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記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

プレスリリースはここに出す!取材される送り先一覧と、新聞テレビの反応率がアップするリサーチ方法を元記者が解説


「プレスリリースは配信サービスで送るもの」と思っている人が多いです。しかし実は、このやり方では大半が取材されていません。

プレスリリースは簡単に自分で出せます。そして自ら直接メディアに送った方が、取材に来てもらえる可能性は高いです。

読売新聞記者だった私は、「情報が欲しい!」思いでいつも頭がいっぱいでした。

だからプレスリリースを正しく届けていただければ、喜んで取材して記事にしました。

あなたには正しいプレスリリースの出し方・届け方を知っていただき、成功させてほしいと願っています。

この記事でプレスリリースの送り先について詳しく説明するので、ぜひ最後までじっくりお読みください。

 

※この記事は2016年7月20日に公開し、2024年10月2日にリライトして再度公開しました

こちらの動画もご参考ください。

プレスリリース・ニュースリリースの送り先一覧

「プレスリリースの送り先はどう調べたらいいの?」というあなたの疑問にお答えします。

答えは簡単です。マスコミの連絡先一覧は、書店やAmazonで簡単に入手できます。

広報・マスコミハンドブックPR手帳(2024年版)

これには、テレビ局、新聞社、雑誌、その他諸々のメディアの所在地、電話番号、メールアドレスといった連絡先が一覧で載っています。

 

あるいは、「まずは無料で一覧を手に入れたい」という方は、

私が保有するメディアリストを無料で限定公開しています。ご活用ください。

国内メディアリスト803件(新聞社・テレビ局・雑誌等)一覧ご提供

全国のテレビ局、新聞社、雑誌、ラジオ局などのメディア名と所在地をエクセルで一覧にまとめています。お役立てください。無料です。

これらを見ながら、送り先の候補をピックアップしていきましょう。

 

プレスリリース送付はメールより郵送がおすすめ!

プレスリリースは、あなたもすぐできます。情報を書いてテレビ局や新聞社に送るだけです。

プレスリリースとは、大手メディアにとっては情報を提供していただく手段。彼らにとっては、情報を送ってもらうことはいつでもウェルカムなのです。

だから、中小企業、スタートアップのベンチャー、個人事業主…法人でも個人でも、みんな自分で送って大丈夫です。

“郵送”すればいいのです。

「えっ、プレスリリースはメールじゃないの?」と思われたかもしれませんね。

メールは確かに便利です。しかし手軽なだけに、メールのプレスリリースがメディア各社に大量に届き、記者たちは困惑しています。

とはいえ、メディア各社にとって、メールのプレスリリースは都合の良い面もあります。

それは「すぐ捨てられる」点です。

処分が簡単だし、紙のように資源がムダになりません。だから、メディア各社は「メールでプレスリリースを送ってください」と表向きには推奨しているのです。

 

ですが、あなたは本当はメディアに取材に来てもらいたいはずですよね。

それなら、メールではなく郵送で送ることを真剣に検討してください。

なぜなら、手書きの郵送で届くプレスリリースは、感覚的には少なくとも3倍以上、場合によっては10倍、取材・掲載に至る確率が高いからです(新聞社の場合)。

これは、私自身の記者経験から言っています。

今、私は極めて重要なことをここに書いています。

世間一般の人は、「プレスリリースはメールで送るもの」と思い込んでいます。ここに大きな落とし穴があります。

しかし、「メールで送っても取材されない」真実を知ったあなたは今、大きなアドバンテージを得ました。

信じて郵送を実行するかしないかは、あなた次第です。

 

プレスリリースを送る際の注意点

大事なのは、「数打ちゃ当たる」という安易な考えを捨て去ることです。

メールでのプレスリリース配信は、送りやすいが故に、200も300ものメディアに送りまくる企業がとても多いです。

本人はそれが失敗の元だと気づいてすらいません。これは悲劇です。

送り先のメディアをリサーチしなければプレスリリースは成功しません。

実際にメディアの記事を読むなり、番組を観るなりして、「相手が求める情報は何か?」を見極める必要があります。

その上で、「このメディアには、こうした情報が喜ばれるのでは?」と仮説を立て、プレスリリースの内容を整えていきます。

だから、全くの広報初心者であれば、最初は無理せずに1社〜5社くらいから始めれば良いのです。

メディア1社1社、記者一人ひとりと向き合う姿勢で取り組めば、その態度は、確実に相手の記者に伝わります。

なぜならメディア側は、ほとんどの企業が「数打ちゃ当たる」方式で、多数のメディアにばらまいている現状をよく知っているからです。

バラマキをする企業の節操のなさ・スケベ心を、記者たちは完璧に見抜いています。

そんな中、「ウチのメディアを読んでくれている!」と記者に感じさせるプレスリリースを送り届ければ、そんなケースはごく稀なので、記者らに強いインパクトを与えられます。

たとえすぐ記事には至らならなかったとしても、いずれ必ずチャンスがやってくるでしょう。

メディアといっても、その向こうにいるのは生身の人間です。そこを忘れないでください。

プレスリリースをメールで送るのはおすすめしません(特に新聞やテレビ宛て)。ほとんどが読まれず、捨てられています。

 

地方メディアのプレスリリース送り先

さて、広報マスコミハンドブックには、新聞社やテレビ局の本社は載っています。

しかし、ここには全国紙などの「地方の取材拠点」は載っていません。

東京や大阪にある本社はセキュリティが厳しく、記者と接触するのはハードルが高いです。

しかし、全国各地の地方都市にある取材拠点(支局など)は、はるかに記者と接触しやすいです。このメリットを生かさない手はありません。

では、どうしたら地方のテレビや新聞の連絡先がわかるのか?説明します。

 

(1)各社ウェブサイトで調べる方法

それら地方の取材拠点は、各社のウェブサイトで見つけることができます。

下記の全国紙とNHKは、全国47都道府県に取材拠点を置いています。

かつては各社それぞれ1県5〜10人前後の記者がいました。しかし読売新聞とNHK以外はこの数年で、地方の記者の数を大きく減らしています。

・読売新聞

・朝日新聞

・毎日新聞

・産経新聞

・日本経済新聞

・NHK

 

(2)iタウンページで調べる方法

あるいは下記「iタウンページ」は、とても便利です。

・新聞社の場合

「あなたの地域名」と「新聞社」で検索してみましょう。

すると、あなたの地元の新聞社の所在地・電話番号を一挙に見つけることができます。

iタウンページ

 

実際の画像をお見せします。画面上部の検索窓に、例えば、「山形市」「新聞社」と入力します。

 

すると、次のような検索結果が表示されます。

スクリーンショット 2017-05-13 10.08.51

 

このうち、「○○新聞 山形支局」と書いてあるのが、記者たちがいる取材拠点です。

ここに電話をかけるなり、リリースを郵送するなりしてみよう。

(その他の「ご購読お申し込み専用」などは、取材記者とは関係ないのでスルーします)

 

・テレビ局の場合

「あなたの地域名」と「放送局」で検索してみましょう。

すると、テレビ局、それからラジオ局の検索結果が表示されます。

 

 

(3)公共図書館で調べる方法

また、手っ取り早いのは、あなたの地元にある公共の図書館に足を運ぶ方法です。

公共図書館はほぼ必ず、その地域で発行されている新聞をとっています。

それぞれの新聞の「地域面」をチェックしてみましょう。あなたが大阪にお住まいなら、「大阪版」の紙面です。

題字の下に「所在地」「電話番号」などが記されています。

例えば、次のような部分です。

大阪 題字

これは朝日新聞の大阪市内版です。この題字【大阪 市内】の下に、所在地や電話番号、メールアドレスが載っています。

 

テレビ・新聞の送り先

さて、ここまででメディア各社の送り先、連絡先は分かりました。

しかし、これでもまだ不十分です。さらにもう一歩、深めていきます。

といのも、封筒の宛名に、

「・・新聞社 御中」

「・・テレビ放送 御中」

とだけ買いて送っても、記者にはなかなか読んでもらえないからです。

新聞社もテレビ局も、数百人〜数千人のスタッフが勤務しています。

そして、テレビや新聞が扱うジャンルはかなり幅広いです。朝刊1紙だけでも30ページほどあります。

だから、「新聞社御中」「テレビ局御中」と書いた宛名では、あなたのプレスリリースは、マスコミ社内で迷子になるか、誰からも見向きもされず放置されます。

そうならないために、あなたの情報に興味を持ってもらえそうな記者にきちんと届けるやり方があります。

それは、送り先の「部署」まで指定する、ということです。

 

・新聞社の送り先

新聞なら、封筒の表に

社会面なのか?

経済面なのか?

生活面なのか?

教育面なのか?

東京(地域)面なのか?

などなど、きちんと書いておきましょう。

以下の記事を参考にしてください。

 

主な新聞社への具体的な送り先は、以下の記事で説明しています。ぜひ参考にしてください。

 

・テレビの送り先

テレビの場合は基本、番組ごとに送ります。

例えばフジテレビなら

めざましテレビなのか?

とくダネ!なのか?

ノンストップ!なのか?

みんなのニュースなのか?・・・などなどの中から選びます。

決して、「フジテレビ御中」だけで送ってはいけません!

各局のホームページをみてみてください。番組の一覧と番組内容が説明されています。

スクリーンショット 2017-05-13 10.30.39

 

NHKへの送り方については、この記事で説明しています。

 

 

・記者やディレクターの名前を特定する

ここまで、新聞社の部署や、テレビ局の番組を特定する手順をお伝えしてきました。

ですが、それだけでもまだ十分とは言えません。

もっと確実にプレスリリースを届けたいのなら、その中の人の「氏名」を突き止めてください。

あなたは、その中の人とこれから出会い、関係を築いていけばいいのです。

これが、あなたの会社に最適化された「メディアリスト」になっていきます。

テレビなら、その番組の中の「コーナー」まで指定したいです。大きな番組であれば、スタッフは100人以上いるからです。

こうして、記者やディレククターらと接触し、個人的な関係を築いていってください。

 

もちろん、一番最初にプレスリリースを送るときは、部署名、番組名までで精いっぱいかもしれません。でも最初はそれでいいのです。

ですが、メディアとの接触、コンタクトを重ね、電話で話したり、会って名刺交換したりしていくことで、少しずつ名前が分かる人の数が増えていきます。

やがて電話一本、メール一本で記者らとやり取りできる関係になり、取材・掲載を立て続けに獲得している広報マン・広報ウーマンは何人もいます。

ただ、言うまでもないことですが、最も大事なのはプレスリリースの内容です。

つまり「プレスリリースにニュース価値があるかどうか?」です。

マスコミ取材お願いするプレスリリースの書き方と例文は、こちらの記事で説明しています。 

 

また、プレスリリースはどういう時に出せるのか?その種類は、以下の記事でパターン別に紹介しているので参考にしてください。

(参考)・プレスリリースの種類・内容21パターンごとのおすすめ5段階評価

 

  

「記者クラブ」というプレスリリースの送り先

プレスリリースの送付先として、マスコミ各社が集っている「記者クラブ」もあります。

記者クラブへのプレスリリース提供は、地方にお住いの方ほど効果的です(県庁や市役所にあります)。

逆にいうと、東京23区内の省庁などにある記者クラブでは民間事業者は取材されにくいためお勧めしません。

次の記事で詳しく説明しています。一度チャレンジしてみてください。

 

 

プレスリリース配信サービスはどうなのか?

「プレスリリース配信サービス」を提供する業者がいくつもあります。代表的なのは以下のようなところです。

・PR TIMES(ピーアールタイムズ)

・valuepress(バリュープレス)

・@Press(アットプレス)

 

もしかしたら、あなたは「プレスリリースは郵送より、配信サービスを使った方が楽じゃないの?」と思われたかもしれません。

しかし、このプレスリリース送付作業を外部業者に丸投げするのは、あまりおすすめしません。

なぜか?その理由を説明します。

まず第一に、宣伝色の強いプレスリリースが大量に記者たちに届いている現状があります。これを記者たちは快く思っていません。

私が新聞社の社会部にいた頃、手に取った瞬間に「絶対うちの新聞を読んでいないな…」と一瞬で分かるプレスリリースが多数、届いていました。

「数打てば当たる」と、送る当事者は思っているのでしょう。

でも、宣伝ばかりのメールやファクスを毎日受ける身にもなってみてください。

毎日、ゴミ箱はあふれかえっています。

取材したくなるどころか、むしろ逆にその会社に悪い印象すら抱きかねません!

この時に記者が感じる正直な気持ちは、次のようなものです。

「公共財であるマスメディアを、自社の宣伝・利益のために利用しようとしている悪質な業者だな」

 

・記者は、自社配信のプレスリリースを好む

しかし、きちんと自ら送り先を選び、そのメディア・部署にふさわしい情報を適切に提供できれば、それは「宣伝」「売り込み」になりません。

記者たちから「良い情報をありがとう!」と、感謝される行為になります。

その差は、まさに天と地ほどの違いです。

記者たちは日々、ネタに飢えています。狂おしいほど「良い記事を書きたい!」と日々考えています。

そうした人たちに適切なニュース素材を提供すれば、あなたは記者たちから天使のように崇められるでしょう。

あなたは、害虫のような迷惑業者か?崇め感謝される天使か?どちらになりたいでしょうか? 

 

自社でプレスリリースを送るメリット

「自社で送れと言われても、ウチにはマスコミのリストがない。配信代行を使えば分かるじゃないか?」

と言われるかもしれません。

だが、そのリストの送り先は、あなたの会社・事業に最適化されたリストではありません。

つまり、その他大勢の会社のプレスリリースが日々、大量に送られている送り先なのです。

もしその配信サービスを使い続けるなら、あなたの会社はいつまでも、「その他大勢の一つ」にとどまり続ける可能性が極めて高いです。

しかも、利用し続ける限り、その配信サービス業者にお金を払い続ける必要があります。

 

だが、自社で送るのであれば、全く状況は異なってきます。

まず、自社で開拓していったメディアの送り先(メディアリスト)は、自社の財産になります。

コツコツ送る。そしてコンタクトを取る。それを積み重ねるたびに、あなたは部署名、担当者名、メールアドレス、ファクス番号、などを知ることができます。

財産は着実に増えていきます。しかも自社で送れば、送るコストもはるかに抑えられます。良いことづくめです。

 

・「メディアリスト」の自社保有は、広報の生命線 

ビジネスにおいて、「顧客リスト」が極めて重要な意味を持つことは、常識です。

江戸時代の呉服店は、火事になったら何よりも真っ先に大福帳(顧客リスト)を持って逃げたといわれています。

たとえ建物や商品がなくなっても、顧客リストさえあれば商売はいくらでもやり直しがきく、と彼らは知っていたからです。

それは、メディア人脈でもまったく同じことが言えます。

それほど大事な「リスト」を外部に握らせ続けるのは、自らの生殺与奪を外部に預けるのと同じことです。

もしあなたがプレスリリースにこれから取り組むなら、いきなり大きくやる必要はありません。新聞社やテレビ局、1社に1通送るなど、小さく始めていいのです。

大量生産・大量消費の時代は終わりました。それはプレスリリースでも同じことです。

無差別に送りまくれば、効果がないどころか、「迷惑業者」のらく印を押されることでしょう。

 

プレスリリースのメールをおすすめしない理由

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プレスリリースを「メール」で送るのはおすすめしません。取材を獲得する効果は薄いからです。
 
PDFの添付で送るのも論外。メールの開封とPDFの開封、二度も手間をかけてのんびり開いて眺めるほど、記者はヒマではありません。
 
少なくとも、新聞社・テレビ局では大半のメールは読まれていません。「迷惑メール」と大差ないと思われているのが現状です。
 
新聞社やテレビ局が外部に公開しているメールアドレスは、言葉は悪いですが、ほぼ「捨てアドレス」の位置づけです。
 
私も新聞記者時代、会社あてに届く膨大な売り込みプレスリリース≒迷惑メールを目の当たりにしました。社のPCから30分ほど目を離したすきに、何十通ものメールがたまっていくのです。

プレスリリース配信業者からのプレスリリースは、件名を見れば一発でわかります。これらは売り込み宣伝だと判断し、開封せずにまとめて削除されます。

開封するのは、有名企業のみ。それ以外を開封することはまずありませんでした。

ただ、新聞社に届くメールの中には、本当に重要なニュースの情報提供がごくまれにあります。

だから「件名」を注意深く見て、それをピックアップするだけです。

(※ただ、新興のウェブメディアなどでは、メールによる情報提供を積極的に受けているところもあります。メディアによって程度の差はあります)

そして、新聞記者やテレビ記者も、個々人は日常的にメールを使用しています。

だから、その記者個人と知り合えば、個人アドレスでやりとりすることが可能になるわけです。

新聞社・テレビ局のメールアドレスは、あなたと面識のある記者の「個人アドレス」でなければ、ほとんど意味がありません!

どうしてもメールでプレスリリースを送りたい方は、この記事に書いてある10のポイントをしっかり確認して行ってください。

 

 

プレスリリースのタイミングは?

プレスリリースを送るタイミングについて、頭を悩ます人は少なくありません。

この記事で、プレスリリース送付の効果的なタイミングについて説明しています。

おすすめの曜日や時間帯など説明しているので、ぜひ読んでおいてください。

 

プレスリリースをしても反応がない4つの原因

プレスリリースを送っても取材が来ないのは、ケースごとに様々な要因が考えられ、一概に原因を断定できません。

その要因を、大きく4つに分けてみました。

あなたのプレスリリースが失敗に終わった原因は、以下のどれかである可能性が高いです。

 

その1 プレスリリースタイトルの失敗

せっかくニュース価値があるのに、タイトル付けを失敗している。その結果、ゴミ箱行きになっているケースが非常に多いです。

すぐさまタイトルを見直してみましょう。ニュース価値がストレートに伝わる表現になっているでしょうか?

ちなみに、消費者向けのコピーライティングのテクニックを用いた、消費者をあおるような書き方はご法度です。

記者に向けて、あおり文句をぶつけるプレスリリースがかなり多いです。

これを見た瞬間、記者は漏れなくゴミ箱に捨てます。

プレスリリースが成功するかどうか?はタイトルで決まります。

この記事でプレスリリースのタイトルの効果的なつけ方について、11の実例と7つのコツを紹介しています

 

その2 ニュース価値がない

そもそもプレスリリースとは、宣伝ツールではありません。社会的な価値のあるニュースを知らせるツールです。

だから、社会的なニュース価値がなければ、全く意味がありません。

上場企業なら、それだけでニュース価値は多少あります。

だから、そうした企業がリリース配信サービスを使えば、「数打てば当たる」効果を多少は期待できます。

ですが、知名度が低い中小企業は大手とは事情が全く異なるので、大手企業のマネをしてはいけません。

会社としてのニュース価値で劣っているなら、正面から戦いを挑むのではなく、ゲリラ戦に持ち込んだ方が効果を得やすいです。

つまり、ニュース価値のあるネタを意図的につくり、メディアに個別に売り込んでいく方法です。

ニュース価値は、意図すれば生み出すことができます。

むしろ小回りが利く企業の方が、意思決定が遅い大企業に比べ、はるかにニュース価値の創造に向いています。

中小企業が大手に負けないブランドを築くため、今すぐ実践すべきメディア戦略について、この記事で紹介しています。

  

その3 記者に読まれてすらいない

上記の2-1、2-2は、「記者に読まれている」ことが前提の話です。

あなたは、自分のプレスリリースが、「記者にきちんと読まれている」と(希望的観測も含めて)思い込んでいないでしょうか?

だが、実はプレスリリース配信サービスから送られるプレスリリースは、その多くが記者にきちんと読まれていません。

それはなぜか?配信サービスからは、同じテンプレート・フォーマットで、かなりの量のプレスリリースが日々マスコミに届いているからです。

記者の置かれた場面を想像してみてください。同じようなテンプレート・フォーマットで届くプレスリリース群は、見た瞬間に記者は見抜きます。

つまり、「わが社だけでなく、その他大勢のメディアにも届いている宣伝だ」と判断します。

だから、「緊急性、ニュース性は低い」と考えます。すると当然、中身を積極的に読もうとしません。

私が現役の全国紙記者だった時、メールでも郵送でも、DM(ダイレクトメール)のような体裁のリリースは、中身すら開封せずに捨てていました。

あなたのプレスリリースも、開封すらされずに「記者に読まれなかった」可能性があります。

 

その4 記者がとても忙しい(別のニュースに忙殺されている)

これも実はかなりよくあります。

プレスリリースを見て、「これは面白そうだ、取材してみようか」と考えたものの、優先的に取材・出稿しなければならない別の案件に追われていて、取材できなかったケースです。

この場合、取材が来なかったことについて、あなたには何の落ち度も責任もありません。

記者は日々、時間に追われて忙しいです。特に、選挙あるいは大事件が起きている時は、朝から晩を通り越して朝まで、それらの取材にかかり切りになります。

もしかしたら、あなたのプレスリリースには、実はかなりのニュース価値があったかもしれません。

何もない平穏な日々であれば、記者はあなたのリリースを見て「おぉすごい」と感じ、すぐ電話をかけていたかもしれません。

しかし、たまたまその時はもっとニュース価値のある事件が起きていた、とか、あるいは重要な選挙が行われていたのかもしれません。

そういう背景があり、記者は取材することができず、記事にならなかった。こんなことは、本当によくあります。

こうした外部要因は、あなたにはコントロールできません。あなたの責任ではないのです。

 

ポイント
そもそもニュース価値はあるか?そして、読まれる届け方をしているでしょうか?見直してみましょう。

 

 

プレスリリースで取材が来ない時、改善する5つのポイント

これまで説明してきた「取材が来ない原因」を踏まえ、どう改善したら良いか?以下に示します。

 

⑴プレスリリース配信サービスを変える

配信サービスはいくつもあります。中には、メールによる配信だけというものもあります。

ファクスや郵送もしてくれる配信サービスに変えてみるというのは、一つの方法でしょう。

ただ、配信サービスを変えても、根本的な解決につながる可能性は低いです。どのサービスもそこまで大きな差はないからです。

取材を呼ぶにはプレスリリースを送るだけでは不十分です。プレスリリースの送付は、広報活動のほんの始まりに過ぎません。

もっと記者たちに会いにいくなど、直接的なコンタクトを取りに行きましょう。

 

⑵プレスリリースの書き方を変える

大半のプレスリリースは、書き方を間違えています。特にタイトル。

なので、正しく伝わる書き方に変換していければ、効果が現れることはよくあります。

タイトルの書き方一つで、反応率が2倍も3倍にもなることは十分あります。

タイトルについては、以下のポイントを盛り込むようにしましょう。

チェック シンプル、かつプレーンな表現
チェック 社会性がある
チェック 特異性がある
チェック 具体的である

 

 

⑶企画の立て方を変える

社内から降りてきたお題をそのまま、右から左にプレスリリースにしていないでしょうか?

実際、そういう広報担当者の方は多いです。それではなかなか取材にはつながりません。

商品でも、サービスでも、イベントでも、企画段階から「ニュースになる」切り口を盛り込むようにするのが理想です。

そのためには、広報企画の重要性を社内に理解してもらうことが不可欠になります。

自社目線で売りたいものをそのまま世の中に出す、これではもう広報PRで勝てません。

メディアに歓迎される情報とはどんなものか?から逆算して、プレスリリースできるネタを構築する仕組みを社内につくりましょう。

全国ニュースになるような広報PRアイデアを生み出す方法について、この記事で説明しています。

 

 

⑷プレスリリース送り方を根本的に変える・・・手書き

上記2-3で、「多くのプレスリリースが記者にきちんと読まれていない」という話をしました。

というのも、最近のプレスリリースの多くが、単なる売り込みチラシやDMになっているからです。

そこで、その他大勢がやっているような送り方はスパッとやめてみてはいかがでしょうか。 

つまり、手書きで宛名を書いて郵送する。

記者や、ディレクター、編集者の「名前」を特定して、その人に個別で手紙を書いてみるのです。

デジタル時代の今だからこそ、この方法で大きな成果を出している人が密かにいます。

下記の本で、手紙を書いてプレスリリースを届ける方法を具体的に説明しています。

手紙を書いてマスコミにPRする方法(自由国民社)

 

 

⑸記者フォローのやり方を変える

送った後のフォローは極めて重要です。プレスリリースは送りっぱなしでは効果がありません。

送った後に、電話をかけて説明する、面会のアポを取る、といったコミュニケーションをやるのとやらないのとでは、3倍4倍は変わってきます。

メディア側の人との、間合いを詰めていくことがとても大事です。

接触する「回数」を増やす、あるいはコミュニケーションの密度を高める。

つまり、

メール < 手紙 < 電話 < 会って話す ・・・

 

のように、できるだけ濃いコミュニケーションに持ち込みましょう。

実は、各メディアに届くネタのうち、抜きん出たバリューのあるものは稀です。

多くが「取り上げても取り上げなくてもいい」レベルのネタであり、それらが争っています。

その中で、しっかりこちらに目を向けてもらうには、腹をくくって本気度を伝えにいくことです。

記者と質の高いコミュニケーションを重ね、良い関係を築くことができれば取材はもっと増えます。

 

 

ポイント
ネタそのものの質を上げよう。そして記者との間合いをもっと詰めよう!

 

 

まとめ

プレスリリースは、まったく難しくありません。初心者でもできます。

一言で言えば「情報を書いた紙を送るだけ」。決まった形式などもなく、自由です。

送り先は数社からでいいので、小さく始めることをおすすめします。

宣伝チラシと同じように、大量に数打ちゃ当たる方式でばら撒くのはやめましょう。マスメディアの記者たちから嫌われます。

また、あなたの代わりに、プレスリリースをたくさんのメディア各社に送ってくれる「プレスリリース配信サービス」があります。

ここから送ってもいいが、たった一回で数万円の費用がかかる上、有名企業でない限り、効果はあまり期待できません。

だから自前の「郵送」から始めればいいのです。

プレスリリース配信サービスの大半はメールでプレスリリースを送ります。

しかし、メールのプレスリリースは、テレビ局や新聞社にはほとんど読まれていないのが実態です。

郵送の送り先は、書店やアマゾンで売っている「広報マスコミハンドブック」などで調べて特定できます。

そこから始めて、あなただけのメディア人脈リストを少しずつ充実させていけばいいのです。

ブログやSNSの場合、普通なら仮に1日に5000~1万人にでも見てもらえたら万々歳ですよね。

しかし新聞なら5000部程度は、ミニコミ紙レベルに過ぎません。全国に20万部、30万部の新聞社はゴロゴロあります。

全国紙なら、500〜600万部に上ります。テレビでも、番組によっては1000万人超が目にします。

これらマスメディアを活用していけば、あなたの事業は一気に加速していくでしょう。

あなたの活動を必要としている多くの方に知らせていってください。

 

・新聞テレビから取材されるメディア戦略を学べる無料のメール講座はこちらです。

 

 

※この記事は、元読売新聞記者で、元電通PRシニアコンサルタント、株式会社メディア戦略の代表取締役、坂本宗之祐(そうのすけ)が執筆しました。

文章の書き方は、こちらの本をご参考ください。

ロジカルな文章、情緒的な文章(クロスメディア・パブリッシング)

 

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「国内メディアリスト(新聞社・テレビ局・雑誌)
(計803)

 media-list-imageこのリストでは

・全国のテレビ局(185)
・全国の新聞社(135)
・雑誌(209)
・ラジオ局、CATVなど(274)

これらの媒体名、所在地をエクセルで一覧にまとめています。

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