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記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

記者クラブに投げ込み(プレスリリース)する方法と注意点を、元読売新聞記者が解説します


あなたは、記者クラブへの投げ込みについて調べているものの、「私なんかが記者クラブを利用できるのだろうか…」と半信半疑ではありませんか?

私は、読売新聞記者として10以上の記者クラブに所属して、数多くのプレスリリース投げ込みを受けてきました。

記者クラブの幹事も、数えきれないほど務めました。

基本的に、記者クラブへのプレスリリース提供(これを業界用語で“投げ込み”と言います)は、誰でもできるので、安心してください。

しかし、記者クラブには独特のルールやマナーがあり、それを知らずに記者から嫌われる企業の社員が多いのもまた事実です。

中には、「迷惑業者」として記者たちにインプットされ、ブラックリスト入りしてしまうケースすらあります。

とはいえ、記者クラブを上手に活用すれば、テレビや新聞各社がこぞってあなたのビジネスを報道してくれる可能性があります。

あなたには、記者クラブを正しく利用していただき、ぜひメディア記者と良い関係を築いていただきたい、と願っています。

この記事では、私の記者経験をもとに、正しい投げ込みの手続きと手順について紹介していきますので、ぜひ最後までじっくりお読みください。

 

※この記事は2017年11月23日に公開しましたが、2022年7月27日にリライトして再度公開しました

東京の記者クラブの種類

まず、記者クラブの具体例を紹介しましょう。東京には最も多くの記者クラブが存在しています。そのごく一部をいくつか挙げます。

記者クラブ名 所在地
・司法記者クラブ 東京高等裁判所内
・文部科学省記者会 文部科学省内
・厚生労働記者会 厚生労働省内
・農政クラブ 農林水産省内
・経済産業記者会 経済産業省内
・国土交通記者会 国土交通省内
・総務省記者クラブ 総務省内
・環境省記者クラブ 環境省内
・東京都庁記者クラブ 東京都庁内

 

ただ、正直に言って、東京のこれらの記者クラブに対して一般の企業や個人が投げ込みをしても、ほとんど取材につながらないので、おすすめしません。

記者クラブに所属する記者は、その官庁を取材することで頭がいっぱいです。

そもそも、外部からのプレスリリースを受けていないところもあります。

こうした官庁にプレスリリースの投げ込みをしても良いのは、あなたのプレスリリースがその官庁の政策とダイレクトに関わりのある場合くらいでしょう。

これらの記者クラブに所属している記者は、所在している官庁(国交省記者会なら国交省)の動きにしか基本的に興味がないからです。

例えば、日本最大の記者クラブと言われる国土交通省の記者クラブ。ここに以前行ったことがありますが、ひっきりなしに報道発表のアナウンスが流れていて驚きました。

つまり、記者たちは省内に多数ある部課(200はあります)から発表されるプレスリリースの処理に追われまくっているのです。

「こんなに発表に追われていたら、外の取材なんてとても出られないじゃないか…」と、クラブに所属する記者を気の毒に感じたのをよく覚えています。

また、別の省庁の記者クラブでは、企業の宣伝担当者と思しき人たちが3人ほど入ってきたことがありました。

緊張した様子でソワソワしながら記者に接触を試みている姿を見て、「記者クラブで宣伝活動をするなんて!」と呆れ返った記憶があります。

このように、霞ヶ関の官庁にある記者クラブで売り込みをしても、記者から煙たがられるのがオチです。

だから、これらの記者クラブに外部の企業がプレスリリース投げ込みをしても、余程のネタでない限り取材されません!

また、民間の組織団体にも記者クラブもありますが、こちらも事情は同じようなものです。

東京商工会議所内の記者クラブは、たとえ同会議所の会員企業であっても、投げ込みを認められていない企業が多数です。

会員企業のうち、投げ込みが許可されているのは一部の大手企業のみ、という話でした。

ですので当然、会員外の企業は当然、投げ込みできません。

 

地方の記者クラブの種類

一方で、地方の記者クラブはかなり状況が異なってきます。

記者クラブは、東京だけでなく全国にあります。

まず、すべての道府県庁に存在します。さらに、県庁所在地の市役所にも、必ず記者クラブがあります。

そして、その他の市役所の多くにも、記者クラブがあるのです。ご存じなかったでしょう?

これら地方の記者クラブは東京にある記者クラブと比べ、届けられるプレスリリースの数が絶対的に少ないです。ゆえに、記者から目を向けてもらいやすいのです。

 

地方にある記者クラブのほんの一部をご紹介しましょう。

記者クラブ名 所在地
・大阪府政記者会 大阪府庁内
・大阪市政記者クラブ 大阪市役所内
・兵庫県政記者クラブ 兵庫県庁内
・愛知県政記者クラブ 愛知県庁内
・札幌市政記者クラブ 札幌市役所内
・福岡県政記者室 福岡県庁内

などなど。

 

これらの地方の記者クラブは、プレスリリースを持ち込むのに適しています。

地方の多くの記者クラブでは、外部からのプレスリリース持ち込みを受けています。

 

記者クラブへの投げ込みの申し入れ手順

では、どのように記者クラブにアプローチしていけば良いか、手順を説明します。

 

1 記者クラブに電話する

まず、記者クラブに電話をかけましょう。

電話のかけ方は簡単。あなたがアプローチしたい役所の代表番号に電話をかけます。

そして電話に出た受付の方に「記者クラブをお願いします」と頼めば大丈夫です。すると、電話を内線で記者クラブに回してくれます。

記者クラブの人が電話に出たら、「プレスリリースを提供したいのですが」と相談しましょう。

その際、プレスリリースの内容を聞かれることがあります。なぜなら、「単なる宣伝チラシを持ち込まれては困る」と考えているからです。

企業の単なる宣伝活動だと判断されれば、記者クラブへの投げ込みは断られます。気をつけましょう。

プレスリリースの書き方は、この記事を読んでおいてください。

 

記者が教えるプレスリリースの書き方 初心者向けテンプレートを公開 – 記者が教える広報PRの方法記者が教えるプレスリリースの書き方 初心者向けテンプレートを公開  

  

 

2 必要部数と訪問時間を確認する

記者クラブの人と話をすれば、プレスリリース投げ込みの段取りを教えてもらえます。

記者クラブによって、それぞれの細かなローカルルール(決まりごと)が違います。それを確認しておくのです。

最低限、聞いておくべきなのは、プレスリリースの必要部数、それから持参できる時間です(当日午後4時まで、48時間以降、など)。

その他、記者クラブによって特異なルールがあったりするので、事前に確認しておきましょう。

 

3 プレスリリースを記者クラブに持参する

必要部数と日時を確認したら、実際に記者クラブに足を運びましょう。

どの記者クラブも、ドアを開けると入り口付近に大きな受付ボックスの棚があります。それぞれ、A4サイズの紙がちょうど入るくらいのサイズです。

その棚は、新聞、テレビ、ラジオ各社ごとに分かれています。そのボックスそれぞれにプレスリリースを投函していくので、「投げ込み」と呼ばれます。

ただ、記者クラブに入っていきなりプレスリリースの投げ込みを勝手に始めてはいけません。

必ず、受付の職員か、記者クラブ幹事の許可を得てからプレスリリースの投げ込みをしましょう。

多くの記者クラブでは、受付職員がプレスリリース一式を引き取り、「あとはこちらで各社にお配りしておきます」と言われることが多いです。

 

記者クラブ投げ込みでの注意点

1 宣伝チラシを持ち込まない

記者クラブは、宣伝PRをするための機関ではありません!ここは強く申しあげます。

あたかも記者クラブを「無料で宣伝できるところ」という言い方をする人がいます。そういう認識で記者クラブにアプローチすると、確実に記者に嫌われます。

記者は、業者が宣伝しにやってくることを毛嫌いしています。

 

ではどうしたらいいか?

記者たちは「自分たちは世の中に必要な情報を届けるのが役目だ」と考えています。

だから、記者クラブに持ち込むプレスリリースには、「社会性」「公共性」が必要です。

つまり、「世の中にとって必要としている人がいる情報なので、世の中に知らせてください」というスタンス。

記者クラブで、営利事業の宣伝行為はやってはいけません。これは最も大事なことです。

下記の記事で、正しいプレスリリースの書き方を説明しています。ぜひ読んでおいてください。

 

記者が教えるプレスリリースの書き方 初心者向けテンプレートを公開 – 記者が教える広報PRの方法記者が教えるプレスリリースの書き方 初心者向けテンプレートを公開  

 

 

2 メディア各社に公平に情報を提供する

「新聞社はいいので、とりあえずテレビ各社にだけプレスリリースを配りたい」

などという人が、ごくたまにいます。これはNG。

記者クラブは、メディア各社が公平に情報をキャッチすることが基本的なルールになっています。

もちろん、マスメディア各社は、自社独自の報道(特ダネ、スクープ)を狙って日々、取材活動をしているのは事実です。

だが、記者クラブにおいてはお互い抜け駆けせず、ルールに則って行動することを申し合わせています。

だから記者クラブへの情報提供は、加盟各社に同時・一斉に配布することが原則です。

もしあなたが、特定のメディア・報道機関にだけ情報提供をしたいのなら、記者クラブではなく、直接そのメディアに持ち込めば良いのです。

 

 

3 勝手に「解禁日時」などを設定しない

たまに一般企業のプレスリリースで、一方的に「このプレスリリースの報道は、・月・日・・時以降に解禁します」などと書いているものがあります。

これは非常に失礼なプレスリリースで、確実に記者たちのひんしゅくを買います。

解禁付きのプレスリリースとは、発表主体とマスメディア各社との間で「報道協定」が結ばれた場合だけ認められる、特別なものです。

だから、発表する側が記者たちに対して「いついつまでに報道するな」と一方的に通告することは、ルールとマナーを逸脱しています。

もし、ある特定の日時まで報道を控えてほしい理由があるのなら、それは事前に記者クラブの幹事社の記者に相談してください。

納得できる理由があるのなら、記者側もきちんと耳を傾けてくれ、検討してくれます。

 

記者クラブに投げ込みできるプレスリリースの種類

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単なる商品やサービスのお知らせでは、記者クラブ側は投げ込みに「それはちょっと…」と難色を示すことがあります。

営利企業の宣伝を、記者はとても嫌います。

だから、記者クラブにプレスリリースを持ち込むのなら、例えば以下のような内容であることが望ましいです。

・社会貢献性のあるイベント (社会性)

・地域活動のお知らせ (地域性)

・地域の特産品を用いた商品開発 (地域性)

・困っている人を助ける活動 (社会性)

・今までにないユニークな活動 (特異性)

 

プレスリリースはどういう時に出せるのか?その種類はこの記事でより詳細に説明していますので参考にしてください。

 

プレスリリースの種類・内容21パターンごとのおすすめ5段階評価 – 記者が教える広報PRの方法プレスリリースの種類・内容21パターンごとのおすすめ5段階評価

 

 

記者クラブ投げ込みのタイミングは?

記者クラブによって、投げ込みが可能な日時のタイミングは異なるので、事前に電話をかけて確認しましょう。

ただ、そのタイミングを自由に選べるのであれば、以下の曜日・時間を考慮してみてください。

一般的に、午後2〜3時頃は、記者たちは比較的落ち着いています。新聞社は夕刊の締め切りが終わり、ランチを終えて一息つくからです。
(とはいえ、その日によって状況は全然変わるので一概にはいえません)

また、金曜日は役所の発表ものが多い傾向があります。だから金曜日は記者は忙しいことが多いです。

「イベントのお知らせ」の場合、イベント開催の1か月前にはプレスリリース投げ込みをしておきたいです。

新聞各紙の地方面には毎週1回、イベント・行事の掲載コーナーがあります(ここは比較的、載りやすいです)。ここに載せてもらうには、早めに届けておいた方が得策です。

 

ちなみに、以下の記事ではプレスリリース全般の適切なタイミングについてまとめています。チェックしておいてください。

 

プレスリリースの最適タイミングは?内容や送り先、曜日や時間帯ごとに解説します – 記者が教える広報PRの方法プレスリリースの最適タイミングは?内容や送り先、曜日や時間帯ごとに解説します 

 

記者クラブはどういう様子なのか?

役所の建物の中に、記者クラブの1室があります。なぜかどこも「市長室」「知事室」といったトップの部屋と同じフロアにあるケースがほとんどです。

役所のホームページや、庁舎フロア1階などに掲げてある「庁舎案内」をじっくり見てみてください。

「・・県政記者室」「・・市政記者室」という名称の部屋が見つかるはずです。

それがいわゆる記者クラブの部屋になります。

入り口のドアを開けると、どの記者室も入ってすぐの入り口付近に、プレスリリース投げ込み用の大きな棚があります。

その棚は、記者クラブ加盟の新聞テレビラジオ各社ごとに区切られており、そこにプレスリリースが投げ込まれます。

 

一定規模の記者クラブには、その棚の前に受付の職員が座っています(女性が多い)。その役所の臨時職員で、記者クラブにまつわる事務を取り仕切っています。

(※小規模な自治体の記者クラブには、常駐職員はいません。記者も常駐していないことが大半です)

見知らぬ人がやってきたら、その職員が声をかけてくれます。プレスリリース持参した旨を伝えれば、慣れているのでスムーズに対応してくれるでしょう。

部屋の奥を見てみると、机がいくつも並んでいるのが見えると思います。それらは、メディア各社ごとの机となっています。

取材で記者たちが出払っていることもあれば、記者が何人も在室していることもあります。

記者クラブの部屋内は平時は穏やかですが、突発ニュースが発生したりすると、殺気立った雰囲気になることがよくあります。

そんな時は邪魔にならないように静かに退室するなど、記者クラブ内の雰囲気を読み取って行動しましょう。

 

記者クラブを訪問したらやるべきこと

記者クラブに入ったら、まずは受付の職員さんにあいさつしましょう。そして、自分が何者で、何の用件で来たか?を簡潔に伝えます。

そして後は、基本的に受付の職員さんの指示に従ってください。

場合によっては、幹事社の記者にあいさつし、名刺交換ができそうなら名刺交換をする良いです。

記者クラブごとに微妙に異なるルールなどがあります。ルールとマナーを守って、記者クラブを活用しましょう。

用件が済んだら、速やかに退室します。物珍しそうにジロジロ見たり、室内を勝手に歩き回ったりしてはいけません。

 

記者クラブ投げ込みにかかる費用

プレスリリースを記者クラブに投げ込むには、費用はかかるのか?

これはもちろん一切かかりません。記者クラブ側から費用を請求されることはありません。

それは、記者クラブが公共的な組織・場所であるからに他なりません。

かかる費用は、強いて言えば、プレスリリースの印刷費と、記者クラブに足を運ぶ交通費くらいでしょう。

ただ、だからと言って、「記者クラブを無料で宣伝できる場所」と勘違いしないでください。

記者クラブへ宣伝にやってくる、あさましい儲け主義の企業がこれ以上増えると、ますます記者クラブへの門戸が閉ざされるようになってしまう可能性があります。

これを読んでいるあなたの行動が、あなたの後に続いて記者クラブに投げ込みする人たちに影響します。

世の中の人々に役に立つ情報として、あなたのプレスリリースを届けましょう。

 

記者クラブを使わずに、プレスリリースを出す方法

これまで、記者クラブへのプレスリリース投げ込み方法について説明してきました。

が、もちろんプレスリリースを出せるルートは、記者クラブだけではありません。

プレスリリースは、あなたから直接、新聞社やテレビ局に届けることができます。これももちろん無料です。

有料のプレスリリース配信サービスを使う必要もないのです。

下記の記事で、プレスリリースを直接メディアに届けるやり方を説明しています。参考にしてください。

プレスリリースの方法!新聞テレビ・マスコミ取材の確率を3倍高める送り方・送り先 – 記者が教える広報PRの方法プレスリリースの方法!送り先・メディア選び・送り方まで網羅的に解説 

 

 

各新聞社・NHKへの具体的な送り方は、以下の記事で説明している。

 
 

記者クラブを使わず、自社独自のメディアリストを作成する方法

記者クラブにいるのは、新聞テレビの報道記者のみです。

テレビディレクターや雑誌編集者らは、記者クラブにはいません。

新聞テレビの報道記者以外のメディア関係者にアプローチするには、あなたが独自にメディアに接触していくしかありません。

メディアリストの作り方を以下の記事、動画で詳しく説明しています。参考にしてください。

メディアリストの作り方。デキる広報が行う作成と管理7つの手順

 

 

まとめ

記者クラブには、「宣伝チラシ」を決して持って行ってはいけません。

そんなことをすれば、「迷惑業者」として記者たちにインプットされます。ますますメディア掲載が遠ざかるだけです。

記者クラブは基本的に、「社会性」のある情報しか受け付けません。

そして、結局は人間関係です。

記者と信頼関係を築き、本音で話ができる関係を築いていただきたい。

メディアの人と人間関係が築けない広報担当者は、存在価値がありません。いずれAIやロボットに取って代わられるでしょう。

「広報の仕事には将来性がある」とされるのは、人間同士のコミュニケーションが必要な仕事だからです。

だから、「記者クラブに行ってみよう」と検討しているあなたは、とても正しい。

記者のもとへ足を運び、実際に会って、あなたが世の中に投げかけたい思いをしっかり伝えてください。

それができれば、机に座って外に出ず、プレスリリース配信サービスだけで情報をばら撒く会社よりも、10倍以上の成果を出せるようになるはずです。

ぜひ記者に会って、彼らと話をしてください。記者たちもあなたを待っています。

そして、世の中に有益な情報をぜひ届けていってください。

 

以下の動画でも解説しているのでぜひご参考ください。

 

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