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プレスリリース配信のベストタイミング!記者目線で媒体別・内容別に徹底解説【2025年最新】


「プレスリリースは、いつ送れば最も読んでもらえますか?」

これは、元新聞記者で広報の専門家である私が、最もよく受ける質問の一つです。

せっかくプレスリリースを配信するなら、有利なタイミングでお送りしたい、というお気持ちはとてもよく分かります。

一般的には、「火〜木の午前10〜14時が狙い目」と言われます。

ただ、媒体ごとに事情も異なりますし、プレスリリースの内容によっても適切な配信タイミングは細かく異なります。

そこで、この記事では、少しでもプレスリリースの効果を高めたいあなたのために、

私の26年間のメディア経験をもとに、個別ケースごとにプレスリリースのタイミングを説明していきましょう。

 

※この記事は、2019年8月1日に公開しましたが、2025年8月27日にリライトして再度公開しました

なぜ配信タイミングが重要か? — 記者の「取材・執筆スケジュール」を意識する

「どんなに良いニュースでも、タイミングを逃すと価値がなくなる」

これは、私が新聞記者をしていた時、何度も痛感させられました。

ニュースバリューは、タイミングで変わります。

記者は毎日、大量に押し寄せる情報の中で、「取材するか、捨てるか」の選択を常に迫られています。

そして、刻一刻と世の中はどんどん変化していきます。だから

「ああ、◯◯◯のタイミングでこの情報をもらえてたら記事にできたのに…」

ということが、数えきれないほどありました。

 

1. 記者の一日は「締め切り」との戦い

メディアの現場には、必ず「締め切り」があります。

新聞なら午後1時頃に夕刊の締め切り。そして夕方以降、翌朝刊に向けた原稿の追い込みが始まります。

テレビならお昼や夕方のニュース番組に合わせ、取材スケジュールを決定します。

決まった締め切りがないウェブメディアでも、「1日に◯本の記事をアップする」と目安があり、記者たちは取材・執筆のスケジュールを計算しながら動いています。

つまり――

記者が欲しいタイミングで届いた情報は「取材されるネタ」になり得るが、タイミングを逃した情報は、後回しにされるか、そもそも見られない、ということ。

 

2. 「あなたのニュースが埋もれる瞬間」

想像してください。月曜の朝、記者のメールボックスには週末明けの情報が山のように届きます。

100件以上のプレスリリースを一斉受信している状態です。その中で「金曜の夜に送ったあなたのリリース」がどうなるか――。

答えは簡単。開封されずに流される可能性が高い。

逆に火曜の午前10時、記者が「今日はネタが足りないな…」とメールを開いたときに届くリリースは、読まれる確率が上がります。

 

3. “記者に喜ばれる”タイミングは信頼にもつながる

実は、記者は「タイミングの良い企業」に好感を持ちます。

必要なときに、必要な情報を、適切な時間に届けてくれる――

それによって、“取材しやすい相手”と認識され、次回の取材機会にもつながります。

だからこそ、配信のタイミングは単なるテクニックではなく、

「メディアと長期的な関係を築くための戦略」でもあります。

 

ポイント
・配信タイミングを意識するだけで、記事掲載率も、記者からの信頼も変わる
・送れば伝わる、と考える企業が多い中、“記者のスケジュールに寄り添える人”は、確実に選ばれる

 

プレスリリース配信時間のおすすめタイミング(提供方法別)

まず、プレスリリースの提供方法ごとに、適切なタイミングを見ていきましょう。

 

①メール

メールはメディア各社に大量に送られてくるので、私は新聞記者時代、正直あまり真剣に見ていませんでした。

特に昨今、メールで届くプレスリリースの数が大量になりすぎているため、物理的にすべて開封して目を通すことは、記者にとって不可能です。

どれくらいメディアの編集部に届いているか?というと、媒体ごとに異なりますが、1時間に100本〜200本はザラです。

これが1日、1週間と積み重なるとどうなるか?天文学的な数になります。

ただでさえ、メディアの人員は減らされているのに、これらをすべてチェックする余裕は報道の現場にはありません!

 

なお、メールアドレスには大きく分けて2種類あります。記者個人宛と会社宛。

記者は、自分宛のメールはきちんと目を通します。これは記者じゃなくてもそうですよね。

しかし、会社(編集部)宛のメールは大半が売り込み宣伝なので、“まとめて削除”されることがほとんどです。

だから、プレスリリース配信サービスなどを使って、メディアの会社(編集部)アドレスに送信するのはあまりお勧めできません。

それより、手間はかかりますが、きちんと記者1人1人にコンタクトをとって、知り合いになり、個々の記者にメールで送ることをお勧めします。

記者がメールをチェックする大まかな時間を、それぞれ大雑把に紹介します。

 

会社(編集部)のメールアドレス

・午前10時ごろ

・正午前後

・午後5時ごろ

 

●記者個人のメールアドレス

・午前9時ごろ

・午後1時ごろ

・午後5時ごろ

 

②ファクス(FAX)

ファクスは、いまだに新聞社やテレビ局ではよく使われています。

ファクス機には2種類あります。普通紙に印刷されるタイプと、感熱紙に印刷されるタイプです。

大規模な編集部には、コピー機なども兼ねた大型の複合機が配備されています。ここにはA4サイズでプレスリリースが印刷されます。

一方、小規模な編集部には、低コストで使用できる感熱紙(ロール)タイプのファクス機が多いです。

この場合、ペラペラの薄い紙がロールされた状態で印刷されて落ちてきます。

記者にとっては、ファクスから届くプレスリリースは、受信したらすぐ読むことができ、持ち運びもしやすく、取材で得た情報を書き込みできるメリットもあります。

しかし、5枚も6枚もある“宣伝プレスリリース”は決してファクスしないでください。

これらがFaxで届くと、「紙をムダにしないでくれ!」とメディアの人たちは不愉快になり、逆にあなたに悪い印象を持ちます。

なお最近は、ファクスを通じてPDF文書の送受信もできます。だから記者もスマホでファクスから届いた文書を確認できるようになっています。

 

ファクスの送付に比較的、おすすめの時間帯は

・午前9時

・午後3時

・・・あたりでしょうか。

午前9時なら、編集部員やデスクが着席したばかりで、まだそれほどバタついていません。

午後3時は、新聞やテレビのお昼のニュース編集がひと段落ついた頃合いで、比較的、ファクス文書をゆっくりチェックしてもらいやすいです。

 

③郵送

郵送は、送ってから届くまで、数日のタイムラグが生じるというデメリットがあります。

しかしメールよりも、記者が開封して、プレスリリースを手に取ってくれる可能性は高いです。

郵送のタイミングは、「出せる時に、すぐに出す」に尽きます。

イベント等の場合、たとえ半年先のイベントであっても、「開催が決まりました」とプレスリリースを出してしまって良いです。

プレスリリースを1回送るだけで取材はほぼされません。

だから、イベント開催まで切り口を変えながら複数のプレスリリースでお知らせしていくとのです。

早い段階で「開催が決まりました」というプレスリリースを出しておけば、打席に立てる回数(プレスリリースを出せる回数)も増えます。

すると、ヒットが出る可能性も上がる、というわけです。

 

④記者クラブ

記者クラブには、霞が関の省庁(国交省、農水省など)のような巨大記者クラブから、人口数万人しかいない田舎の市役所の小さな記者クラブまで様々です。

当然、クラブによって規模や運営体制が大きく異なります。

そのため、一概には言いにくいのですが、

プレスリリースを持ち込む時間帯でおすすめなのは

・午前10時ごろ

・午後2〜4時

あたりかと思います。

 

プレスリリース配信時間のおすすめタイミング(媒体別)

次に、送り先の媒体ごとのタイミングです。

新聞やテレビ、雑誌やラジオには、「締め切り」というものがあります。

「この時間までに絶対、原稿を出せ!」というデッドラインです。

この締め切り間際、記者たちとても忙しくばたついているので、プレスリリース送付は避けましょう。

その代わり、締め切りの直後はひと段落ついており、「さて次のネタはどうしよう?」と考えるタイミングになります。ここがチャンス。

送るのに良いタイミングは、大雑把に以下の時間帯・時期です。

 

新聞社

 :午後3〜4時ごろ

 

テレビ

 :番組ごとのオンエア6〜7時間前

 

雑誌

 月刊誌 ;発売日から前の4、5日間

 週刊誌 :発売日の前日

 

ウェブニュース

 :随時(決まった締切時間がないから)

ウェブメディアごとに、編集のスケジュールや仕事の流れは異なります。

各メディアごとの特性を確認してください。

Yahoo!ニュースに記事を提供しているメディア一覧はこちら

 

 

プレスリリースを出す時期おすすめタイミング(内容別)

新事業のスタート

 開始の2か月前〜1、2週間前に出して良いでしょう。

 

イベントの開催

 こちらも開始の2か月前〜遅くとも1週間前

 

新商品・サービス

 開始の2か月前〜

 

調査結果

 これは鮮度が命なので、まとまり次第すぐ出しましょう。

 

業績(売上、販売数)の節目

 これも鮮度が命。すぐお知らせしましょう。

 

本の出版

 出版日の1か月前〜でしょうか。 

 

プレスリリースの「曜日」:金曜日は避けるべきか?

月曜日

 週はじめの午前は記者も何かとバタバタしています。プレスリリースを出すとしても、午後の方が良さそうです。

 

火曜〜木曜日

 曜日としておすすめと言えるのは、この3日間でしょう(でも絶対ではありません)。

 

金曜日

私の記者経験上、金曜日はたくさんのプレスリリースが新聞社やテレビ局に届きます。

官庁も大企業も、週末の休みを控え、「今週の仕事にケリをつける」意味合いもあってプレスリリースを多く出すのです。

このように金曜日にプレスリリース(=発表案件)が増えていることは、広く知られつつあります。

ですので、これを逆手に取り、不祥事などネガティブ案件を発表せざるを得ない企業や団体が、わざと金曜日の午後を狙って出すケースが増えています。

「取材されたくない」「できるだけ報道されたくない」というわけです。

金曜日にネガティブな発表をするメリットとしては、翌日から週末で職場は休みになるので、お客様や生活者からのクレームを避けられる点もあります。

取材・報道をされたくない当事者としては、金曜日のプレスリリースは当然狙いたくなるでしょう。

ですが、「取材・報道してもらいたい」という攻めの広報を行う企業や団体の方は、上記の理由から、金曜日にプレスリリースすることは基本、避けた方が良いです。

 

土曜、日曜

 「土曜や日曜は休みだからプレスリリースすべきでない」とハナから考える企業の人はとても多いです。

確かに、経済系や官庁系の記者は取材対象の営業日に合わせて休みます。

しかし、テレビや新聞の報道機関の記者は、全員が週末に休むわけではありません。

報道機関は、毎日ニュースを報道しているからです。

週末は、届くプレスリリースが激減します。これに対して、出勤している記者は、比較的のんびり仕事ができます。

つまり余裕があるので、意外とプレスリリースをじっくり読んでくれることもあります。

そういう意味では、実は狙い目です。

私も記者時代、土日の出勤が嫌いではありませんでした。

世の中が平穏な日が多く、のんびり仕事ができたからです。

「ヒマだな〜あれっ、プレスリリースが来た。読んでみるか〜」

ということは、よくありました。

ただ、メールで送られるプレスリリースは別です。

メディアの代表アドレスに届くものが大半で、平日はチェックしてもらえても、週末はスルーされることが多いです。

なお、プレスリリース配信サービスを通じてメディアに届くリリースは、大半がメールです。

 

プレスリリース配信におすすめの「時間帯」の選び方

毎日、締め切りがある新聞・テレビ(あるいはラジオ)は、時間帯を考慮する必要があります。

 

午前9〜10時

 まだ比較的落ち着いている時間帯です。今日のニュース出稿計画を立てています。この時間なら、比較的プレスリリースに目を通す余裕があります。

 

午前11〜12時

 夕刊のある新聞は夕刊の編集作業。テレビは、お昼のニュースに向けて忙しさはピークです。よほど急ぎでない限り、プレスリリースするのは避けた方が無難です。

 

正午〜午後1時

 民放は正午前にニュースは終わります。しかしNHKニュースが正午から始まり、新聞テレビ各社の記者はニュースを見ます。また、新聞は夕刊作業のピーク時間帯です。プレスリリースは避けた方が良い時間帯です。

 

午後1時〜2時

 テレビ新聞の各社は、ひと通り締め切りを乗り越え、ほっとする時間帯です。狙い目とも言えますが、ランチで会社外に出ることも多く、微妙ですね。

 

午後3時〜4時

 ランチも終え、また夕方以降のニュース出稿作業まで時間があります。1日の中で最もプレスリリースを送るのにおすすめの時間帯です。

 

午後5時以降

 テレビなら夕方・夜のニュース。新聞なら翌日朝刊の作業に入り、忙しさが増していきます。その意味では避けた方が良いと言えます。

 ただ、新聞社にとって仕事のピークは午後9〜10時。午後7時8時なら、「まだ早い時間帯」という感覚があります。

 この時間には、多くの企業も時間外となるため、届くプレスリリースがかなり減ります。その意味では穴場の時間帯、と言えるかもしれません。

 

・・・

ここまで、新聞テレビの報道向けに、プレスリリース配信おすすめの「時間帯」の選び方について紹介してきました。

ただ、締め切りが月1回しかない雑誌などは、時間帯をそこまで気にする必要はないでしょう。

 

1年でプレスリリースが採用されやすい「時期」は?

年末年始

多くの企業が休むこの時期も、新聞テレビの記者は仕事をしています。プレスリリースは激減する一方、記者にはわりと余裕があります。だからこの時期にプレスリリースすると、意外とじっくり読まれることがあります。

 

1〜2月

1月中旬くらいまでお正月ムードでそれに伴うイベント等は続きます。しかし、それ以降2月にかけては世間の動きも鈍くなり、ニュースのネタが少なくなります。だからプレスリリースのチャンスと言えます。

 

3月

年度末、3月の記者はとても慌ただしいです。各種人事や、ルール・制度の変更への対応、さらには自社の人事異動も絡みます。3月中旬以降はプレスリリースを避けたいです。

 

4月

新年度がスタート。新入学や新社会人の話題や、花見などニュースやイベントが増えます。少なくとも4月上旬までは、できればプレスリリースは控えたほうが賢明です。

 

ゴールデンウイーク

企業が休みに入り、プレスリリースは激減します。しかし、年末年始と同じく記者たちは誰かしら出勤しています。記者はわりと余裕があるので、実はプレスリリースがじっくり読まれやすい時期でもあります。

 

5月(GW後)〜7月中旬

気候的に穏やかで、世間も落ち着きを取り戻します。プレスリリースの数は安定的に推移しますが、この時期は特に気にせずに自社のタイミングでプレスリリースすれば良いでしょう。

 

7月下旬〜8月

記者たちも交代で夏休みを取り始めます。また、地方の新聞は、高校野球の報道に多くの紙面が割かれます。つまり、一般ニュースの割合が減り、載りにくくなります。

とはいえ、届くプレスリリース数も減少傾向。お盆時期は記者も余裕があります。出せるタイミングでプレスリリースを出して良いです。

 

9〜11月

気候的に1年で最も過ごしやすく、秋のお祭りなどイベントも多くなります。届くプレスリリース数は安定して推移しますが、大きな事件さえなければ、記者たちは少し余裕があります。出せるタイミングでプレスリリースしましょう。

 

12月

1年で最も忙しい時期の一つです。というのも、記者たちは新年の紙面・番組に向けて、企画や取材に追われるからです。また、年末年始の休みを交代で取るために、穴埋め用の原稿も用意しなければなりません。緊急性の高いニュース性のあるプレスリリース以外は、避けるのが無難です。

 

記者の本音:プレスリリースのタイミングより大事なこと

プレスリリースを送る側の方は、タイミングを非常に気にされますが…

本当に重要なのは、タイミングよりも「プレスリリースの中身=ニュース価値」です。

ニュース価値のある内容であれば、いつ送ってこられても、あなたの元に記者は取材に駆けつけます。

「プレスリリースが届いたタイミングが悪かったから、取材できませんでしたー」

という記者は、単なる無能です。

そのように、人のせいにする記者は、プロの記者ではありません。

記者は、情報屋=情報のプロです。

あらゆる情報にアンテナを立てて、価値のある情報を真剣にキャッチしようと努めている人たちです。

繰り返しますが、タイミングよりも

プレスリリースの中身そのもの=ニュース価値があるかどうか?の方がよほど重要です。

 

まとめ:タイミングを過度に気にする必要はない

色々とプレスリリースのタイミングについて紹介してきました。

とはいえ、記者の状況や社会状況は刻々と変わるので、「このタイミングがベスト!」という絶対法則はありません。

例えば、

セオリーでは「送ったらダメ」と言われる金曜日の午後8時に送った、とします。

ですけど、もしこの発表に“極めて高いニュース価値”があれば・・・

記者は、他の仕事をほっぽり出して取材に殺到します。

僕も新聞記者時代、数え切れないほどこういうケースがありました。

だから、細々したタイミングを気にしてもあまり意味がありません。

一番大事なのは「ニュース価値」です。

あなたのプレスリリースにニュース価値がありさえすれば、タイミングに関係なく、記者たちは取材してくれます。

だから、ニュース価値を一番に考え抜いて、プレスリリースに取り組んでください!


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