プレスリリースの効果・効能8つ。ビジネスステージを上げる最強ツールの潜在力
プレスリリースには、素晴らしい効果があります。ビジネスを飛躍させる威力があります。
しかし、恐らく日本人の9割がプレスリリースをよく知りません。多少は知っていても、正しくできていない方が大半です。
だから、プレスリリースの効果を実感できていない方が多いのではないでしょうか?
私は1999年〜新聞記者・ウェブ記者として約13年、その後メディアコンサルタントとして約7年、この間に少なくとも累計5万通のプレスリリースを見てきました。
プレスリリースが世の中に大きなインパクトを与え、社会を動かすケースを何度も目の当たりにしてきました。
そこで、この記事では、プレスリリースの効果について、私の体験を交えながらご紹介したいと思います。
目次
プレスリリース8つの効果効能。高い費用対効果
プレスリリースは、抜群にコストパフォーマンスが高いです。
広告は、高額費用がかかるわりに、お客様にあまり信じてもらえません。
それに対し、プレスリリースは低コストながら、お客様に高い信頼性を与えられます。
プレスリリースは、配信サービスを使う必要はなく、自社での送付が可能です。
その場合、かかる費用は、郵送なら切手代のみ。ファクスなら通信費のみ。
これだけ低コストなのに、新聞やテレビ・雑誌等で取り上げられれば、とてつもない効果を生み出します。
まさに、「ローリスク・ハイリターン」。それがプレスリリースです。
私がじかに見聞きしてきたプレスリリース効果の実例を紹介します。
1 お客様が増える。売れる
プレスリリースをきっかけにメディアが取材し、記事や番組で紹介されます。
その効果として、まず挙げられるのが「お客様の増加」です。
新聞記者時代、ある地方の寂れた観光地の記事を書いたことがあります。
記事が新聞に載った日、現地の方から、
「坂本さん!県外ナンバーの車がたくさん来て、大変なことになってるよ!」
と興奮した声で電話が入り、書いた僕自身が驚いた、ということがありました。
また、別のケース。
プレスリリース作成をお手伝いした、ある食品事業の経営者の方です。
この方が手がけるポン酢が、テレビ朝日の全国放送で紹介されたところ、
「たった3週間で1200本超の注文が殺到しています!」
と悲鳴にも似た、喜びの声をいただきました。
テレビで紹介された場合、それが商品なら、爆発的に売れることがあります。
ただ、テレビの効果は長続きしません。なぜなら、テレビの放送は流れてしまったら、あとは形に残らないからです。
その一方で、新聞や雑誌で取り上げられた場合
テレビほどの爆発力はありませんが、記事(紙)という形に残るため、じわじわ効果が長続きするケースが多いようです。
2 取引の依頼、引き合いが増える
2016年、奈良のある社長さんから相談を受けました。
画期的なサービス事業を開発し、役所や企業に導入してもらいたいのだけれど、
「営業に行っても、門前払いで相手にしてもらえません」
と、深刻な悩みを抱えていました。
しかし、効果的なプレスリリースを作り、記者たちにアプローチしたおかげで、
地元新聞や全国紙、NHKで次々と取り上げられました。
その結果、全国の約30自治体からの問い合わせが殺到。
企業10社からも取引を希望する連絡が次々と入り、事業は一気に軌道に乗りました。
この方のように、ビジネス拡大につながる引き合いが増えるという効果があります。
3 社会的地位が高まる
上記の奈良の社長さんの続きを紹介しますと、
はじめ門前払いで相手にしてくれなかった企業や役所は、新聞やテレビでこの社長の事業が紹介され出したとたん、
見事に手のひらを返し、この社長を大歓迎して迎えるようになったそうです。
このほか、通常なら商談すらさせてもらえない大手保険会社や旅行会社から、契約のオファーが届きました。
日本では、個人事業主や中小企業の社会的地位は、低く見られています。
「大企業や役所の方が社会的地位が高い」という考え方の人が、いまだに多数を占めます。
しかし、たとえ小さな会社や個人事業主であっても「テレビや新聞で取り上げられた」という事実は、一気にその社会的地位を高める効果をもたらします。
4 メディア連鎖が起きる
プレスリリースをきっかけに、一つのメディアに取り上げられると、その記事を見た別のメディアから取材のオファーが来る。
こういうケースは枚挙にいとまがありません。
例えば、埼玉のある建築会社さんは、初めて出したプレスリリースから朝日新聞や産経新聞が取材に来てくださり、記事になりました。
すると、雑誌やウェブメディア、テレビ、専門誌からの取材が相次いでやってきました。
ついには、海外メディアまで波及。中国のNHK的な存在である中国中央電視台(CCTV)がやってきて、中国全土に紹介されたのです。
海外メディアはともかく、国内メディア関係者は間違いなく、他のメディアを見て「ネタ探し」をしています。
多いのが、テレビ関係者が新聞からネタを探す、というケースです。
あるいは、新聞記者が他の新聞や雑誌を参考に、取材対象を探すこともよくあります。
私も新聞記者時代、業界新聞や地元新聞で、面白そうな人をよく探していました。
紙媒体(新聞、雑誌)からテレビに連鎖するケースは多いです。
だから、テレビを狙いたいなら、新聞や雑誌をまず狙う、というのは一つのセオリーです。
5 既存お客様のロイヤリティが高まる
プレスリリースからメディアに取り上げられても、新規のお客様が殺到するばかりではありません。
すでにお客様になっていただいている方々が、メディア掲載をまるで自分のことのように「良かったね!」と喜んでくださります。
これは、私の周りでとてもよく耳にする効果です。
お客様の身になって考えてみると、自分のひいきにしていたビジネスが、著名なメディアで取り上げられたことで、
「やはり自分の目に狂いはなかった!」
と再確認して安心・納得できるとともに、
「自分はずっと前から、あそこが良いのは知っていたよ!」
という優越感を、世間に対して持つことができる面も大きいでしょう。
6 人材採用がしやすくなる
最近はどの業種でも、人手不足に苦しんでいます。「なかなか良い人材を確保できない」というお悩みを、経営者の方から聞きます。
しかし、プレスリリースで積極的に情報発信をしている企業は、メディアで求職者の目にも触れやすくなり、採用活動も進めやすくなります。
企業は当然、自社の良いことしか言いません。それは求職者もよく分かっています。
だから、採用活動でいくら耳障りの良いことを言っても、そのまま信じて受け止めません。基本、疑ってかかります。
しかし、メディアで取り上げられている記事は、「客観的な第三者」の評価です。
だから、メディアの記事は、企業のありのままの姿を見てもらえる貴重な機会となります。
さらには、多くの人が
「メディアで注目されているような企業で働きたい」
「社会的に認められる仕事をしたい」
と考えています。
その意味でも、プレスリリースからのメディア露出は、求職者の「ここで働きたい!」という意欲をかきたてる大きな効果があります。
7 社員・スタッフの誇り、やる気が高まる
これはきっと、あなたも想像がつくのではないでしょうか?
あなたの職場、あるいは商品サービスが、新聞やテレビで大きく紹介されたら、職場の仲間が「わっ」と活気付きます。
オフィスで新聞を開くと、自社が載った記事のまわりに、人だかりができる。
テレビの放送時には、みんながテレビの前に集まって、「私が映ってる!」と歓声を上げる。
単純にうれしいものです。
それに加え、メディアに取り上げられた記事や番組を見ることで、
「私たちは、こんなに社会的意義のある仕事をしていたのですね!」
と再確認できる効果があります。これは大きいです。
私が新聞記者時代、取材相手から上記のように言われたことが何度もあります。
ほとんどの人にとって、自分の仕事は「当たり前」になっています。だから、なかなか客観的に見られません。
ですが、メディアの人は外部の人間です。どんな仕事も「新鮮」に感じます。だから、客観的な評価ができます。
その上、それを何も知らない人に分かりやすく伝えられる“編集能力”を持っています。
あなたの仕事の専門的な話も、一般の人たちにすんなり理解してもらえます。
これによって、社員・スタッフたちは仕事に誇りを持ち、やる気が一気に高まる、というわけです。
8 銀行や投資家から投融資の話が来る
サイバーエージェントの藤田晋社長は、会社を立ち上げてまだ間もない頃、次のように嘆いていたそうです。
「銀行もベンチャーキャピタルも、事業が種の時は全く相手にせず、マスコミに取り上げられるとコロッと態度を変える」
自分たちで本物を目利きできる銀行や投資家は、あまり多くないのかもしれません。
その代わり、マスメディアで取り上げられた会社や事業には、お金を出したがります。
自分たちの目利きの力というより、
「たくさんの人に目に触れているので、これから伸びるかもしれない」
という判断が働くのかもしれませんね。
私の昔のクライアントだったベンチャー企業の方も、
「日経新聞に乗った途端、メガバンクから融資のオファーがありました」
と驚いていました。
プレスリリースをより効果的にするには?
プレスリリースはもちろん「出せば、必ず記事になる」わけではありません。
むしろ、取材されないケースの方が多いです。
なぜなら、メディアには大量のプレスリリースが届いており、競争率が高いからです。
「メディアに取材されなくても、プレスリリースを出す意味はある!」という方もいます。
ただ、僕は「プレスリリースは取材されなければ、ほぼ意味がない」と考えます。
プレスリリースの効果が最大化するのは、やはりメディアに取り上げられた時です。
ですので、一番に考えるべきことは、
「メディアが喜んで受け取ってくれる内容にすること」
つまり、プレスリリースの「質」が重要だということです。
質の高いプレスリリースとは何か?
それは、単なる会社の宣伝チラシではなく、世の中の人にとって役立つ情報になっているかどうか?です。
プレスリリースの書き方の基本は、こちらの記事で詳しく説明しています。
プレスリリースの効果測定
「プレスリリースごとにどうしたら効果測定できるか?」と考えるお気持ちはとてもよく分かります。
広告なら、個別の広告がどれだけの反応を呼んだか?すぐさま数値化できます。
特にネット広告は、閲覧数やクリック率、コンバージョン率などが詳らかにわかりますよね。
しかし、プレスリリースは、広告のような効果測定はできないのが現実です。
もちろん
・ウェブのプレスリリース配信サービス
・自社サイトに掲載したプレスリリース
これらであれば、PV数やシェアされた数などを確認することができます。
ただ、プレスリリースとは基本メディア向けの文書で、「取材していただくこと」が主たる目的です。
そして、ウェブユーザーに見られる数字は、メディア掲載時に広がる数字と比べれば、ごくわずかというケースが大半です。
だから、ウェブの数字を追うことは、よほどバズらない限り、あまり意味がないでしょう。
プレスリリース個々の効果を正確に測定することは、難しいのです。
プレスリリース効果測定が難しい2つの理由
理由①は、プレスリリースした成果は、すぐ現れるとは限らないから。
1ヶ月後、2ヶ月後、場合によっては半年後に取材が来るケースがあります。
私も記者時代、「面白そうだな」と感じたプレスリリースをクリアファイルに入れて、何か月も保管したりしていました。
理由②。それは、外部要因に左右されることが多いから。
ニュースとは、相対的なものです。例えば、世の中で何も大きなニュースがない時は、
「関東地方は暖かい高気圧に覆われ、行楽地では家族連れで賑わっています」
というニュースが流れることがあります。
「他にニュースないのかよ!」と思いますよね。
こういう時は、メディアもニュースのネタを求めているので、プレスリリースが取材されやすい、と言えます。
しかし、例えばもし総理大臣が「衆議院を解散する」というタイミングだったら?
報道は、衆議院解散に関するニュース一色になります。
だから、衆院解散と関係のない情報を提供したとしても、テレビ新聞に取材してもらえる可能性は、大きく下がります。
こんな時、自社にとって「史上最高のプレスリリース」を出したとしても、思わしい結果は出ないでしょう。
新聞もテレビも、ニュースの枠には限りがあります。でも、この枠は基本的に365日、一定しています。
だから、記者にとって取材の対象選びは、その時々の社会情勢に応じて「相対的な価値評価」にならざるを得ないのです。
プレスリリースを効果的にする2つの方法
だから、結果だけを見て、プレスリリースの効果を判断するのはとても危険です。
怖いのは、次のようなケース。
①素晴らしいプレスリリースだったのに、記者たちが忙しく、取材されなかった。
→「このプレスリリースはダメだった!やめよう」
②質の低いプレスリリースだったのに、たまたま取材された
→「この書き方が良いんだ!今後もこれでいこう」
こういう間違いを犯さないためにできることは、2つあります。
(1)記者とこまめにコミュニケーションをとる
・・・なぜ取材されなかったのか?プレスリリースのどこが良くてどこがダメなのか?今どういう情報を求めているのか?
記者と顔見知りになり、こまめに接触することで、こういった記者のニーズや現状をいつも把握しておくと良いでしょう。
(2)世の中のニュース動向を把握する
たとえ個別の記者から詳しく話が聞けないとしても、別の方法はあります。
日々の新聞やテレビのニュースをチェックしておきましょう。
すると、今メディアは何に注目しているのか?どういう情報を進んで取り上げているのか?が分かります。
例えば7月は、地方面を見ていると、参院選と高校野球でほとんどの紙面が埋まっているのがわかるでしょう。
「今、地方面にプレスリリースを送っても難しそうだな」と分かるはずです。
プレスリリース数値目標の設定におすすめの4項目
プレスリリースの効果測定は難しいとしても、あなたの広報活動において目安にできる数値目標は設定できます。
例えば、以下の4項目です。
①プレスリリース配信数
プレスリリースは、一発勝負ではありません。継続的にお届けすることで、メディアからなじみになり、信頼されやすくなる効果を期待できます。
②メディア掲載数
これも分かりやすい指標になるでしょう。
ただ、注意すべきはただ載れば良い、というわけではないということ。
取り上げられ方によって、世に及ぼす影響はポジティブなこともあれば、逆にネガティブなケースもあり得ます。
単に数だけでなく、取り上げられ方=内容も大事、ということです。
③記者との面会数
記事にしてもらえるかどうか?は、相手が決めることです。だからここは完全にコントロールできません。
しかし、「記者と会うこと」は、自分から動けば機会を作り出すことができます。
その意味で、これも良い指標となるでしょう。
④企画(ネタ)立案数
これも、自分次第でコントロールできる数字です。
プレスリリースを行うには、企画・ネタを考える必要があります。
100のアイデアを出して、1つ2つでもプレスリリースに落とし込めれば良いのです。
「うちはネタがない」と諦めれば終わりです。
しかし、頭を働かせる、アイデアを出す、という行動は、どんな人でもできます。
プレスリリースで成功するには、この数字を上げていく必要があります。
プレスリリースとはそもそも何か?
プレスリリースとは、主に新聞やテレビに対して、情報提供するお知らせの文書のことです。
だから「報道機関(プレス)への情報提供(リリース)」といいます。
最近はウェブメディアも増えてきましたので、それらに送る方も増えています。
詳しくは、こちらの記事で説明しています。
まとめ:低コストで知名度と社会的信頼が高まる効果は大
プレスリリースの全体像についてはこちらご参考ください。
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