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記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

福島県南相馬市役所で、“ニュース価値を生み出す”広報研修を行いました


福島県南相馬市役所様からお招きに預かり、2020年2月20日、職員様向けの広報セミナーを実施いたしました。

テーマは、「メディアに好かれる“ニュース価値”を生み出す発想法」です。約80人の職員様がご参加されました。

全国どの自治体も優れた素材がありながら、なかなか世の中に広まらない、という悩みがあります。

そこで、情報を広まりやすく加工する“アイデア発想法”について説明し、ワークに取り組んでいただきました。

 

南相馬市の実態

私は、南相馬市を訪問するのは初めてです。想像していた以上に素晴らしい土地でした。

自然豊かで、歴史文化・伝統が今も息づいています。そして人が親切で温かい。

初訪問なのに懐かしさを覚える、不思議な感覚でした。

市役所の方によると、このところ生産年齢人口の現象が続いており、これを食い止めることが大きな課題となっています。

首都圏や全国では、どうしても、原発事故の負のイメージが知られてしまっています。

このイメージを払拭するには、プラスの情報発信によって上書きしていくことが必要です。

お話をうかがうと、ここには優れた素材、つまりメディアのネタになりそうなものがゴロゴロしています。

甲冑を着た騎馬武者が集う、国の重要無形民俗文化財の夏祭り「相馬野馬追」、

ロボットの実証実験を行う「福島ロボットテストフィールド」、などなど。

記者だったら取材したい話が盛りだくさんです。

個人的にも、「夏には必ず再訪しよう!」と決意したほどです。

 

優れた素材が世の中に広まらない理由

優れた素材があるのに、世の中に広まらない。

このようなケースは、地方には非常に多いです。

というか、地方はほとんどこのような状況ではないでしょうか?

全国の地方を数多く見てきて、「本当にもったいない…」と感じることが多々あります。

広まらない原因はいくつかありますが、

①情報発信していない

②情報発信はしても、単なる「宣伝」になっている

大きく分けてこの2つではないか、と思います。

企業、公共機関を問わず、ほとんどの情報発信は単なる「宣伝」です。

相手に売り込もう、という発信者目線で行われているのです。

 

人々に喜んで情報を受け取ってもらうには?

こうした宣伝は嫌われます。特に昨今は、その傾向が強まっています。

だから、押し付けの宣伝では、絶対にうまくいきません。

世の人々が「喜んで受け取ってくれる情報」に加工しなければなりません!

それが、「ニュース価値を生み出す」ということです。

人々が、身を乗り出して「教えてください!」「もっと知りたい!」と迫ってくるような情報に変換するのです。

それにはコツがあります。

普段の日常では、あまり使わない頭の使い方をします。

 

ニュース価値を生み出す2つの発想法

この日の研修では、2つのワークを実施しました。

①メディアが欲しがる情報から逆算する

②世のトレンドに便乗して発想する

 

①では「10の観点」をお示しし、それらを参考にアイデアを出していただきました。

②では、「今ニュースで何が話題になっているか?」をベースに、自らの素材をニュースに乗せる具体的なやり方をお伝えしました。

グループでのワークも取り入れ、和やかな雰囲気となり、時に各所で笑い声も聞かれました。

笑い声が起きるのは、良いアイデアが生まれる前兆です。

しかめっ面をして、真面目に考えていては、決して良いアイデアは生まれないからです。

「研修でこのような笑いが起きるのは珍しいです」

と担当者の方がおっしゃっていました。

そして、「前例踏襲の情報発信が多かった中、職員たちは大いに刺激を受け、これからの発信が変わっていきそうです」とおっしゃっていただけました。

 

自治体は、地方において非常に大きな存在です。

職員さんお一人お一人に、その地域の未来がかかっていると言っても過言ではありません。

ぜひ、前例にとらわれない発想力と創造性を発揮していただき、豊かな地域の宝を後世につないでいっていただきたい、と願っています。

 

(参考記事)

 

・北海道・帯広市役所で管理職様向けに広報研修の講演を行いました

 

・広報研修の講師、講演ご依頼(企業、自治体、大学等)

 

 

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