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記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

日経新聞に取材依頼するプレスリリース(情報提供)のやり方と、送付先おすすめ5部署を紹介します


FullSizeRender 6 日経新聞(日本経済新聞)から「取材されたい」「記事に載せてほしい」と考えている企業さんはとても多いです。

そこで、日経新聞の記者にプレスリリースを送付する具体的な手順について、この記事で説明します。

結論から言うと、メールではなく郵送です。なぜならメールで届くプレスリリースが激増しているため、その多くが読まれていないからです。

普段から日経新聞の記者と付き合いのある上場企業でもない限り、一見さんがいきなりメールを送っても、日経記者がじっくり読むことはほとんどありません。

日経新聞の記者とコネがない、これから関係を築きたい、という方は、郵送がおすすめです。

印刷したプレスリリースを封筒に入れて、郵送でピンポイントの部署宛に送るやり方です。以下で詳しく説明します。

 

(※この記事は2017年4月6日に公開しましたが、2022年5月24日にリライトして再度公開しました)

日経新聞社の所在地

日経新聞は、東京と大阪に本社があります。このほか各地に5つの支社があります。

東京本社 100-8066 東京都千代田区大手町1-3-7

大阪本社 541-8515 大阪市中央区高麗橋1-4-2

名古屋支社 460-8366 名古屋市中区栄4-16-33

西部支社 812-8666 福岡市博多区博多駅東2-16-1

札幌支社 060-8621 札幌市中央区北一条西6-1-2

神戸支社 650-0011 神戸市中央区下山手通7-1-24

京都支社 604-0874 京都市中京区烏丸通竹屋町角

 

プレスリリースを送るには、これらが送り先の一つになります。

ただ、各本社にそのまま「御中」で郵送しても、しかるべき部署に届かないため、これもなかなか取材されません。

なぜなら、本社は組織が大きく、部署が細かく分かれているからです。

ですので、送る際は必ず部署を指定して、そこに送りましょう。

次の項目で、日経新聞の部署について紹介します。 

 

日経新聞のプレスリリースの送付先(情報提供先)

日経新聞は、東京本社が取材・出稿の中心です。日本経済の中心が東京ですので、必然的にそうなります。東京本社だけで約1300人もの記者がいます。

ですので、「東京本社に送る場合」と、「東京以外の地方に送る場合」の2つに分けてご説明します。

 

東京本社に送る場合

お知らせする内容に応じて、送り先の部署を選びましょう。プレスリリースが取材につながる可能性がある、主だった部署を紹介します。

(2021/04/14追記:この4月から日経新聞社で組織改編がありました。東京本社編集局の各部・センターが廃止され、以下のような「○○ユニット」が新設されました)

 

【ビジネス報道ユニット(旧・企業報道部)】=新しい商品やサービスのお知らせ

メーカーや小売り、サービス業など、あらゆる企業の動向を取材しているのがこの部署です。もっともオーソドックスな日経のリリース送り先です。

このユニットは、「グローバル基幹産業担当」「テック担当」「調査・分析担当」「グローバル消費産業担当」「デジタル・新興企業担当」の5つに分かれます。

ニュース価値の高いネタは、日経新聞(本紙)に載ります。ただ、日経新聞に載らなかったとしてもチャンスがあります。「日経産業新聞」「日経MJ」です。

主にメーカー関連の情報は「日経産業新聞」が取り上げます。そして、流通やサービスに関する話題は、「日経MJ」が拾い上げてくれるのです。

一般企業が日経新聞に取り上げてもらおうとする場合、この「ビジネス報道ユニット」が重要な送り先となるでしょう。

 

【社会・調査報道ユニット(旧・社会部)】=福祉や公共、社会の身近な話題

社会部の記者が、社会面に記事を書いています。経済関係の記事がメーンの日経新聞にあって、やや異端の部署ではあります。

毎日2ページある社会面には、事件や事故の記事が多いです。ですが、人情物語や、弱者に目を向けた視点の記事なども載ります。

また、生活に身近な経済の話題が載ることもあります。円安・円高による家計への影響などです。

また、世相や流行ものも社会面で取り上げられます。そうした話題ものは、社会部の記者に知らせましょう。

 

生活情報ユニット(旧・生活情報部)】=身近な生活にまつわる情報

日経の生活情報記事には、楽しみにしているファンが意外と多くいます。それもあってか、2017年3月から大きくテコ入れしてきました。

まず、日曜朝刊で16ページにも及ぶ特別版「NIKKEI The STYLE」が始まりました。ここでは、旅、グルメ、ファッション、文化・芸術などのライフスタイル情報を紹介しています。

また、土曜の別刷り紙面「土曜日プラス1」では、人気の「何でもランキング」が2ページに増えました。ここで紹介されると、かなりの反響があるようです。

このほか、生活に役立つ実用情報や新製品情報が多くあります。

消費者にとって身近な生活にまつわる情報は、生活情報部にお知らせをしましょう。

 

【国際報道センター(旧・国際アジア部)】=アジアや海外関連のビジネス情報

最近のアジア各国の経済成長を背景に、日経新聞ではアジア経済の報道に力を入れるようになっています。

このため、火曜日〜土曜日の朝刊に毎日1ページ、「アジアBiz面」があります。

アジア方面へのビジネスの動きがあれば、載りやすくなっていると言えるでしょう。

 

【生活情報ユニット・女性面】=働く女性にまつわる情報

アジア経済に加え、最近の日経が力を入れているテーマが「働く女性」です。女性面は、毎週月曜日の朝刊に1ページ掲載されています。

働く女性や、育児を経て職場復帰しようとする女性を応援する記事が目立つようになってきています。

働く女性にまつわるお知らせは、こちらに送りましょう。

 

 

東京本社以外に情報を提供する場合

 日経新聞は、人数は少ないものの、全国都道府県の各都市にも記者はいます。それらの部署は、「支局」と呼ばれています。

あなたが地方で活動しているなら、地元の支局にプレスリリースを送る=地域面での掲載を狙う、ということが狙い目です。

本社にプレスリリースを送っても、競争率がとても高いため、なかなか掲載に至りません。

ところが、地方都市の支局の記者が記事を書いている地域面は、比較的載りやすくなっています。

日経の地方支局の多くは、記者が1〜2人しかいません。ですが、ある程度の記者経験を積んだ中堅クラスの記者で、それなりの実力があります。

数年で東京本社に戻りますので、仲良くなっておけば将来、全国面で記事を書いてくれる可能性もあります。

日経新聞の全国の地方支局の所在地は、ここで一覧できます。

 

プレスリリースの送り方については、この記事にも目を通しておいてください。

 

 

新しい紙面(2022年5月16日〜)宛に情報提供する

日経新聞では、2022年5月16日から紙面の一部が刷新されました。

以下のように、2つの面が新設されたほか、新コラムなども始まっています。

▼Data Finder面新設(隔週月曜掲載) 新しく意義づけしたデータをもとに意外な世の中の動き、トレンドに迫ります。BS番組と連動します。

▼My Purpose面新設(隔週月曜掲載) 生きがいを求めて奮闘する若い人たちにとって、自らが成長するための手掛かりとなるコンテンツを展開します。

▼NEXT Company面に刷新(隔週月曜掲載) 「NEXT1000」の掲載基準を売上高300億円以下に見直し、変化の速いスタートアップの姿を捉えます。

▼Bizランキング面(隔週月曜掲載) 働き方改革やブランド力の観点も取り入れた独自のランキングから、企業の総合力を多角的に分析します。

▼既存面に新コラム ビジネス面の「しごと進化論」は働き方や人材育成、採用戦略などをテーマに、最新の「しごと」の姿を描きます。経済・政策面では各国の予算や税制などを解説する「ポリシーフォーカス」、金融経済面ではフィンテックの成長性や課題も含めて深掘りする「解剖フィンテック」を随時掲載します。

 

プレスリリースは部署ではなく、「面」を指定して送ることもできます。

あなたのネタにマッチする面であるなら、それぞれの面宛に送るのも一つの方法です。

 

 

日経に郵送する宛名の書き方

日経へのプレスリリースは基本、封筒に入れて郵便で送りましょう。
(※メール送付については後述します)

 

・その1 本社に送る場合

郵送の宛名ですが、次のように書けばきちんと担当の記者に届きます。

●(例)

100-8066 東京都千代田区大手町1-3-7 

日本経済新聞東京本社 ビジネス報道ユニット 御中

 

このように部署を指定すれば、安心です。

さらには、コーナーがある面であれば、そのコーナー名まで指定しましょう。

ピンポイントで担当記者に届けられます。つまり、採用されやすくなります。

 

その2 地方の支局に送る場合

地方の支局には、記者は1、2人しかいないので、東京本社宛てのように部署を指定する必要はありません。

●(例)

〒030-0822 青森市中央1-1-17 

日本経済新聞 青森支局 御中

 

なお、正しいプレスリリースの書き方は、次の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。

 

 

日経プレスリリース(電子版)の送付先は?

日経新聞電子版のサイトで、企業のプレスリリースを掲載しているページがあります。

日経新聞電子版 プレスリリース

 

ここにプレスリリースを載せてもらうには、どうしたらいいのか?

日経電子版のサイト内に、そのことについてのQ&Aが書いてあります。

(質問)企業の広報担当者です。電子版にプレスリリースを掲載したいのですが、どうすればよいですか

 

(回答)プレスリリースを掲載するには、電子メールで発表資料をお送りいただく必要があります。内容に関する画像や図表もありましたら同時に添付してお送りください。

また、各社のホームページの対外発表資料(プレスリリース、ニュースリリース、IRニュースなど)から採用させていただくこともあります。

 

日経プレスリリースの送り先はこちらです。

 

なお、ここに送ったからといって、必ずしも掲載されません。日経社員の担当者の判断次第です。

なお、日経に限りませんが、新聞社ウェブサイトの「プレスリリース一覧」に掲載されても、ほとんど宣伝効果はありません。

なぜなら、ここでのプレスリリース掲載は、記者が取材して書く記事とはまったくの別物だからです。

つまり、企業の発表を一字一句そのまま羅列しているだけ。

だから、真剣に読む読者はいません。

 

日経自身も、こう言っています。

日本経済新聞社は、このサイトで公開しているプレスリリースの発表者が製造・提供する製品、サービスなどの購入や利用を推奨したり、その品質・内容を保証するものではありません。

だから、日経プレスリリースに載せてもらうことは、優先的に取り組む事項ではなく、オマケと考えてください。

 

「日経電子版とリンクができれば、自社サイトの検索対策(SEO)効果があるのでは?」というのも、誤解です。

プレスリリースによるリンクについて、グーグルは「評価しない」と明確に言っています。この記事で説明しています。

ウェブ内でプレスリリースへのリンクをせっせと増やしても、それは成果につながらない徒労な行為です。

「取材を獲得する」という本当の意味での成果をつかみたいなら、「郵送」でしかるべき部署にピンポイントで届けていくのが正解です。

 

記者クラブを通じて日経新聞記者に情報提供する方法

全国の各地にある記者クラブにプレスリリースを届けることで、日経新聞の記者にも届けることができます。

記者クラブは無数にありますが、少なくとも都道府県庁にある記者クラブであれば、日経新聞も確実に加盟していますのでおすすめです。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

 

日本経済新聞とは 

日経新聞の特徴

日経新聞の販売部数は、朝刊約199万部。これに加え、スマホやタブレット等で読める電子版の有料会員が伸びており、2021年1月には76万人に達します。

紙と電子版を合わせて、購読数は275万に上ります。

日経新聞はその名の通り「経済」に特化した新聞です。全国で読むことはできますが、購読者は東京・大阪や、県庁所在地の都市に集中しています。

読者層は、30代〜50代の現役ビジネスパーソンが6割を占めます。

また、日経新聞のほかに、「日経産業新聞」「日経MJ(流通新聞)」「日経ヴェリタス」といった姉妹紙も発行しています。

日経産業新聞は、様々な企業の動きや、市場の最新トレンドを紹介する新聞です。

日経MJは、流通とマーケティングの専門紙です。衣食住など生活に身近な記事が目立ちます。

日経ヴェリタスは、金融情報の専門紙。投資に関わる方向けの専門紙です。

 

まとめ

日経新聞は、経済の新聞であるゆえに、朝日や読売などの一般紙があまり取り上げない企業の動きを手厚く報道します。

企業としての動きをストレートに伝えるには、日経新聞の方が向いている面があります。

ただ、日経の記者はやはり経営規模の大きい企業や上場企業を優先します。まだ大きくない企業であれば、日経記者に取材してもらうには、それなりの工夫と努力が必要です。

なお、他の主な新聞社への具体的な送り先は、以下の記事で説明しています。

 

他と差をつけるプレスリリースの送り方は、私の本をご参考いただければ幸いです。

手紙を書いてマスコミにPRする方法(自由国民社)

 

 

 

文章の書き方は、こちらの本をご参考ください。

ロジカルな文章、情緒的な文章(クロスメディア・パブリッシング)

 

 

 

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 media-list-imageこのリストでは

・全国のテレビ局(185)
・全国の新聞社(135)
・雑誌(209)
・ラジオ局、CATVなど(274)

これらの媒体名、所在地をエクセルで一覧にまとめています。

ぜひあなたの情報発信にお役立てください。 

 

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