記事で説明しています。
こちらの無料オンライン講座では、プレスリリース5つの広報戦略ノウハウを学べます。
私の本もご参考いただければ幸いです。
無料ダウンロード(期間限定)
「国内メディアリスト(新聞社・テレビ局・雑誌)」
(計803)
このリストでは
・全国のテレビ局(185)
・全国の新聞社(135)
・雑誌(209)
・ラジオ局、CATVなど(274)
これらの媒体名、所在地をエクセルで一覧にまとめています。
ぜひあなたの情報発信にお役立てください。
無料電子ブック
「経営者・個人事業主のための“広告費ゼロ”PR戦略
〜新聞テレビWEBを活用して売上を高める方法〜
(全50ページ)
・マスメディアに登場する圧倒的メリット
・成功するPR戦略の全体像
・自らのニュース価値(強み・特徴)を掘り起こす方法
・記者が取材したくなる4つの切り口
元新聞記者書き下ろしの貴重な冊子をプレゼント中です。