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記者が教える広報PRの方法

世界最大メディア出身 No. 1 コンサルタント 坂本宗之祐

プレスリリース成功の全体像 作成から配信まで9つの手順


 

「どうしたら世の中に情報を広めていけるのか?」

あなたもきっと日夜、こうした悩みに頭を抱えていることだろう。

実は、世の中には新聞やテレビのニュースになり得る素材が数多く埋もれている。

というのも、多くの企業は正しい情報発信をできていない。であるが故に、マスメディアにニュース価値を気づいてもらえていない。そういうケースが非常に多い。

マスメディアに情報を知らせる方法に「プレスリリース」がある。しかし、多くの企業がこれを正しく活用できず、取材の獲得に至っていない。

この記事では、プレスリリースを成功させる方法として、作成から配信まで一連の流れを9つに分けてお伝えする。

いわば、プレスリリースを用いたメディア戦略の全体像といえる。

どうしても、プレスリリースを単体で考える方が大半を占める。しかし、樹木でいえば、プレスリリースそのものは枝葉の部分に過ぎない。

一本の樹木をイメージしていただきたい。プレスリリースという枝葉を豊かに茂らせるには、それを支える木の幹、根っこの部分がとても重要だ。

なぜなら、私は全国紙の新聞記者として11年、Yahoo!ニュースに記事提供する記者として2年、数万通に及ぶプレスリリースをチェックしてきた。

その際に見抜こうと努めていたのは、プレスリリースの表面的な部分ではなく、当事者の幹や土台の部分だったからだ。

 

それでは、全体像を見ていこう。

1 自社をジャーナリスティックな観点から分析する

メディア広報を本質的に成功させたい、と考えるのなら、いきなりプレスリリース作成にかかってはいけない。

「自社が宣伝したいことありき」でプレスリリースを作成し、撃沈する企業を数え切れないほど見てきた。

なぜなら、そこには自社利益の追求という意図が強くにじみ出ており、メディアが報じる社会性が欠落しているからだ。

そうしたプレスリリースを何度も送り、「迷惑業者」の烙印を押されている会社は少なくない。

ニュース素材の選択権はメディア側にある。そこで受け入れられたいなら、マスメディアのニーズに寄り添う必要がある。

マスコミの記者が求めているのは、一言で言えば「社会の役に立つ情報」だ。

だから、あなたの会社を取り上げてもらいたいなら、社会性のある要素を徹底的に洗い出し、「社会の役に立つ」「社会に貢献する」というスタンスを打ち出すことが欠かせない。

ほとんどの企業のプレスリリースには、社会性やジャーナリスティックな視点が欠けている。

だから、マスメディアを通じて世の中に情報を広めていきたいのなら、まず最初にやるべきことは、自らの事業の社会性を客観的に見つめて、それを明らかにすることだ。

そして根っこが固まったら、次に事業コンセプトを定めていく。

会社としての理念を体現するために、具体的にどういうコンセプトで事業に取り組んでいるのか?を端的に語るものだ。

このコンセプト設定に特異性がなければ、ニュースとして情報流通のルートに乗っていくのはかなり難しくなる。

というのも、例えば、

・勉強を教える学習塾

・野菜を売る八百屋

これでは、「当たり前」過ぎて、マスメディアのニュースで取り上げてもらうには、かなりの苦労を要する。

マスメディアがニュースとして取り上げる企業活動には、基本的に次の2点が欲しい。

1 社会の役に立つ

2 今までにない活動

コンセプトの設定は極めて重要だ。この記事を参考にして欲しい。

記者がプレスリリースを取材するかどうか?を分ける決定的なポイント – 経営者・個人事業主に役立つPRの方法記者がプレスリリースを取材するかどうか?を決める決定的なポイント  

 

コンセプトとは、平たく言えば「誰のために、どんなメリットを提供するのか?」ということになる。

社会性があり、なおかつ記者の取材意欲を掻き立てるような「キラーコンセプト」を、最初の段階で構築しておきたい。

初期段階でこれができていれば、その後の広報活動はぐっと展開しやすくなる。

 

2 広報企画の立案

こうして、社会的意義とキラーコンセプトを固めた上で、やっと発信していく具体的ネタづくりに入っていく。

プレスリリースを一発勝負で成功させようというのは、無理な相談だ。一枚の葉っぱしかない樹木が、まったく目立たないのと同様の理屈だ。

じっくりと葉を茂らせていく、地道な取り組みをやる覚悟が必要となる。つまり、プレスリリースは、長い目でコツコツ続けていく活動だと考えてほしい。

そのために、企画の「数」がどうしても必要になってくる。

現在、日本中で誰もが知る某有名ネット企業は、わずか10数年前は社員20人程のベンチャー企業だった。

その頃から、年間90本のプレスリリースを出していたという。東証一部の大企業となった今でも、年間150本のリリースを発信している。

それだけの数のプレスリリースを可能にしているのが、「企画の数」出しまくる努力と工夫だ。

 

3 プレスリリースの作成

企画ができたら、やっとプレスリリースの作成に入る。サイズはA4で、基本構造は下記の通り。

スクリーンショット 2016-08-02 15.45.34ただ、これまでのお話をお読みいただき、

・プレスリリースだけにフォーカスするのは間違いである

ということを、多少なりともご理解いただけたことだろう。

小手先の言葉選び、テクニックで騙されるほど、マスメディアの記者たちは甘い人種ではない。

情報について、一般に思われているよりもはるかに厳しい目を持っている。彼らは情報と人間の目利きだ。

プレスリリースは、SEOのようなコンピューター相手とは全く違う。また、就職試験、オーディションのような一発勝負とも異なる。

メディアPRは、本質的に「小手先で攻略できる」ものでははない。

ライティングのノウハウとは、きちんとした土台があった上での話だ。

プレスリリースの書き方については、この記事で詳しく説明している。

 

4 自社メディアの整備

プレスリリースと並行して必ずやるべきことがある。それは、ブログやホームページなど、自社メディアを整えておく、ということだ。

その理由は3つある。

(1)マスメディア記者らの情報収集習慣の変化

(2)記者・ディレクターの取材決断の後押し

(3)パブリシティ効果による売上の最大化

 

一つずつ見ていこう。

(1)マスメディア記者らの情報収集習慣の変化

まず1つ目。最近はニュース性の低いプレスリリースが多数、マスメディアに送られるようになっている。

こうしたこともあり、マスメディアの記者・ディレクターたちの情報収集の主戦場は、ウェブ空間に移りつつあるからだ。

つまり、多くの新聞テレビの記者やディレクターは、ウェブ上で情報の収集・ネタ探しを行なっている。

だから、あなたの会社がウェブ上に質の高い情報を蓄積していくことは、大きなメリットにつながる。

マスメディアの記者・ディレクターに「この企業はこの分野のプロフェッショナルだ」と認識され、取材が自然と来るようになる。

さらにもちろん、潜在見込客の獲得というメリットも享受できる。これはいわゆる、最近注目を集める「オウンドメディア」の構築にあたる。

オウンドメディアは、ジャーナリスティックな視点を持つ担当者がいる会社ほどうまくいっている。

なぜなら、客観的な視点で読者に有用な記事を徹底して追求することで、信頼性の高い発信を行なっているからだ。

 

 

(2)記者・ディレクターの取材決断の後押し

2つ目は、プレスリリースを受け取った記者は、「取材しようか、どうしようか」と迷った時、ほぼ100%その対象について、ネット検索でリサーチするからだ。

その際、必要十分な情報を備えたあなたの会社のサイトがあれば、記者は欲しい事前情報を得ることができ、安心感につながる。そして、取材の獲得につながる可能性が一気に高まる。

プレスリリースでは、せいぜいA4判2枚程度の情報しか伝えられないのだ。

 

(3)パブリシティ効果による売上の最大化

そして理由の3つ目。

もし首尾よく取材され、マスメディアで取り上げられた時の状況を想像してほしい。

記事や番組を見た人々が、あなたの会社を知り興味を抱いたら、どういう行動をとるだろうか?

そうだ、ほぼ間違いなく手元のスマートフォンに手を伸ばし、すぐさま検索をかけてあなたの会社を調べ始めるだろう。

この絶好の機会を逃してはならない。彼らをあなたの会社の見込み客にしていくために、「受け皿」を用意しておくべきだ。

もし、せっかくマスメディアで大きく取り上げてもらったにもかかわらず、受け皿となる自社メディアが貧弱だったら非常にもったいない。

多くの人々がサイトに押し寄せているのに、それらはザルの水のように流れ、露出効果は一時的な打ち上げ花火に終わる。

だから、後から連絡を取れるようにメールアドレスを取得できるランディンページを用意しておきたい。

 

5 送り先のメディアリストの選び方

「プレスリリースは、配信サービスを使わないと送れない」と思い込んでいる人が少なからずいるが、全くそんなことはない。

プレスリリースは、自社から直接マスメディアに送ることができる。むしろ、成功率を高めたいのなら、自社による配信をお勧めする。

大量生産・大量消費の時代はもはや終わった。それはプレスリリースでも同じことだ。

効果がないどころか、メディア側から「迷惑業者」のらく印を押されるリスクすらある。

送り方は、新聞テレビといったマスメディアであれば基本、郵便で良い。

それでは、郵送の送り先はどうしたら分かるのか?

簡単な話で、マスコミの連絡先一覧が載っている本が、書店やアマゾンで購入できる。

・広報・マスコミハンドブックPR手帳

・マスコミ電話帳

 

これらには、テレビ局、新聞社、雑誌、その他諸々のメディアの住所、電話番号といった情報が網羅されている。これを見ながら、自社とマッチしそうな媒体をピックアップしていく。

できるだけ、送り先のメディアを読み込むなど、じっくり接していただきたい。

すると、そのメディアの読者層・視聴者層がおぼろげながら見えてくるはずだ。

そして、そうした想定読者・視聴者が求めている情報とは「こういうものではないか?」仮説を立て、そこから逆算して提供する内容を整えていく。

送り先となるメディアリストは、業者任せではなく自社で地道にこつこつ構築していくことで、やがて大きな財産となる。

その方が長い目で見て確実に成果が出る上、コストもはるかに抑えられる。

送り方について、詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。

 

6 メディアへのアプローチの実践(郵送、電話、訪問)

プレスリリースを単なる宣伝ツールとみなし、質の低い情報を次々とメディアに送る企業が増えている。

こうしたこともあり、プレスリリースを送るだけで取材が決まることはいっそう難しくなりつつある。

このため、「紙を送って終わり」ではなく、メディアの記者や編集者、ディレクターらと実際に面会し、直接話す機会をつくる重要性が増している。

アプローチの流れには様々なパターンがあるが、オーソドックスにはまず最初にプレスリリースを送る。

その送り方も、これまで述べたように業者任せではなく、自らメディア側ときちんと向き合う姿勢を示すやり方で、だ。

ファーストコンタクト(最初の接触)で相手に与える印象が極めて重い意味を持つということは、メディアPRに限らず、人間関係全般に言えることだ。

プレスリリースの送付がそのファーストコンタクトであるなら、「数打ちゃ当たる式」の送り方が、いかに愚かな戦略か分かるだろう。

リリースを送った後は、

・電話をかける

・直接、メディア社を訪問する

・記者クラブで説明(レクチャー)する

などの方法で、記者と名刺交換し、直接話をする機会を求めていく。

そして、あなたは記者やディレククターらと個人的な関係を長期的な視野で築いていただきたい

これが、お互い顔を知っている関係者の一覧。これが正しい「メディアリスト」となる。

誰でも手軽に手に入れられる、ネットで拾い集めただけの送り先は、あまり意味がない。

 

7 取材当日までの準備と心構え

プレスリリースを送り、記者と話ができ、取材が決まったとしよう。

慣れない方は、当日まで気持ちが落ち着かないかもしれない。初めての取材であればなおさら、緊張することだろう。

「当日までに何か準備をしなければ!」と焦る気持ちもわかるが、慌てる必要はない。

取材すると決めたということは、記者は事前の調べで、あなたの会社に「一定のニュース性があるであろう」と認めたということだ。自信を持とう。

想定問答を作る必要などはない(不祥事の取材を受けるといった、危機管理が必要な取材対応なら話は別だ)。

相手は取材のプロなので、必要な情報をあなたから上手に引き出してくれる。

取材は生き物といえる。取材の会話のやり取りの中で、自然に引き出された言葉を記者は好む。

逆に、用意された型通りの言葉しか出てこないような取材相手には、記者は落胆することが多い。

官僚的な会社ほど、取材相手から型どおりの言葉しか帰って来ない。そして頭を抱えたことは記者時代に少なくない。型どおりの受け答えだけでは、良い記事にはならないからだ。

あなたは自分の言葉で、素直に正直に、記者の質問に答えていただきたい。

注意すべきなのは、見栄を張ってウソをついたり、隠し事をしない、ということ。記者らメディアの人々は、ウソや隠し事を非常に嫌う。

なぜなら万一ウソを信じ込み、そのまま記事や番組にして世の中に広めたら、大変な責任問題になるからだ。

ウソを社会に報じてしまう。これほどメディア人にとって怖いことはない。

たとえ些細なことでも、ウソをついていたことが後日露呈すると、記者は「今後一切、あの会社を取材しない」と固く決意する。

そうした会社を取り上げることは、危険極まりないからだ。

だから、取材対応は、素直な気持ちで正直に話すことを心がけていただきたい。

 

8 取材・掲載後のフォロー

取材も終わり、記事が掲載されたり、番組の放送が無事に終わったりしたとしよう。

それらを目にした一般の人々や、知り合いから、様々な反響が寄せられることだろう。うれしい瞬間だ。

が、ここで気を抜かないことだ。このメディア露出を単発で終わらせずに、次につなげる意識を持ちたい。

まず、取材をしてくれた記者に、きちんとお礼を伝える。

理想的なのは手書きの手紙。そうでなくても、最低限は電子メール。あるいは、記者が忙しくないであろう時間帯を見計らって、電話をかけるのも良いだろう。

記者は、あなたが考えている以上に、自分が書いた記事の反響をとても気にしている。私自身も新聞記者時代、自分の記事が世の中にどういう影響を与えたか、毎回気になったものだ。

記者は、取材相手を記事で好意的に取り上げたつもりでいても、掲載後に相手から何の連絡もないと不安な気持ちになる。

「あれ、記事にご不満だったのかな?」「何か事実の誤りや、失礼な部分があったかな?」などと気をもむのだ。

そこで、取材相手から「素晴らしい記事にしていただき、ありがとう!」と連絡があると、ホッとすると同時に喜びを感じる。

さらに「記事のおかげで、こういう反響がありましたよ」と伝えられると、「ああ、この記事を書いてよかった」と充実感に浸ることができる。

このように取材相手に素直に喜んでもらえると、記者は「また再びこの方と一緒に仕事がしたい」と考える。これが人情というもの。

このように掲載・放送後はきちんとメディアの方へのフォローを怠らないようにしよう。

 

9 効果の検証、改善点の洗い出し

広報・プレスリリースは結果にかかわらず、1度や2度で終わらせず、コツコツ続けることに意味がある。

1度や2度、送っただけで一喜一憂しないこと。ジャーナリスティックに社会的な意義のある情報を淡々と発信し続けることだ。

プレスリリースは、企業活動の経過報告のようなもの。一見、反応がなくても記者たちはプレスリリースに目を通している。

正しい方向性のプレスリリースをコツコツ送り続けることで、記者の御社に対する認知は高まり、マインドシェアが徐々に高まる。

(言うまでもなく大事なことは、リリースの内容だ。自己宣伝が先走ったリリースは、送るたびに悪印象を強める)

一喜一憂しないとはいえ、リリースを送ることによって、何がしかの結果が現れる。

何も反応がなかった、取材が来た、といった結果を踏まえ、「何が良かったのか?」「何が悪かったのか?」を整理、分析していく。

広報、プレスリリースは、外部要因に左右される要因がかなりある。

つまり、プレスリリースを受け取った記者たちが、もっとより大きなニュースの取材に忙殺されている時は、良いネタを届けても物理的に取材できない。

逆に、記者たちの取材ネタが枯渇している時は、「イマイチかな」と自信のなかったプレスリリースに取材が来ることもある。

そうした外部状況はこちらではコントロールしようがない。

だからこそ、結果に一喜一憂せず、自らやれることのみにフォーカスする。そして、改善を繰り返していく。

 

まとめ

ここまで、いかがだっただろう?

1 自社を社会的(ジャーナリスティック)な観点から分析する

2 広報企画の立案

3 プレスリリースの作成

4 自社メディアの整備

5 送り先のメディアリストの選び方

6 メディアへのアプローチの実践(郵送、電話、訪問)

7 取材当日の心構え

8 取材・掲載後のフォロー

9 効果の検証、改善点の洗い出し

 

プレスリリースを成功させるには、当事者の根本的な「あり方」が極めて重要になる。

人に貢献する、社会に役立つ、というスタンスがあるかどうか?ジャーナリスティックな観点からの情報発信ができているかどうか?

これがないまま、小手先のテクニックを弄すれば弄するほど、マスメディアからの評価は低下する。

まずは、活動の理念をきちんと持ち、それを言葉にしていただきたい。

それから、記者やディレクター、編集者らと直接、話をする機会を持つよう努める。

彼らは情報と人間の目利きだ。直接、話をすれば、本気の想いは汲み取ってくれる。

彼らとの接点を増やし、間合いを詰めていただきたい。

これをやることで、数百万部もの発行部数の新聞や、何百万人もの人の目に触れるテレビで取り上げてもらえる道が着実に開けていく。

 

 

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手紙を書いてマスコミにPRする方法(自由国民社)