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記者が教える広報PRの方法

広報PR情報No.1サイト 元読売新聞記者 坂本宗之祐

広報PR戦略プランの立て方!世の中を巻き込む情報発信の9ステップ


このところ、「広報PR戦略」が注目を集めています。

誰でもSNSを通じて自由に発信できる時代になったものの、虚偽やデマ、誹謗中傷が目立つようになっています。

そうした中、広報PRで「ビジネスの信頼性や知名度を高めよう」と考える人が増えているのです。

広報PR戦略を正しく立てることで…

・社会的な信頼が一気に高まる

・取材・掲載によって多くの人に知られる

・潜在顧客に自然にリーチできる

といった効果が見込めます。

私は読売新聞の記者として11年、Yahoo!ニュースに記事を書く記者として2年活動。

その後、電通PRのコンサルタントを経て、今は全国で広報指導をしています。

この記事では、初心者でも実践できる「広報PR戦略の立て方」を、9つのステップで丁寧に解説します。

こちらの動画でも分かりやすく説明していますのでご覧ください。

 

(※この記事は、2019年1月23日に公開しましたが、2025年6月19日にリライトして再アップしました)

ステップ0:ゴール設定とKPIの決め方

広報PR戦略を立てる際、意外と見落とされがちなのが「目的の明確化」です。

◆なぜ発信するのか?目的を明確にする

たとえば、以下のように目的は様々です。

・新サービスの認知拡大

・業界での専門家ポジションの確立

・地元地域からの信頼獲得

・求人活動のサポート …など

このように目的によって発信すべき内容も、選ぶメディアも変わってきます。

 

◆ ゴール設定とKPIを数値で明文化

そして、効果を測定するためには、定量的な目標(KPI)も必要です。

 

目的 ゴール(KGI) KPI(目標数値)
サービスの認知 取材掲載を5件獲得 プレスリリース送付数20件、電話アプローチ10回
信頼の獲得 公式HP訪問数を月2,000に メディア露出からの流入数

 

こうした目標を数字で最初に定めておくことで、「やったけど効果がわからない」という失敗を防ぐことができます。

 

ステップ1:自社をジャーナリスティックに分析する

広報PR戦略を立てるうえで、最初にやるべき最重要ステップが「ジャーナリスティックな視点で自社を分析すること」です。

これができている企業はほとんどないので、やった会社は大きくリードできます。

 

◆ メディアが求めるのは「社会の役に立つ情報」

記者や編集者は日々、「読者にとって有益か?」という観点で情報を選んでいます。

だから、自社の利益や宣伝ばかりの情報では、彼らの心には響きません。

つまり、あなたの会社が「社会の中でどのように役に立つのか?」という文脈の中で捉えなおす必要があるのです。

ほとんどの企業・広報担当者には、「ジャーナリスティック」なマインドと視点が欠けています。

広告と同じ感覚で、広報をやろうとすると100%失敗します。

メディアに取り上げてもらいたいなら、メディアのニーズに寄り添う必要があります。

記者・編集者が求めているのは、一言で言えば「社会の役に立つ情報」です。

だから、あなたの会社を取り上げてもらいたいなら、社会性のある要素を徹底的に洗い出すこと。

自社目線からではなく、メディア目線から逆算して、自社の情報を整理しましょう。

次の(1)(2)に取り組んでみてください。

 

(1)自社の存在意義を言語化する

まず問いかけてみてください。

• 私たちは何のためにこの事業をしているのか?

• どんな社会課題を解決したいのか?

• どんな未来を実現したいのか?

このような問いから出てくる「理念」や「志」が、記者にとっての“取材する理由”になります。

💡【記者に響くキーワード例】

• 「地域課題に取り組む〇〇」

• 「孤立した高齢者を支援する〇〇」

• 「教育格差の解消を目指す〇〇」

単なる金儲けではなく、「公共性」「社会性」を伴う動機を明確にしましょう!

 

(2)特異性のある事業コンセプトを固める

次に、自社の活動に独自性や切り口の新しさがあるか?を確認します。

例えば、「飲食店」「塾」「整体院」といった業種は世の中にあふれていますが、

• 「子育てママ限定・9時〜14時営業の飲食店」

• 「不登校経験のある講師が教える塾」

• 「LGBT専用のメンタルケア整体院」

・・・といったように、一言で言える特異性があると、ニュース価値は格段に上がります。

💡コンセプトづくりのチェックポイント

• 誰のために?

• どんなメリットを?

• どのような方法で?

これらの問いに答えることで、あなたの事業のニュース性が見えてきます。

コンセプトの設定は極めて重要です。この記事を参考にしてください。

記者がプレスリリースを取材するかどうか?を決める決定的なポイント  

 

コンセプトとは、平たく言えば「誰のために、どんなメリットを提供するのか?」という一文で表現できます。

社会性があり、なおかつ記者の取材意欲を掻き立てるような「キラーコンセプト」を、最初の段階で構築しましょう!

初期段階でこれができていれば、その後の広報活動ははるかに展開しやすくなります。

ここまで説明してきたように、

1 会社としての「理念、志」

2 ユニークな事業コンセプト

この2つが最初の段階で固まっていれば、あなたのビジネスの広報活動は、はるかに進めやすくなります。

 


🔍 このステップでやることまとめ

✔️ 社会性(存在意義)を明文化する

✔️ 特異性のある事業コンセプトを言語化する

✔️ 記者目線で「これは人に伝えたい」と思える要素を洗い出す

 

ステップ2:情報発信の基盤を整える(企画出し)

「理念」や「コンセプト」が明確になったら、次はそれをもとに広報企画を立てていきましょう。ここでのキーワードは「数」と「習慣化」です。

◆ 企画は“数”が勝負を分ける

プレスリリースは一発勝負ではありません。むしろ、広報活動の成果はどれだけ企画を出し続けられるかにかかっています。

たとえば、ある有名企業はまだ無名だった頃から、年間90本ものリリースを出し続けていたという事例があります。

これほどの「発信量」が、最終的にメディア露出の“質”にもつながっていくのです。

◆ 企画出しを習慣にする「ネタ出し会議」

以下のように、企画はルーチンとして捉え、継続的に出し続けましょう。

🔹おすすめのネタ出し手法

• 週1回・固定曜日に企画タイムを設ける

• 複数人で行う(ブレスト効果)

• 社会性・季節性・時代性などの「切り口」で考える

• PRカレンダーやGoogleトレンドを活用

💡アイデア出しは「質より量」!最初は“くだらない”と思っても書き出すことが大切です。

◆ ニュースの構造を意識したネタ作り

広報ネタは「社会性 × 特異性」の掛け合わせで考えるのが基本です。

社会性

特異性

少子化

子育て×シニア交流

高齢者と子どもが共に過ごす託児所

働き方改革

女性起業家支援

子育て中の女性限定ビジネスコンテスト

 

このように、自社の活動が社会的文脈にどう結びつくかを意識して企画しましょう。


🔍 このステップでやることまとめ

  • 企画を「数」と「習慣」で出す体制をつくる

  • 社会の動きと自社の活動をつなげて考える

  • ニュース性のある“切り口”を見つけて育てる

 

ステップ3:プレスリリース作成のポイント

企画ができたら、いよいよプレスリリースの作成に入ります。しかしここで注意が必要です。

◆ プレスリリースは「宣伝」ではない

よくある失敗例が「商品紹介」や「サービスの宣伝」になってしまうことです。

記者が読みたいのはニュースであり、社会性のある情報です。

そのため、まず「読み手=記者」の視点に立って、次のような基本構造を意識して作成しましょう。

◆ プレスリリースの基本構成(A4・1〜2枚程度)

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1.タイトル:目を引くワードを含め、ニュース性を示す

2.サブタイトル:内容を具体的に伝える補足説明

3.リード文(導入):社会背景や問題提起

4.本文①(企画や活動の概要)

5.本文②(誰が、なぜやるのか/ストーリー)

6.本文③(展望・効果・今後の予定など)

7.会社情報・問い合わせ先

 

◆ 記者が求める「8つの要素」

プレスリリースの内容には、以下のような要素を盛り込みましょう。

•社会性があるか?

•タイトルだけで意味が通じるか?

•新しさ・珍しさがあるか?

•客観性があるか?

•具体的か?

•想いが込められているか?

•売り込みになっていないか?

•誰にでも理解できるか?

これらをチェックリストとして活用すると、記者に届きやすいプレスリリースになります。

 

◆ 「ストーリー」を盛り込むと一気に深みが出る

単なる事実の羅列ではなく、あなた自身の背景や想いを含めた“物語性”があると、記者の心に響きやすくなります。

💡たとえば:

•なぜこの活動を始めたのか?

•どんな課題と向き合ってきたのか?

•どんな未来を描いているのか?

こうした背景を文章の中に織り交ぜることで、読み手に「共感」をもたらし、取材への一歩につながります。

プレスリリースの書き方については、この記事で詳しく説明しているので参考にしてくださください。

 


🔍 このステップでやることまとめ

✔️ プレスリリースは“ニュース”として書く

✔️ タイトル+サブタイトルで「記者の関心」をつかむ

✔️ 社会性とストーリー性を兼ね備えた構成にする

 

ステップ4:自社メディア(オウンドメディア)整備術

プレスリリースと並行して欠かせないのが、自社メディア(ホームページやブログなど)の整備です。

これは単なる「広報の補助資料」ではなく、メディア露出の成否を左右する重要な要素です。

◆ なぜ「自社メディア整備」が必要なのか?

理由は大きく3つあります。

(1)記者の情報収集スタイルが変化している

今や記者やディレクターたちは、ネットで取材候補を検索する時代です。

というのも、最近は質の低いプレスリリースが多数、メディアに届いています。

だから、メディアの記者・ディレクターたちはプレスリリースをあまり読まなくなり、ウェブ検索で情報収集するようになっているのです。

だから、あなたの会社がウェブ上に質の高い情報を発信していくことは、もはや不可欠といって良いでしょう。

記者がプレスリリースを読んだ時も、取材するかどうか判断に迷ったときは必ず「社名」などで検索をかけ、周辺情報を収集します。

その際、信頼できる情報がなければ取材は見送られることもあります。

逆に、優れた情報コンテンツがウェブで公開されていれば、メディアの記者・ディレクターに「この企業はこの分野のプロフェッショナルだ」と考えます。

その結果、ウェブ経由で取材が勝手に来るようになるのです。

 

(2)記者の「安心感」を支える補完メディア

プレスリリースは基本的にA4で1〜2枚。それだけでは伝えきれない情報を、自社メディアで補うことができます。

  • 経営者の顔写真・プロフィール

  • 過去の実績や活動レポート

  • 社会的評価(受賞歴、掲載歴など)

これらを整えておくことで、記者にとっても「信頼できる企業」「裏が取れる取材先」として安心感を与えられる材料になります。

オウンドメディアは、ジャーナリスティックな視点を持つ担当者がいる会社ほどうまくいきます。

なぜなら、客観的な視点で読者に有用な記事を徹底して追求することで、読者に対して高い信頼性を与えることができるからです。

 

(3)パブリシティ(掲載・放送)後の「受け皿」になる

もし首尾よく取材され、大手メディアで取り上げられた時の状況を想像してください。

記事や番組を見た人々が、あなたの会社を知り、興味を抱いたら、どういう行動をとるでしょうか?

そう。ほぼ間違いなくスマートフォンに手を伸ばし、すぐさま検索をかけてあなたの会社を調べ始めます。

この絶好の機会を逃してはいけません。彼らをあなたの会社の見込み客にしていくために、「受け皿」を用意しておくべきです。

もし、せっかくメディアで大きく取り上げられたにもかかわらず、受け皿となる自社メディアが貧弱だったら非常にもったいないことになります。

大量のアクセスがサイトに押し寄せているのに、それらの流れはザルのように流れ、露出効果は一発の打ち上げ花火で終わってしまいます。

だから、メディア露出の前に、大量のアクセスを逃さない受け皿となるサイトの同線を整備しておくことはぜひやっておいてください。

特に、メールアドレスを取得できるランディンページ(LP)を用意しておきたいです。

 

◆ 自社メディアに載せるべき3大要素

カテゴリ

内容

備考

信頼性

顔写真、経歴、理念、活動実績

匿名性・不透明感はNG

社会性

解決したい課題、社会との接点

「世の中とどう関わっているか?」を示す

専門性

ブログ記事、Q&A、専門情報

業界の専門家として記者に見せる武器になる

 

特にブログ記事は、記者が「その人が何を考え、どういう言葉を使う人か?」を知るのに役立ちます。

 


🔍 このステップでやることまとめ

✔️ ホームページやLPを整備し、記者の不安をなくす

✔️ 発信内容は「理念・社会性・信頼性」を意識する

✔️ プレスリリースと自社メディアは一体で考える

 

(参考)検索上位になる方法。広告なしでビジネスが加速&安定する最強メソッド

 

 

ステップ5:メディアリストの構築方法

いくら良いプレスリリースを用意しても、届ける相手が間違っていれば、記者の目には止まりません。「誰に届けるか」は、広報戦略の要です。

このステップでは、自社に最適な「送り先=メディアリスト」の作り方をご紹介します。

 

◆ 配信代行に頼らず、自分でリストを作る意味

プレスリリース配信サービスを使えば、数百社に一斉に送れますが、以下のようなデメリットがあります:

  • 誰に届いたかわからない(反応が見えない)

  • 宣伝まがいの情報が大量に送られているため埋もれる

  • 記者の印象を損ねるリスク(雑な情報提供と思われる)

 

一方、自社でリストを構築し、選定した記者へ名指しで送ると、

  • 内容にマッチした媒体へ的確に届く

  • 個別対応がしやすく、関係構築につながる

  • 「ちゃんと読んでくれてる」と記者に感じさせる

といった、信頼獲得の第一歩を踏み出せます。

 

◆ メディアリストの作り方:実践編

(1)「広報ハンドブック」で基礎データを集める

マスコミの連絡先一覧が載っている本が、書店やアマゾンで購入できます。

広報マスコミハンドブック

これを一冊買って、手元に置いておきましょう。

これらには、テレビ局、新聞社、雑誌、その他諸々のメディアの住所、電話番号といった情報が網羅されています。

 

(2)送り先の媒体を「読み込む」

広報マスコミ・ハンドブックを見ながら、自社とマッチしそうな媒体をピックアップしていきます。

狙うメディアは読み込み、内容をリサーチしましょう。メディアごとの読者層・視聴者層もつかんでおきたいです。

そして、読者・視聴者が「どういう情報を求めているか?」を考え、仮説を立てます。

そこから逆算して、「わが社はどういう情報を提供すれば良いか?」を検討するのです。

たとえば、

  • 新聞 → 地方紙 or 全国紙?生活面 or 経済面?

  • テレビ → 朝の情報番組 or 報道番組?

  • 雑誌 → 読者層(主婦/経営者/高齢者など)?

こうした送り先によって、求められる情報は大きく異なります。

送り先の媒体を読まずに送るのは、「読者を知らないで商品を売る営業」と同じです。

この「メディアリスト」は、自社で地道にこつこつ構築していくことで、やがて大きな財産となります。

その方が長い目で見て確実に成果が出る上、コストもはるかに抑えられます。

プレスリリースの送り方は、こちらの記事で詳しく説明しています。

 

(3)「このメディアに合う」と思える理由を明文化

送り先リストに「送付理由・狙い・切り口」をメモしておくと、後の電話や訪問時のトークにも使えます。

 


🔍 このステップでやることまとめ

✔️ メディア配信を“量”より“質”で考える

✔️ 媒体研究→選定→理由づけを丁寧に行う

✔️ 自社でメディアリストを育てると財産になる

 

ステップ6:アプローチの実践術(郵送・電話・訪問)

プレスリリースは「送って終わり」ではありません。記者との接点を持ち、信頼関係を築くためには、その後のアプローチがとても大事です。

 

◆ メディア接触の基本3手段

広報活動においては、以下の3つの方法でメディアと接点を持ちます。

方法

メリット

注意点

郵送

正式な資料として丁寧な印象

タイトルで興味を持たせることが重要

電話

相手の反応を直接聞ける

タイミングとトークの簡潔さが鍵

訪問

人間関係が深まりやすい

記者の業務時間を尊重する

 

それぞれ単独で使うより、組み合わせることで効果が高まります。

 

 

◆ 電話でのアプローチ術

電話は最も記者と直接つながれる手段の一つ。失礼なく、かつ確実に話を進めるために、以下のポイントを押さえましょう。

🔹電話のベストタイミング

  • オンエア5時間前から遡った4時間がベスト

    • 例:18時放送 → 9〜13時に電話

※早朝の情報番組などは例外で、16〜18時が狙い目です。

 

🔹電話の流れ(テレビ局向けの例)

  1. 代表番号に電話 →「〇〇番組の制作担当の方をお願いします」

  2. ディレクターにつないでもらう

  3. 簡潔に名乗り、用件を伝える

    • 「お世話になります。〇〇を運営している△△と申します」

    • 「実は今度、□□という活動を開始しまして、御社の〇〇番組でぜひご紹介いただけないかと思い…」

  4. 会って話せる時間をもらえないかお願いする

    • 「10分でも結構ですので、ぜひ一度ご挨拶の機会をいただけませんか?」

※言葉は丁寧に、テンポ良く、手短にが鉄則です。

 

◆ ファーストコンタクトの印象が命

記者にとって「最初の印象」は極めて重要です。

  • 雑な対応

  • 押し売り的な話し方

  • 宣伝丸出しの内容

こういった印象を持たれると、その後のチャンスはほぼゼロです。

だからこそ、事前の準備(相手の番組や記事の傾向を把握)をして、共通点や社会的意義を伝える言葉を用意しておきましょう。

 


🔍 このステップでやることまとめ

  • 郵送・電話・訪問を使い分けて関係を築く

  • 電話は事前準備とタイミングが鍵

  • 第一印象で「信頼できる人」と思われる行動を

 

ステップ7:取材当日の心構え

プレスリリースを送り、記者との連絡が取れ、ついに取材が決まった――。これは広報活動の一つの大きな成果です。

しかし、ここで気を緩めず、当日をどう迎えるかがその後を左右します。

 

◆ 取材が決まった時点で、あなたは“選ばれている”

まず覚えておいてほしいのは、

・取材が決まった時点で、すでに一定の信頼とニュース価値が認められている

という事実です。

記者は限られた時間の中で取材先を選びます。

その中であなたを選んだということは、すでに期待を寄せている証拠。過度な心配や準備は不要です。

 

◆ 「想定問答」よりも、自分の言葉を

よくある誤解が、「何を聞かれるか不安だから」と想定問答を作りこむことですが、これはあまりおすすめしません。

記者が求めるのは、“生きた言葉”です。用意されたセリフではなく、あなたの想いや熱量がにじみ出る、正直で自然な語り口が好まれます。

💡記者の本音:

「棒読みの答えは印象が薄い」

「会話の中で生まれる“本音”に価値がある」

 

◆ ウソや誇張は絶対NG

記者が最も嫌うのは「ウソ」「ごまかし」「隠しごと」です。

なぜなら、取材内容がそのまま社会に公開されるため、万が一、誤報となれば記者自身の信用にも大きなダメージを与えるからです。

🔺些細なことでも、事実と異なる発言が後で発覚すれば…

→ 二度とその企業を取材しない(記者の鉄則)

自信がない内容や分からないことは、正直に「調べて後ほどご連絡します」でOKです。

 

◆ リラックスして、等身大で語る

記者は「プロの聞き手」です。あなたが緊張していても、自然に話を引き出してくれます。

  • 落ち着いた服装

  • 飾らない言葉

  • 社会への想い

  • なぜその活動をしているのか

これらを等身大で語ることで、より取材が深まり、掲載内容も濃くなります。

 


🔍 このステップでやることまとめ

  • 取材が決まった時点で“選ばれている”ことを自覚する

  • 想定問答よりも、自然体で語る準備を

  • 記者には誠実・正直な対応を心がける

 

ステップ8:取材・掲載後のフォローアップ

取材を受け、無事に記事や番組が公開された――。

この瞬間は、広報活動の成果として非常に喜ばしいものです。

ですが、ここで終わらせてしまってはもったいない。「その後の対応」こそが、次につながるカギになります。

 

◆ 取材してくれた記者への「お礼」が基本

まず、掲載後には必ず感謝の気持ちを伝えることが大切です。

  • 理想は「手書きの手紙」

  • 難しければ「お礼メール」や「電話」でもOK

💡ポイント:

忙しい記者だからこそ、一言の感謝が心に残る

記者は「自分の記事が相手にどう受け止められたか」をとても気にしています。

お礼を言われないと、「不満だったのかな…」と不安になることもあるのです。

 

◆ 記事の「反響」を共有する

もし可能であれば、実際にあった反響を伝えると、記者はとても喜びます。

例:

  • 「番組を見た方から〇〇件のお問い合わせがありました」

  • 「記事を読んだ方が新たに協力を申し出てくれました」

このように、報道が社会に与えたインパクトを伝えることで、記者は「意義のある仕事ができた」と満足感を覚え、あなたとの信頼関係はいっそう深まります。

 

◆ メディアとの関係性を「育てる」

記者とのつながりは、「その場限り」ではなく、長期的な関係構築を目指しましょう。

  • 年に1〜2回、近況報告のメールを送る

  • 新しい取り組みがあれば改めて連絡する

  • 取材のお礼を機に、次の企画を提案してみる

一度取材してくれた記者は、あなたの活動をすでに理解している“心強い応援者”です。

関係性を丁寧に育てることで、継続的な露出にもつながります。

 


🔍 このステップでやることまとめ

  • 記者には「感謝の言葉」を伝える(手紙・メール・電話)

  • 記事の「反響」を共有して信頼を深める

  • メディアとは“一度きり”ではなく長期視点で関係を育てる

 

ステップ9:広報活動の効果検証と改善

広報・PRは「一度きりの勝負」ではありません。

むしろ、継続的に改善を重ねることで成果を積み上げていく活動です。

このステップでは、プレスリリースや取材活動の「振り返り方」と「改善の考え方」をお伝えします。

 

◆ 「結果」はすぐに出なくて当たり前

取材が来なかったり、反応が少なかったりすると「失敗だったのでは…」と感じるかもしれません。

でも、記者は届いたプレスリリースの多くに目を通しています

その時に取材オファーをしなくても、「記憶に残っている」というだけで次回の取材につながることは多々あります。

広報は“種まき”です。すぐに芽が出なくても、地道に続けることで、確実に認知が積み重なります。

 

◆ リリースごとに「効果」を記録する

以下のような観点で、リリースごとの反応を記録しておくと、次回への改善に役立ちます。

チェック項目

内容

送付先

どのメディアに送ったか?(媒体名・部署)

発信内容

どのようなタイトル・企画だったか?

反応

問い合わせの有無、記者からの電話、掲載有無など

時期

発信時の社会情勢や季節性など

 

💡分析のポイント:

  • 「なぜ反応があったのか?」

  • 「どこが足りなかったのか?」

  • 「もう少しメディアに寄せられなかったか?」

 

◆ 外的要因も考慮する

たとえ内容が良くても、社会的に大きな事件や話題が発生すれば、記者はそちらの取材が優先になります。

だから、どんなに良いネタを提供できたとしても、そんな時は取材・掲載してもらえないことは広報活動においてよくあることです。

逆に、メディア側で取材ネタが枯渇している時は、「イマイチかな?」と自信のなかったプレスリリースでも取材が来ることもあります。

そうしたメディア側の状況は、こちらではコントロールできません。

だからこそ、目先の結果に一喜一憂せず、自らやれることにフォーカスし、日々コツコツ改善を繰り返していくことが大事なのです。

 

◆ 改善の基本は「社会性×具体性×誠実さ」

反応がなかった場合、次のような点を見直してみましょう。

  • 「社会性」に乏しくなかったか?

  • 「抽象的な言葉」が多くなかったか?

  • 「記者目線」で構成されていたか?

  • 「小手先のテクニック」に頼っていなかったか?

改善の基本は、“誠実に、社会に向けて発信しているか?”という姿勢の確認です。

 


🔍 このステップでやることまとめ

  • 広報活動は「継続と改善」が命

  • リリースごとに記録を残し、反応を振り返る

  • 社会性・具体性・誠実さの視点で再設計する

 

まとめ:ジャーナリスティック思考×継続が広報の鍵

ここまでを振り返ると

1 自社を社会的(ジャーナリスティック)な観点から分析する

2 広報企画の立案

3 プレスリリースの作成

4 自社メディアの整備

5 送り先のメディアリストの選び方

6 メディアへのアプローチの実践(郵送、電話、訪問)

7 取材当日の心構え

8 取材・掲載後のフォロー

9 効果の検証、改善点の洗い出し

 

広報戦略を成功させるには、根本的な「あり方」が極めて重要です。

人に貢献する、社会に役立つ、というスタンスがあるかどうか?

ジャーナリスティックな観点からの情報発信ができているかどうか?

これがないまま、小手先テクニックに走るほど、メディアからの評価は下がります。

まずは、活動の理念をきちんと持ち、それを言語化してください。

それから、記者やディレクター、編集者らと直接、話をする機会を持つよう努めましょう。

彼らは情報と人間の目利きです。直接、話をすれば、本気の想いは汲み取ってくれます。

彼らとの接点を増やし、間合いを詰めていってください。

そうやって、あなたの持つ情報を必要とする人たちに、あなたの情報を届けていってください。

あなたの広報活動を応援しています。

 

なお、以下の記事で広報戦略づくりに有効なフレームワークを詳しく説明しています。

・広報戦略8つの手順と3フレームワーク。戦略立案から実行、測定まで徹底解説

 

 

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・全国のテレビ局(185)
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