ブランディング・メディアで差をつける!中小企業が大手に負けないブランドを築くため今すぐ実践すべき戦略
ブランディングに絶対に欠かせないのが「メディア」です。
では、どんなメディアをどう使えば、自社をブランディングできるのか?
オウンドメディア × テレビ新聞といったマスメディア
この両者を組み合わせることで、あなたは自社のブランドと信頼性を大きく高められます。
私は読売新聞記者を11年、その後14年ウェブメディアで発信してきました。両メディアの特性をよく知っており、多くの企業のブランディングのお手伝いをしています。
この記事では、こうしたメディアを使ったブランディングの手順について説明しますので、ぜひ最後までじっくりご覧ください。
目次
1. ブランディング・メディアとは?なぜ今必要?
・ブランディングが重要な理由と、メディアの果たす役割
かつて人が行動する範囲は狭く、お客はモノやサービスを手に入れる時、身近にあるお店やそこで働く人のことをよく知っていました。
ですが今や、誰もがネットを通じて日本中はおろか世界中から、モノやサービスを自由に選べるようになったのです。
すると、商売人は、「自分たちが選ばれる理由」を作らなければ、全世界のライバルに勝つことができなくなりました。
「自分たちが選ばれる理由」こそが「ブランド」です。
ブランドを築き、お客から進んで「ぜひこの会社から購入したい!」と指名買いされることが、生き残りのカギになっています。
このように、あなたの会社をブランド化させるメディアこそが、「ブランディング・メディア」です。
・中小企業が直面するブランディングの課題
ですが中小企業は、大企業のように広告やマーケティングの予算が大量にあるわけではないですよね。
多くの市場では競争が年々激しくなっていて、特に中小企業にとっては、大企業を含む競合他社と差別化を図ることが難しくなっています。
いかに限られた予算の中で、最大の効果を引き出すか?戦略的なアプローチが必要です。
広報戦略のフレームワーク、戦略の立て方はこの記事で詳しく説明しています。
・メディアを上手に活用することでどのように克服できる?
そこで「メディア」という飛び道具をうまく使うことで、ライバルに負けないブランドを構築することがとても大切になっています。
「広告」では多額のコストがかかります。しかし、「広報」ならコストを抑えて大きな効果を手にできます。
具体的には、自社のオウンドメディアを作ること。そして、テレビや新聞といった大手メディアの「記事」「番組」で紹介してもらうことです。
取材を受け、記事や番組で紹介してもらえれば、コストはかかりません。
その上、「○○新聞で紹介された会社」「○○テレビで取り上げられた商品」として、人々から高い信頼を得られます。
メディアに取り上げられ、実際にビジネスを飛躍させた方々の事例をこちらで紹介しています。
2.大手メディア掲載が、ブランド認知度にもたらす5つの効果
①広い範囲での露出
大手メディアは幅広い視聴者や読者にリーチできます。テレビ、ラジオ、新聞など、多様なルートから情報が届けられるため、たくさんの潜在顧客にアプローチすることができます。これにより、ブランドの認知度を短期間で飛躍的に高めることができます。
②信頼性のアップ
大手メディアによる取り上げられることは、そのブランドや商品に対する信頼性の証となることが多いです。
報道されること自体が、一種の品質保証や信頼のしるしとなり、消費者の購入決定に大きく影響を及ぼします。特に新しい顧客や初めて接触する市場において、この信頼性は大きな価値があります。
③イメージの向上
メディアで取り上げられる内容によっては、ブランドイメージが大きく高まることがあります。
特に企業として社会性のあるポジティブな内容で報じられた場合、ブランドへの好感度が高まり、消費者との良好な関係を築きやすくなります。
④ 市場での位置づけの強化
大手メディアに取り上げられることにより、あなたが属する分野や市場におけるリーダーとしての位置づけが強化されることがあります。
これにより、他の競合他社との差別化が進み、より多くの顧客やお取引先からの関心が高まることが期待されます。
⑤新規顧客の獲得
大手メディアが取り上げることによって、普段は接触できない新しいお客さまにリーチできます。これにより、市場の拡大や新たな顧客の開拓ができるようになり、売上の増加につながります。
3.ブランディング・メディアの作り方
大手メディアに取り上げてもらう前に、まず自社の「オウンドメディア」をつくりましょう。
私も新聞記者時代、企業を取材する前にオウンドメディアを穴が開くほど読んで調べました。
オウンドメディア作りは、以下の手順で進めましょう。
⑴「情報を届ける相手」を明らかにする
まずは、「誰に?何の情報を伝えるか?」を明らかにする必要があります。
自社目線で「伝えたい」だけで考えると失敗します。
「その情報に、ニーズがあるのか?」を突き詰めて調べておきましょう。
具体的には、「Googleキーワードプランナー」などを使って、検索エンジンであなたがテーマにしたいキーワードがどれくらい検索されているのか?を調べます。
ニーズがあると分かったら、その言葉を検索しているのはどういう人か?年齢や性別、職業といったペルソナ像をじっくり固めていきます。
⑵大手メディアに注目されるブランドストーリーの作成
「誰に?どんな情報?」が明らかになりましたか?
では次は、その情報を発信するあなたの会社が「なぜその情報を発信しているのか?」を伝えるストーリーを形作っていきましょう。
メディアの人間は、「なぜ?なぜ?」と深く掘り下げてくる人たちです。
その疑問に答え、相手を納得させつつ、なおかつあなたのファンにしていく力を持っているのが「ストーリー」です。
これは、情報発信の土台となるものなので、極めて重要な作業です。
⑶自社メディア(オウンドメディア)構築
オウンドメディアとは、企業や組織が自らの手で直接、情報発信していくメディアのことを指します。さまざまな種類があります。
主な種類を以下に示します:
・コーポレートサイト:企業や組織の公式サイトで、企業の基本情報、ニュースリリース、製品情報などを提供します。
・ブログ:よりカジュアルな形式で、業界の動向、専門知識、ハウツーなどを提供する記事を定期的に公開します。
・マガジンサイト:特定のテーマや業界に特化した内容を提供するオンラインマガジン形式のメディアです。
・ソーシャルメディア:X(旧Twitter)、Facebook、Instagramなど、社会的なネットワークを利用して情報を発信し、ユーザーとの対話を図ります。
・動画チャンネル:YouTubeやVimeoなどのプラットフォームを利用して、ビデオコンテンツを通じて情報を発信します。
⑷アウトプットの実行と改善
オウンドメディアを成長させるには、「発信の継続」は絶対条件です。
ウェブ上で発信する企業や個人はとても多いので、発信数が少ないとすぐに埋もれてしまいます。だから手数を増やしていくことは重要です。
そして、情報を発信したら、必ずユーザーからの反応をチェックします。GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールの数字の変化を確認しましょう。
アクセスが増えているなら、その方向性を強化します。伸び悩んでいるのなら、何が問題なのか突き止めて改善します。
このPDCAのサイクルを継続的に回していくことで、オウンドメディアは成長していきます。
⑸メディアの種類ごとの注意ポイント
ブランディングと情報発信の観点から、各メディアの注意点を押さえておきましょう。
・コーポレートサイト
更新が少ないと古い情報がそのまま残るので印象が良くないです。定期的なコンテンツの更新とメンテナンスが必要です。また、デザインやユーザーインターフェースが使いやすいか?も重要です。
・ブログ
記事の質と定期的な更新が重要です。検索エンジン対策(SEO)もしっかり行い、検索エンジンでの視認性を高める必要があります。
・マガジンサイト
対象とするニッチ市場が明確でないと効果を発揮しにくいです。また、専門的な内容が求められるため、内容の正確性と専門性が重要になります。
・ソーシャルメディア
ネガティブな反応も即座に広がる可能性があるため、リスク管理が必要です。また、各SNSの特性を理解し、定期的にコンテンツをアップし続ける大変さがあります。
・動画チャンネル
高品質な動画を制作するには時間とコストがかかります。また、定期的にコンテンツを更新することが求められるため、予算や担当者などリソースの確保が必要です。
⑹大手メディア掲載への効果的なアプローチ方法
待っているだけ、では大手メディアの取材はまず来ません。
自ら新聞テレビ雑誌にアプローチを開始しましょう!
具体的には、「プレスリリース」です。または「企画書」をメディアに届けます。
こちらの記事で詳しく解説しています。
ここまで、「ブランディング・メディアの作り方」の一連の流れを説明してきました。
ただ、この流れはノウハウがない会社が自社のみで行うのは難しいので、外部の助けを借りた方が良いかもしれません。
成功する広報コンサルティングの受け方について、こちらで説明しています。
4. メディアを使ったブランディング戦略の事例
オウンドメディアで発信し、マスメディアでも取り上げてもらうことで、情報は相互に増幅し、広まっていきます。3社の事例を紹介します。
1. アップル(Apple Inc.)
アップルは、製品発表会を大々的にメディアで取り上げることで有名です。
彼らのプレゼンテーションは、製品の革新性だけでなく、デザインや使い勝手の良さを強調し、消費者の期待を高めます。
これにより、新製品のリリースが一つのイベントとなり、広範囲にわたる報道によってブランドイメージが一層強化されています。
2. レッドブル(Red Bull)
レッドブルはエネルギードリンクの販売だけでなく、エクストリームスポーツのスポンサードを積極的に行っています。
彼らは自社のメディアチームを持ち、スポーツイベントや文化イベントを主催し、それを通じてブランドの「エネルギッシュで冒険的なイメージ」を打ち出しています。
これらの活動はソーシャルメディアや独自のオンラインプラットフォームで広く共有され、ブランドの認知度向上に貢献しています。
3. ユニクロ(UNIQLO)
ユニクロは、質の高い基本的な衣料品を提供するという明確なブランドコンセプトを持っています。
彼らはそのコンセプトを反映させた広告キャンペーンを積極的に行い、特に「LifeWear」キャンペーンでは日常生活での実用性とスタイルを強調しました。
ユニクロは、多様なメディアチャネルを通じて一貫したメッセージを発信し、全世界でのブランド認知度を高めています。
なお、ユニクロを展開するファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏は、
表面的な「化粧」をすることがブランドだと考えている人が多いが間違っている。
と発言しています。まさにその通りだと思います。
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5. デジタルメディアを最大限活用する方法
検索エンジン対策(SEO)を通じて大手メディアの注目を集めるテクニック
大手メディアの記者・編集者たちは、検索エンジンを通じて“ネタ探し”を日常的に行なっています。
私も記者時代、よくGoogleなどで検索して面白い企業や人物を探していました。
このため、オウンドメディアで検索エンジン対策を行うことで、見込みのお客様だけでなく、メディアの注目を集めることはとても大事になっています。
では、どうしたら大手メディアの注目を集めるSEOができるか?いくつかテクニックを紹介します。
①トレンドに基づいたキーワードを活用する
テレビや新聞は、世の中のホットな話題をいつも追いかけています。だから、
Google Trendsやキーワードプランナーを利用して、現在注目されているトピックやキーワードを把握しましょう。
これらのキーワードを用いて、検索トレンドに沿ったタイムリーで関連性の高いコンテンツを制作し、オウンドメディアで発信するのです。
②質の高いオリジナルコンテンツをつくる
大手メディアは、情報の正確性と独自性を求めています。だから正確でオリジナリティのある情報コンテンツをつくるように努めましょう。
調査やインタビューを行い、専門家の意見や最新の研究結果を取り入れることで、コンテンツの信頼性を高めまられます。
③自然なリンクを増やす
他の信頼できるサイトからのリンクを増やすことで、サイトの権威性を高めることができます。
業界団体のサイトや、公的団体とのつながりを活用して、自然なリンクを獲得するといいでしょう。
ウェブメディアからの直接的なリンクを獲得できると理想的です。この記事を参考に、Yahoo!ニュース掲載を目指しましょう。
④SNS(ソーシャルメディア)との連携
SNSを活用してコンテンツのリーチを広げ、ファンになってくれるユーザーを増やしましょう。シェア可能なコンテンツをつくり、フォロワーが容易に情報を拡散できるよう工夫します。
⑤メディアへの働きかけ
なんと言っても大手メディアで紹介されることで、サイトの権威性と信頼性が高まります。これにより、検索結果での上位表示につながります。
だから、メディア掲載がさらなるメディア掲載を呼ぶ、という好循環が生まれやすくなります。
そのために、新しい調査結果や業界レポートをプレスリリースにまとめるなど、ニュース価値のあるコンテンツをメディアに提供していきましょう。
こちらの記事をご参照ください。
記者クラブを通じてテレビ新聞の記者にアプローチする方法もあります。こちらを参考にしてください。
まとめ:ブランディング・メディアを活用した中小企業の成長促進とその方法
ここまで、ブランディングにおける「メディア」の重要性と効果的な活用方法について詳しく解説しました。
特に中小企業にとって、オウンドメディアとマスメディアを組み合わせることは、ブランド価値を高めるための最適な戦略と言えます。
ぜひあなたもチャレンジしてください。
中小企業は、しばしば限られた予算内で最大の成果を求められます。この課題を克服するために、オウンドメディアの構築から始めましょう。
ターゲットに喜ばれる魅力的なコンテンツを提供し、企業の価値とビジョンを明確に伝えることが大切です。
そして大手メディアへの露出を図り、記事や番組を通じて企業の信頼性と認知度をさらに強化します。
メディアに取り上げられることは、特に新規顧客の獲得において、大きな効果をもたらします。
それから、検索エンジン対策(SEO)戦略の展開や、ソーシャルメディアとの効果的な連携も、ブランディングの成功に欠かせません。
中小企業でも、これらの戦略を積極的に取り入れることで、大企業に負けない独自のブランドを築くことが可能です。
ブランディングはコツコツ取り組む努力を必要とするプロセスですが、メディアをうまく活用することで、大きな花を開かせることができます。
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