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記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

プレスリリースの最適タイミングは?元読売新聞記者が、内容や送り先、曜日や時間帯ごとに解説します


「プレスリリースは、いつ送れば最も読んでもらえますか?」

これは、元新聞記者で広報の専門家である私が、最もよく受ける質問の一つです。

せっかくプレスリリースをやるなら、有利なタイミングでお送りしたい、というお気持ちはとてもよく分かります。

ただ、記者はみんな取材するテーマが違いますし、それぞれ365日24時間、仕事をしてるので、読むタイミングは人それぞれです。

だから、「このタイミングで送れば必ず読んでもらえる!」という絶対的なセオリーはないんです。

とはいえ、少しでも良いタイミングでプレスリリースを送りたい!というあなたのために、

私の24年間のメディア経験をもとに、プレスリリースのタイミングを説明していきましょう。

 

※この記事は、2019年8月1日に公開しましたが、2024年2月15日にリライトして再度公開しました

プレスリリース配信時間のおすすめタイミング(提供方法別)

まず、プレスリリースの提供方法によって、適切なタイミングというのは変わってきます。

各ケースごとに見ていきましょう。

 

①メール

メールはメディア各社に大量に送られてくるので、私は新聞記者時代、正直あまり真剣に見ていませんでした。

特に昨今、メールで届くプレスリリースの数が大量になりすぎているため、物理的にすべて開封して目を通すことは、記者にとって不可能です。

どれくらいメディアの編集部に届いているか?というと、媒体ごとに異なりますが、1時間に100本〜200本はザラです。

これが1日、1週間と積み重なるとどうなるか?天文学的な数になります。

ただでさえ、メディアの人員は減らされているのに、これらをすべてチェックする余裕は報道の現場にはありません!

 

なお、メールアドレスには大きく分けて2種類あります。記者個人宛と会社宛。

記者は、自分宛のメールはきちんと目を通します。これは記者じゃなくてもそうですよね。

しかし、会社(編集部)宛のメールは大半が売り込み宣伝なので、“まとめて削除”されることがほとんどです。

だから、プレスリリース配信サービスなどを使って、メディアの会社(編集部)アドレスに送信するのはあまりお勧めできません。

それより、手間はかかりますが、きちんと記者1人1人にコンタクトをとって、知り合いになり、個々の記者にメールで送ることをお勧めします。

記者がメールをチェックする大まかな時間を、それぞれ大雑把に紹介します。

 

会社(編集部)のメールアドレス

・午前10時ごろ

・正午前後

・午後5時ごろ

 

●記者個人のメールアドレス

・午前9時ごろ

・午後1時ごろ

・午後5時ごろ

 

②ファクス(FAX)

ファクスは、いまだに新聞社やテレビ局ではよく使われています。

ファクス機には2種類あります。普通紙に印刷されるタイプと、感熱紙に印刷されるタイプです。

大規模な編集部には、コピー機なども兼ねた大型の複合機が配備されています。ここにはA4サイズでプレスリリースが印刷されます。

一方、小規模な編集部には、低コストで使用できる感熱紙(ロール)タイプのファクス機が多いです。

この場合、ペラペラの薄い紙がロールされた状態で印刷されて落ちてきます。

記者にとっては、ファクスから届くプレスリリースは、受信したらすぐ読むことができ、持ち運びもしやすく、取材で得た情報を書き込みできるメリットもあります。

しかし、5枚も6枚もある“宣伝プレスリリース”は決してファクスしないでください。

これらがFaxで届くと、「紙をムダにしないでくれ!」とメディアの人たちは不愉快になり、逆にあなたに悪い印象を持ちます。

なお最近は、ファクスを通じてPDF文書の送受信もできます。だから記者もスマホでファクスから届いた文書を確認できるようになっています。

 

ファクスの送付に比較的、おすすめの時間帯は

・午前9時

・午後3時

・・・あたりでしょうか。

午前9時なら、編集部員やデスクが着席したばかりで、まだそれほどバタついていません。

午後3時は、新聞やテレビのお昼のニュース編集がひと段落ついた頃合いで、比較的、ファクス文書をゆっくりチェックしてもらいやすいです。

 

③郵送

郵送は、送ってから届くまで、数日のタイムラグが生じるというデメリットがあります。

しかしメールよりも、記者が開封して、プレスリリースを手に取ってくれる可能性は高いです。

郵送のタイミングは、「出せる時に、すぐに出す」に尽きます。

イベント等の場合、たとえ半年先のイベントであっても、「開催が決まりました」とプレスリリースを出してしまって良いです。

プレスリリースを1回送るだけで取材はほぼされません。

だから、イベント開催まで切り口を変えながら複数のプレスリリースでお知らせしていくとのです。

早い段階で「開催が決まりました」というプレスリリースを出しておけば、打席に立てる回数(プレスリリースを出せる回数)も増えます。

すると、ヒットが出る可能性も上がる、というわけです。

 

④記者クラブ

記者クラブには、霞が関の省庁(国交省、農水省など)のような巨大記者クラブから、人口数万人しかいない田舎の市役所の小さな記者クラブまで様々です。

当然、クラブによって規模や運営体制が大きく異なります。

そのため、一概には言いにくいのですが、

プレスリリースを持ち込む時間帯でおすすめなのは

・午前10時ごろ

・午後2〜4時

あたりかと思います。

 

プレスリリース配信時間のおすすめタイミング(媒体別)

次に、送り先の媒体ごとのタイミングです。

新聞やテレビ、雑誌やラジオには、「締め切り」というものがあります。

「この時間までに絶対、原稿を出せ!」というデッドラインです。

この締め切り間際、記者たちとても忙しくばたついているので、プレスリリース送付は避けましょう。

その代わり、締め切りの直後はひと段落ついており、「さて次のネタはどうしよう?」と考えるタイミングになります。ここがチャンス。

送るのに良いタイミングは、大雑把に以下の時間帯・時期です。

 

新聞社

 :午後3〜4時ごろ

 

テレビ

 :番組ごとのオンエア6〜7時間前

 

雑誌

 月刊誌 ;発売日から前の4、5日間

 週刊誌 :発売日の前日

 

ウェブニュース

 :随時(決まった締切時間がないから)

ウェブメディアごとに、編集のスケジュールや仕事の流れは異なります。

各メディアごとの特性を確認してください。

Yahoo!ニュースに記事を提供しているメディア一覧はこちら

 

 

プレスリリースを出す時期おすすめタイミング(内容別)

新事業のスタート

 開始の2か月前〜1、2週間前に出して良いでしょう。

 

イベントの開催

 こちらも開始の2か月前〜遅くとも1週間前

 

新商品・サービス

 開始の2か月前〜

 

調査結果

 これは鮮度が命なので、まとまり次第すぐ出しましょう。

 

業績(売上、販売数)の節目

 これも鮮度が命。すぐお知らせしましょう。

 

本の出版

 出版日の1か月前〜でしょうか。 

 

プレスリリースの「曜日」:金曜日は避けるべきか?

月曜日

 週はじめの午前は記者も何かとバタバタしています。プレスリリースを出すとしても、午後の方が良さそうです。

 

火曜〜木曜日

 曜日としておすすめと言えるのは、この3日間でしょう(でも絶対ではありません)。

 

金曜日

私の記者経験上、金曜日はたくさんのプレスリリースが新聞社やテレビ局に届きます。

官庁も大企業も、週末の休みを控え、「今週の仕事にケリをつける」意味合いもあってプレスリリースを多く出すのです。

このように金曜日にプレスリリース(=発表案件)が増えていることは、広く知られつつあります。

ですので、これを逆手に取り、不祥事などネガティブ案件を発表せざるを得ない企業や団体が、わざと金曜日の午後を狙って出すケースが増えています。

「取材されたくない」「できるだけ報道されたくない」というわけです。

金曜日にネガティブな発表をするメリットとしては、翌日から週末で職場は休みになるので、お客様や生活者からのクレームを避けられる点もあります。

取材・報道をされたくない当事者としては、金曜日のプレスリリースは当然狙いたくなるでしょう。

ですが、「取材・報道してもらいたい」という攻めの広報を行う企業や団体の方は、上記の理由から、金曜日にプレスリリースすることは基本、避けた方が良いです。

 

土曜、日曜

 「土曜や日曜は休みだからプレスリリースすべきでない」とハナから考える企業の人はとても多いです。

しかし、それは思い込みです!

確かに、経済系や官庁系の記者は取材対象の営業日に合わせて休みます。

しかし、テレビや新聞の報道機関の記者は、全員が週末に休むわけではありません。

報道機関は、毎日ニュースを報道しています。だから必ず誰かしら、週末も出勤しているのです。

少なくとも、社会部系や地方支局の記者は週末も出勤しています。

週末は、届くプレスリリースが激減します。これに対して、会社に出勤している記者は、比較的のんびり仕事ができます。

つまり余裕があるので、意外とプレスリリースをじっくり読んでくれることもあります。

そういう意味では、実は狙い目です。

私も記者時代、土日の出勤が嫌いではありませんでした。

世の中が平穏な日が多く、のんびり仕事ができたからです。

「ヒマだな〜、あれプレスリリースが来た。読んでみるか〜」

ということは、よくありました。

ただ、メールで送られるプレスリリースは別です。

メディアの代表アドレスに届くものが大半で、平日はチェックしてもらえても、週末はスルーされることが多いです。

なお、プレスリリース配信サービスを通じてメディアに届くリリースは、大半がメールです。

 

 

プレスリリース配信におすすめの「時間帯」の選び方

毎日、締め切りがある新聞・テレビ(あるいはラジオ)は、時間帯を考慮する必要があります。

 

午前9〜10時

 まだ比較的落ち着いている時間帯です。今日のニュース出稿計画を立てています。この時間なら、比較的プレスリリースに目を通す余裕があります。

 

午前11〜12時

 夕刊のある新聞は夕刊の編集作業。テレビは、お昼のニュースに向けて忙しさはピークです。よほど急ぎでない限り、プレスリリースするのは避けた方が無難です。

 

正午〜午後1時

 民放は正午前にニュースは終わります。しかしNHKニュースが正午から始まり、新聞テレビ各社の記者はニュースを見ます。また、新聞は夕刊作業のピーク時間帯です。プレスリリースは避けた方が良い時間帯です。

 

午後1時〜2時

 テレビ新聞の各社は、ひと通り締め切りを乗り越え、ほっとする時間帯です。狙い目とも言えますが、ランチで会社外に出ることも多く、微妙ですね。

 

午後3時〜4時

 ランチも終え、また夕方以降のニュース出稿作業まで時間があります。1日の中で最もプレスリリースを送るのにおすすめの時間帯です。

 

午後5時以降

 テレビなら夕方・夜のニュース。新聞なら翌日朝刊の作業に入り、忙しさが増していきます。その意味では避けた方が良いと言えます。

 ただ、新聞社にとって仕事のピークは午後9〜10時。午後7時8時なら、「まだ早い時間帯」という感覚があります。

 この時間には、多くの企業も時間外となるため、届くプレスリリースがかなり減ります。その意味では穴場の時間帯、と言えるかもしれません。

 

・・・

ここまで、新聞テレビの報道向けに、プレスリリース配信おすすめの「時間帯」の選び方について紹介してきました。

ただ、締め切りが月1回しかない雑誌などは、時間帯をそこまで気にする必要はないでしょう。

 

1年でプレスリリースが採用されやすい「時期」は?

年末年始

多くの企業が休むこの時期も、新聞テレビの記者は仕事をしています。プレスリリースは激減する一方、記者にはわりと余裕があります。だからこの時期にプレスリリースすると、意外とじっくり読まれることがあります。

 

1〜2月

1月中旬くらいまでお正月ムードでそれに伴うイベント等は続きます。しかし、それ以降2月にかけては世間の動きも鈍くなり、ニュースのネタが少なくなります。だからプレスリリースのチャンスと言えます。

 

3月

年度末、3月の記者はとても慌ただしいです。各種人事や、ルール・制度の変更への対応、さらには自社の人事異動も絡みます。3月中旬以降はプレスリリースを避けたいです。

 

4月

新年度がスタート。新入学や新社会人の話題や、花見などニュースやイベントが増えます。少なくとも4月上旬までは、できればプレスリリースは控えたほうが賢明です。

 

ゴールデンウイーク

企業が休みに入り、プレスリリースは激減します。しかし、年末年始と同じく記者たちは誰かしら出勤しています。記者はわりと余裕があるので、実はプレスリリースがじっくり読まれやすい時期でもあります。

 

5月(GW後)〜7月中旬

気候的に穏やかで、世間も落ち着きを取り戻します。プレスリリースの数は安定的に推移しますが、この時期は特に気にせずに自社のタイミングでプレスリリースすれば良いでしょう。

 

7月下旬〜8月

記者たちも交代で夏休みを取り始めます。また、地方の新聞は、高校野球の報道に多くの紙面が割かれます。つまり、一般ニュースの割合が減り、載りにくくなります。

とはいえ、届くプレスリリース数も減少傾向。お盆時期は記者も余裕があります。出せるタイミングでプレスリリースを出して良いです。

 

9〜11月

気候的に1年で最も過ごしやすく、秋のお祭りなどイベントも多くなります。届くプレスリリース数は安定して推移しますが、大きな事件さえなければ、記者たちは少し余裕があります。出せるタイミングでプレスリリースしましょう。

 

12月

1年で最も忙しい時期の一つです。というのも、記者たちは新年の紙面・番組に向けて、企画や取材に追われるからです。また、年末年始の休みを交代で取るために、穴埋め用の原稿も用意しなければなりません。緊急性の高いニュース性のあるプレスリリース以外は、避けるのが無難です。

 

記者の立場から:プレスリリースのタイミングについて

プレスリリースを送る側の方は、タイミングを非常に気にされますが…

受け取る記者としては、常識的な時間・時期に送っていただければ、まったく関係ありません!

重要なのは、タイミングではなく「プレスリリースの中身=ニュース価値」です。

ニュース価値のある内容であれば、いつ送ってこられても、あなたの元に記者は取材に駆けつけます。

「プレスリリースが届いたタイミングが悪かったから、取材できませんでしたー」

などという記者は、単なる無能の極みです。

そのように、人のせいにする記者は、プロの記者ではありません。

スマホをぼーっとみている消費者向けの宣伝チラシであれば、タイミングは意味があるでしょう。

広告を配信するタイミングによって売れる・売れないの差がつくはずです。

しかし、記者は、情報屋=情報のプロです。

あらゆる情報にアンテナを立てて、価値のある情報を真剣にキャッチしようと努めている人たちです。

繰り返しますが、

取材される・されない、を分けるのは、タイミングではありません。

プレスリリースの中身そのもの=ニュース価値があるかどうか?です。

 

まとめ:タイミングを気にしすぎる必要なし!

色々とプレスリリースのタイミングについて紹介してきました。

とはいえ、最初にもお伝えした通り、「このタイミングがベスト!」という絶対法則はありません。

例えば、記者たちが忙しい午前11時ごろにプレスリリースを送ったとします。

しかし、もしこの発表に“極めて高いニュース価値”があれば、記者は他の仕事をほっぽり出して取材を始めます。

僕も新聞記者時代、数え切れないほどこういうことがありました。

だから、細々したタイミングを気にしてもあまり意味がありません。一番大事なのは「ニュース価値」です。

あなたのプレスリリースにニュース価値がありさえすれば、タイミングに関係なく、記者たちは取材してくれます。

だから、ニュース価値を一番に考え抜いて、プレスリリースに取り組んでくださいね!

 

プレスリリースの全体像についてはこちらご参考ください。

●プレスリリース大全!作成〜配信〜戦略まで全20記事まとめ

 



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