マスコミに取り上げてもらう2つの方法・2つのルート。新聞テレビ雑誌メディアから取材されるコツ
ビジネスやプロモーションにおいて「マスコミ取材」はとても重要な発信のチャンスです。
マスコミに出るにはどんな方法やルートがあるのか?また、取材を受けるにはどんなコツが必要なのか?
この記事では、マスコミから取材を受ける“2つの方法と2つのルート”を紹介します。
私は全国紙(読売新聞)の新聞記者を11年務め、無名の人や会社を多く取り上げてきました。
私の経験をもとに、マスコミに取り上げてもらう注意点や取材を受けるコツなどを、記者の視点でアドバイスします。
・マスコミからの取材を受けるための具体的な方法やルートが知りたい方
・マスコミ取材によるPR活動を効果的に展開したい方
・取材を受けるためにはどのようなコツが必要なのか知りたい方
これらの方々は、この記事を読むことで、マスコミ取材の獲得に必要な情報が得られます。
ビジネスやプロモーション活動に役立ちますので、ぜひ最後までじっくり読んでください。
※この記事は2017年3月9日に公開しましたが、2023年9月7日にリライトして再アップしました。
目次
ルート1 自分からメディア(マスコミ)各社にアプローチする
まずは、自分から新聞社やテレビ局ラジオ局、雑誌社といったマスコミ各社に持ちかける、というルートです。
自ら働きかける方法として、大まかに言って2つあります。
「プレスリリース」と、「企画の持ち込み」という方法です。
方法①プレスリリースを書いて報道機関に配信する
プレスリリースとは、新聞テレビといった報道機関に、発表情報をお知らせする文書のことを指します。
官公庁や多くの企業がこの文書をマスコミに送っています。いわゆる「ニュースのお知らせ」です。
ですが、最近はプレスリリースを「宣伝ツール」だと考える企業が非常に増えました。
これは、本来の意味のプレスリリースではなく、自社の売り込みしか考えない迷惑チラシです。
このため、マスコミ各社にはあざとい売り込みが殺到し、記者たちを辟易させています。
マスコミの記者は、プレスリリースを「ただの宣伝」と判断したら、即ゴミ箱に捨てます。
プレスリリースはあくまで、社会性・公共性のあるお知らせにすること。これが基本中の基本です。
下記の記事で説明しているので読んでおいてください。
こちらの記事でプレスリリースのノウハウをまとめています。
方法②企画書を書いてマスコミ(メディア)各社にご提案する
新聞社やテレビ局といった報道機関のニュース部署には、プレスリリースを送ります。しかし、マスコミが報じるのはニュースだけではありません。
テレビの情報番組や、新聞の生活情報面、あるいは雑誌の記事を見てみてください。
必ずしも、ニュース記事ばかりではないことにすぐ気づくはずです。
それが「企画記事」「企画番組」です。
ある出来事や世の中の現状を深く掘り下げたり、全体像をわかりやすく解説したりする記事や番組です。
そうした特集を制作するメディアの部署には、単にこちらの動きを知らせるプレスリリースよりも、
「こういう特集はいかがでしょうか?」とメディア目線で持ちかける「企画のご提案」を行うのです。
その提案内容を採用してもらうには、もちろん、そのメディアの読者層・視聴者層が喜んで食いつくであろうテーマを選ぶことが必須になります。
そのためには、あなたが狙うテレビや新聞紙面、雑誌のバックナンバーにじっくり目を通し、研究しましょう。
相手のメディアが制作している記事や番組の内容を調べた上で、あなたが提供できる情報をピックアップし、その記事や番組にマッチした企画に仕立て上げるのです。
例をあげます。
例えば、あなたがスポーツトレーナーで、「30〜40代女性が読む雑誌を狙いたい」と考えたとします。
その上で、記事をじっくり見ていくと、ダイエット系の記事を読者は求めている、ということがわかります。
そこで、あなたが持っているダイエットのノウハウをもとに、企画書を作って編集者に提案していく、という流れです。
同じ文書をマスコミ各社に届けるプレスリリースと異なり、企画書はそのメディアごとにカスタマイズしていくことが必要になります。
企画書を含む、文章の書き方は以下の私の本をご参考ください。
ロジカルな文章、情緒的な文章(クロスメディア・パブリッシング)
マスコミ(メディア)への具体的アプローチ方法
プレスリリースにしても企画書にしても、最もおすすめの送り方は「郵送」です。
メールはおすすめできません。なぜなら今は、膨大なメールがメディア各社に殺到しており、その多くが読まれていないからです。
なお、郵送できる送り先の住所リストを、いま特別に無料でプレゼントしています。
また、具体的な送り方は、この本でも詳しく紹介しています。
ルート2 メディア(マスコミ)から検索エンジン等で見つけてもらい取材オファーを受ける
最近、メディアの関係者は、ネタ探しにインターネットの検索エンジンを大いに活用しています。
その意味で、取材を獲得するためには、ネット上に良質な情報をストックしていく重要性がいっそう増していると言えるでしょう。
これからの時代、広報担当はホームページやブログといったオウンドメディアに取り組むことからは避けて通れません。
もちろん、ただ漫然と質の低い情報を垂れ流すだけでは、検索エンジンで上位に表示されませんし、目利きのメディア関係者からお声がかかることはありません。
検索エンジンで評価され、上位表示を勝ち取るには、検索ユーザーのニーズにドンピシャで刺さる内容とともに、「他にはないオリジナリティ」が求められます。
「検索ユーザーが求めている情報はどのようなものか?」を徹底して突き詰めつつ、
「このテーマなら、うちの右に出るものはいない」という情報コンテンツを、惜しみなくウェブ上にアウトプットしていきましょう。
さらには、「書籍の出版」もメディアから見つけてもらう良い方法です。
もちろん、全国の書店に本が並ぶ「商業出版」でないと意味がありません。
Kindle出版といった電子書籍や自費出版では、メディア業界の人たちからほとんど評価されません。
なぜなら、「誰でも出せる」からです。
検索エンジンや書籍を通じて、メディアから見つけてもらい、声がかかりやすいのは以下のような情報です。
1 専門性が高いコンテンツ
メディア関係者は、いつも様々な分野の専門家を探しています。
だからあなたは、自身の専門分野についての知見の深さが読み手に伝わるよう、自社メディアから発信する情報の質と量を充実させましょう。
せっかく素晴らしい能力や実績があるのに、オウンドメディアでそれを出し切っておらず、損をしているプロフェッショナルの個人や会社がとても多いです。
他に差をつける重要なポイントは、そのオウンドメディアの「コンセプト」です。
他に同じような専門家がいて、特異性の感じられない打ち出しでは、耳目を集めることはできません。
ダイエットならダイエットで、他の専門家が誰もやっていないような痩せるメソッドだったり(例・新聞紙で痩せる)、痩せる部位を打ち出したり(例・鼻が痩せる)して、「今まで聞いたことがない」「これは珍しい」と感じさせられたら目立ちやすくなります。
2 時事性のあるコンテンツ
新聞やテレビは、毎日情報を発信しています。このため、その時々の季節やニューストレンドに応じた素材を欲しがっています。
極端な例をあげれば、航空機事故が起きれば、航空の専門家がテレビに出るでしょう。
あるいは戦争が起きれば、軍事の専門家の姿を各メディアで目にすることになります。
ここまで大きな時事テーマではなくても、
・女性の社会進出
・労働時間の短縮
・物価の上昇
…などなど、時事テーマは無数にあります。
あなたの専門性と、こうした時事テーマと絡めて情報発信することを考えてみましょう。
すると、常に検索エンジンで時事に絡む専門家を探しているマスコミ関係者の目にとまりやすくなります。
例を挙げます。「ふるさと納税」がここ数年、話題のトピックになっています。
そこで、あるファイナンシャルプランナーが「ふるさと納税の上手な活用法」といった情報をブログで発信していくうちに、テレビから出演依頼が来ました。
検索で見つけてもらうための具体的なやり方は、以下の記事を詳しく解説しています。
(参考)検索上位になる方法。広告なしでビジネスが加速&安定する最強メソッド
新聞に取り上げられた事例
ネット時代の現代でも新聞の影響力は強いです。最近、新聞掲載された方の話を紹介します。
なんと、紙面の1/4ほどのボリュームで大きく掲載して頂き、自分でもびっくりしています。
あまりにも大きいので、嬉しいやら照れくさいやら(笑)
この日は朝からたくさんの方から「新聞みたよ~」と連絡がありました。
新聞には私への問い合わせメールアドレスも掲載していただいたのですが、
全く見ず知らずの方からも、「チョークアートの絵に感動しました。これからもがんばってください」と励ましのメールを頂きました。
こんなこともあるんですね!!
また新聞に掲載された事がきっかけで、大きな仕事の依頼や、ラジオ出演の依頼が来たりと新たなビジネスチャンスも広がりました。
(教室経営、女性)
掲載後、電話がすごかったです。
鳴りっぱなしだったのですが、私一人なので、出ることができず。
でも、新聞からブログ検索されて、
その後、スクールやサロンのサービスに申し込まれたりと、
本当に、新聞の掲載は大きいですね。
お客様にも、「すごいねー!ますます人気出るやん!」
(サロン経営、女性)
新聞掲載で、信頼性とブランドが一気に高まっているのがお分かりいただけるかと思います。
ここが「広告」とは大きく異なるポイントです。
広告との違いとPR活動の重要性
念のため、確認しておきたいことがあります。
メディアに出るというと、「お金を払うんでしょ?」と聞く人がいますが、それは違います。
お金を払って宣伝してもらうのは「広告」です。
「取材されて新聞テレビに出る」ことと「広告を載せる」ことの違いを、表にまとめました。
違いがおわかりいただけるでしょうか?
新聞やテレビの記者から取材を受ければ、基本お金のやりとりは一切ありません。
記者は、同じ社内でも広告担当の社員とはほとんど接点がないのが現実です。
記者は「読者に届ける価値のある情報かどうか?」だけを考えて、記事にするかどうかを判断します。
今の世の中の人々は、広告宣伝の美辞麗句をそのまま真に受けなくなっています。あなたもきっとそうでしょう。
しかし、記者という第三者の目を通して書かれた「記事」は、多くの人たちが高い信頼を寄せて信じてくださります。
だから、新聞やテレビ、雑誌に記事や番組で紹介してもらうことの効果は、非常に大きいと言えます。
まとめ:マスコミ取材獲得に必要なポイント
メディアに取り上げてもらうことは、今この瞬間からあなたが決意してやるべき行動を起こせば、いずれ実現できます。
メディアに出られるかどうかは、「運」ではありません!全てはあなたの決断と行動にかかっています。
確実に言えることは、あなたから情報を発信していくこと。それなしにメディアから見つけてもらえることはないと肝に銘じましょう。
情報発信の方法としては、オーソドックスなのが「プレスリリース」。そして、「企画書」という方法もあります。
さらには、検索エンジンによる取材の依頼を呼び込めるよう、ウェブ上の自社メディア(オウンドメディア)に情報をストックしていくことです。
これらのルートから情報を発信していくことは大事ですが、最も大事なのは言うまでもなくその情報の内容、質です。
単なる売り込み宣伝の情報は、メディアの人たちから嫌われるため、世の中に広まることはありません。
“PR” のPは、「パブリック」のPです。つまり、公共性のない情報素材は、メディアの人が取り上げません。
だから、情報発信を始める前に、公共性のあるコンセプトのデザインを必ずやっておきましょう。
今回の記事の話は、動画でも説明しています。ご参考ください。
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「国内メディアリスト(新聞社・テレビ局・雑誌)」(計803)
このリストでは
・全国のテレビ局(185)
・全国の新聞社(135)
・雑誌(209)
・ラジオ局、CATVなど(274)
これらの媒体名、所在地をエクセルで一覧にまとめています。
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